利益にはいろいろな利益があります。経営計画で言う利益は経常利益です。経常利益までが全社員が協力してあげられる利益だからです。今回は未来の利益ではなく、現在及び過去の利益について書かせていただきます。
利益には売上総利益、営業利益、経常利益、税引前利益、税引後利益、配当、役員賞与支払後利益といろいろの利益がありますが、私は、会社の本当の利益とは、配当、役員賞与支払後利益−長期借入金返済額だと思っています。この計算式に減価償却費を入れないのは減価償却費相当額を定期積金等にすれば次に買うときは、無借金で購入できるからです。私の考えでは、税金もコストでもあり、配当もコストです。利益とは、社員を守るためのコストであり、事業存続のためのコストですから、1円でも多くの利益を蓄積して会社をつぶれにくい体質にするのが経営者の役割です。ですから、会社の体質が強くなるまでは、節税をして、納税額を減らす。配当も少なめにするのがよいと思っています。
資金という切り口で経営を見ると、赤字でも経営上黒字のケースがあり、黒字でも経営上実質的に赤字のケースがあります。例えば、決算上1,000万円の赤字でも、減価償却費が3,000万円あって、無借金の会社は他の科目に変化がないと仮定すると、資金が2,000万円増えます。会計上赤字でも心配いりません。反対に会計上1,000万円の利益が出ていても減価償却費が同じく3,000万円、しかし借入金の返済額が6,000万円あれば資金は2,000万円減ります。さらに1,000万円の利益に税金、配当が重なると資金はさらに減ります。本来の利益とは、手許にいくら資金が残るかということではないでしょうか。借入金の多い会社は無借金になったときから、本当の利益が出ると思ったらよいのではないでしょうか。
土地、建物を買うと会社は利益が出ます。今迄、家賃、地代を払っていて経費になっていたものが、購入後借入金の返済になり、会社の経費にならなくなります。会社は儲かっているように見えます。そして、同じ条件なら税金が増え、配当が増え、地代家賃より借入金の返済額のほうが多いでしょうから資金不足になります。
借入金の本質は、利益の前倒しです。何故借金をするのか、利益を出すためです。設備投資、人材投資、在庫投資、全て利益を出すためです。借入金は毎月の返済額が大切です。金利よりも大事な会社があります。利益を出すために借金をするのですから、借入金の返済は利益の範囲内でなければならないというのが原則です。ですから、不良資産等の売却により売却損を出し、節税をし売却額の入金を借入金の返済に回せば、月々の返済額が少なくなり、会社が獲得しなければならない利益は少なくなり、反対に借入金返済の多い会社は、獲得しなければならない利益は多くなります。したがって、会計上の利益は借入金返済額の多少により評価されるべきです。
古田土 満 |