創業社長に多い特徴は(1)食事をするのが早い。 (2)せっかち (3)頭がよい (4)思い込みが強い (5)勉強が好き (6)痛風等です。
私が言っているのは、成功者と呼ばれる経営者のことではなく、普通の中小企業の社長のことです。私は多くの経営者と食事を共にしていますが、店に入る前に何を食べるか決めています。メニュー表を見て何にしようかと迷っている人はほとんどいません。ましてや他人の決めたメニューで「同じものを下さい」という人は少ないです。食事も話をしながらですが、早い。よくかんで食べていないからです。ましてや家庭で奥様が出してくれた料理を「まずい」という人はいないのではないかと思います。「旨い」とはお世辞で言います。家庭の平和が仕事に集中できるコツだとわかっているからです。では食事をしながら、何を考えているのかというと、仕事のことで頭がいっぱいです。寝てもさめても仕事のことです。妻が話しかけても返事はしますが、心は他のところにあります。しょっちゅう妻に叱られます。また奥様も共に働いていますから食事の会話は、子供を含めて、商売の話、社員のこと、会社の出来事が主です。サラリーマンの家庭では、子供の学校、友達、先生のが主な会話の中心でしょうが… ここでも妻に子供に関心がないと叱られます。次の特徴として、せっかちで歩くのも早い。社長は最終判断をしなければならない立場、そして判断する数も多いので「よく考えてお答えします」とはいかないのです。せっかちでないと、すぐ実行する実行力がないと、生き残っていけません。だから失敗も多いのです。社員は「また社長が何か始めた。また失敗した。反対したのに…。」とよく言います。しかしです、何もしないで評論することは誰にでも出来ます。世界中の不幸な人々のことを心配することは誰にでも出来ます。しかし、自分の人生をかけてたった1人の社員の生活を守ることのほうが尊く価値があります。失敗の中から学び、成功するのです。そして現在の会社があるのです。
創業経営者は、会社がかわいいのです。自分の子供を育てる以上の愛情を持って、会社を育て成長させてきました。この間には、倒産の危機を何度か経験してきました。会社はつぶしてはいけないと心の底から感じとっています。ですから、危機感のない社員の言動を見ているとはがゆくて心配で、小言も言います。反発を覚悟で叱ります。しかし、社員は社長の後ろ姿を見ていますから、文句を言いながら、ついてきます。社長個人の人柄に社員はついていきます。社長は人格を高めることが必要です。こういう社長もいずれは、経営を次の人に引き継ぎます。後継の心構えとして「譲られた者が、譲った者を無条件に長く立ててあげられなければ、引退の花道を飾れない。晩年に花を咲かせてあげるのが、譲られた者の責務ではないでしょうか。引退を決めたものが捨て身だということを肝に銘じなければ後継はできません。自分の人生のすべてを賭けた会社を譲るのです。そこがわかっていなければだめです。」(牟田学者「社長業」より)
この言葉が重いです。
古田土 満 |