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小さいときにミカンをミカン箱ごと買って、その中にミカンが一個腐っていると回りのミカンまで腐っていて、もったいないなあと思ったことが記憶にあります。中小企業の経営者は、人・物・金の問題で心が安まることはないと思います。その中で全ての経営者が悩んでいられるのが人の問題です。評論家の先生やマスコミは多くの価値観を受け入れこれを活用していくのが経営者の力量のように言っていますが、私には納得できません。私も含めて中小企業の経営者は人・物・金の全てに対応しています。全てに責任を負っています。責任を負うということは売上があがらないのも社長の責任、お金のないのも社長の責任、会社で不祥事があっても社長の管理責任を問われます。何十人、何百人も社員がいれば問題を起こす社員は一人くらいいるものです。会社には常に問題が発生します。問題は起きてあたりまえだと思います。問題は問題が起きることではなく、その問題をどう受け止めるかということです。会社で起こる結果責任は社長にあります。
しかし、会社で起こる問題の受け止め方が人によって大きく違うということです。中小企業で社長の悩みでつきないのは人の問題です。どういう人の集団が理想かというと私は多様な価値観の集団ではなく、同じ価値観を共有できる集団の中で働きたいと思っています。社長の価値観と違う人間がいると社長は安心して仕事に集中出来ません。よく社員が病気になったりうつ病になったりすると会社と社長が責められますが、私は世の社長は、これだけ売上のこと、クレームのこと、お金の調達、人の問題が次から次へと生じているのによく体をこわさないなあ、うつ病等の病気にならないなあと思っています。事実体を悪くしても病気でも、社員なら休むのに会社に出ている社長はたくさんいます。稲盛和夫氏もジャック・ウェルチ氏も、ものの考え方が違う人間が会社にいると、マイナスの方向へ社員も引っ張って行くので早めに辞めてもらうのがよいと言っています。
我々中小企業の経営者は、うまく社員問題の本質を伝えることが出来ません。社員という仲間意識で人を見るのと経営という立場で会社全体を見るのでは見方も違います。多くの社員が会社に問題が起きたときにその受け止め方が会社の問題だとか、社長の問題だと思っていたら社長は1人です。つぶれてしまいます。本当に社員の人達の人生や家族のことを考えて、責任を負ってくれるのは社長です。私はその人の人柄のことを言っているのではありません。仕事や人生に対する考え方、価値観のことを言っています。全社員が同じ価値観で働き腐ったミカンは早く取り除く、それがあたり前だと思える集団がよい組織です。理念を共有し、社長、役員、幹部が理念の実践者として本気で仕事をして、社長にうしろ姿を見せることによって、社員にこのことが伝わると信じています。社長が社員に「教える」のではなく「見せる」ことによって理念は伝わるのではないでしょうか。経営を楽しくしましょう。
古田土 満
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