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拡大には成長と膨張がある
平成19年12月号
 

経営に現状維持はなく、拡大しているか縮小しているかです。拡大については、膨張しているのに拡大していると勘違いしている経営者が多くいます。では、成長と膨張の違いがどこにあるのか私見を書きます。まず、こういうケースは膨張していると思ったほうがよいと思います。

1.売上高は大幅に増加しているが、それに伴い仕入、人件費、経費も大幅に増え、税引後利益が増えない。しかもこの状態が継続している。会社は設備投資をすると、先行して、人件費、広告費等がかかりますから、利益額が大幅に減少することがあります。過去にもこのようなことがあり、内部蓄積の厚い会社はすぐに先行経費がなくなれば利益は出ますから心配ありません。問題は内部蓄積のない会社が設備投資や新規事業を行う場合です。会社に資本の蓄積がないということは、過去に売上は拡大したが儲からなったということです。資本蓄積がない会社は、設備投資等の資金を自己資金がないから借入金により調達します。借入金は返済しなければなりません。借入金の返済原資は原則として利益です。利益の蓄積がないということは、返済できていないということです。設備は使って磨耗していても借入金が減っていないということ。借金を返済するために借金しているということです。借金を返済するために売上を拡大する。売上が拡大すると売掛金や在庫が増える。その結果、在庫資金、売上仕入資金が必要となり、さらに借金が増える。このような状態が続くと銀行はお金を貸ししぶるようになります。このように利益が出ないまま売上が増加し、資産の拡大と借入金の増加する状態を膨張するといいます。

2.成長するとは、売上の拡大は当然ですが、長期借入金の返済を利益で賄えている状態です。キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローの額で借入金の返済ができているということです。理想は、設備投資額を引いたフリーキャッシュフローの額で返済が出来ることです。以上からわかってもらいたいのは、設備投資等により拡大するときには、事前にその投資が十分に採算に合うのか、何年で回収できるのか、計算し、借入金の返済額は利益で賄うので、安全な返済額を銀行にお願いすることです。長ければ長いほど良いと思います。この返済額を返済できなくなったらこの投資は成長ではなく、膨張だったと考えるわけです。

 成長と膨張についてお金のことだけを書きましたが、その他にも大事な人材の問題があります。人が成長してないのに、規模のみ拡大して会社がつぶれるケースは世の中にたくさんあります。それは、実は社長が成長していなくて膨張していただけなのだと考えると経営はわかりやすいと思います。会社は社長で99%決まるといわれています。社長は成長しているのでしょうか。それとも?

 (注)利益の蓄積=資本の蓄積=内部蓄積です。
 このように読んで下さい。

古田土 満

 

 

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