私共の月次決算書の目的に(1)どこに手を打てば利益が出るか全社員が理解するための資料である。という文章があります。これは全社員が儲けるための数字の使い方がわかると、現場でスピードのある判断が出来るので、結果として会社はより多くの利益の獲得とより少ない損失で防止することが出来るわけです。
ある会社にお伺いしたときの話です。その会社は法律の改正があり、ある部門の売上が急激に減少したそうです。半年間近く経っても利益が改善される見込みがないため、各責任者を集め、社長自ら1日かけ勉強会を開いたそうです。今迄はずうっと増収増益であったため、各責任者の打った手は売上をアップするための広告宣伝等だったそうです。売上をあげるための対策しかしてこなかったみたいです。そこで社長はある地域で2つの店舗で営業しているのを、一つの店に統合したら、いくら売上が減り、いくら変動費が減り、いくら経費が減るかシミュレーションをしてもらったそうです。また毎日出している広告宣伝を半分に減らしたらどうなるかも計算してもらったそうです。決してトップからの強制ではなく、各自に自分で考えてもらって、行動するかしないかは任せたそうです。それから、約半年が経過し、結果は減収でも経常利益は去年並みになりそうです。店を統合しても思ったほどお客様の減少はなく、変動費と固定費は減り、特に毎月1億円かけていた広告宣伝費は半分になったため、6ヶ月では3億円の減少になったわけです。ただ辞めていただいた外注先の方々には大変申し訳なかったとおっしゃっていました。
未来会計図で活用したいのは、全社員が上記のことを理解することです。全社員がこの売上が上がるといくら経常利益が増えるのか、又減るのかたちどころに計算できることなのです。逆にこの商品、得意先、事業所がなくなると、いくら売上が減り、それに伴い変動費がいくら減少し、固定費がいくら減少するかすぐ計算できます。未来会計図は、経理の知識のない人でもわかるように面積で表現しています。粗利益の面積と固定費の面積の差額が経常損益です。固定費を粗利益で割ったのが損益分岐点比率、経常利益を粗利益で割ったのが経営安全率、経常損失を粗利益で割ったのが売上必要倍率です。例えば、この表の上で売上高の変化や、粗利益率の変化が経常損益にどのような額で影響するか、全社員でシミュレーションすることが出来ます。また損益分岐点ごとにSからDまでランクづけがしてありますから、自社の評価ができます。さらに理想的な労働分配率を設定することにより、必要な粗利益、売上高が計算され、その時の経常利益も計算出来るようになっています。最後に目標とすべき売上高経常利益率も明示してあります。この未来会計図を活用して全社員が儲けるコツをつかんでいただきたいと強く願っております。
古田土 満 |