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銀行員の裏話
平成20年9月号

 

 古田土会計では決算書に「財務格付ワークシート」を添付して、都市銀行と同じ基準で格付をしてお客様に銀行がうちの会社をどのように評価しているか説明しています。格付けは定量評価のみで決算書の数字を入力すると自動的に2期間の格付が判定されて出てきます。格付は1〜10まであり、自動的に計算される最低の格付は7です。8〜10は出ません。8は要注意先、9は破綻懸念先、10は実質破綻先です。出ないのはこれは銀行が判定するものだからです。
 先日ある都市銀行の方から銀行の格付のしかたについて裏話を聞くことができました。まず中小企業は計算上格付が2とか3になっても最高の格付は4であること、引当率は1〜7が2%、8の要注意先になると20%になり、9は80%、10は100%とのこと。8に格付されると引当率が大幅に上がるため銀行は自己資本が減るので貸し出しをしないばかりか、回収に走る。回収額が増えると引当額が減るので自己資本額が増えるからです。何故格付けが大事かというと銀行の中小企業に対する見方が変わったからです。従来は担保主義、総合的に与信判断していたものを、企業審査を標準化するため定量評価(信用格付)、定性評価により判定するようになりました。従って銀行から融資してもらうためには「格付」を意識した経営が必要となります。そこで定量面でのポイントは6つあり、6項目が全てOKなら融資するとのこと。
@ 税引利益が2期連続して赤字にならない。2期連続赤字にすると即格付は8以下になる。特別損失による赤字も同じです。特別損失は1期のみ。2期はまずいそうです。そして赤字の幅は5万円の赤字も1億円の赤字も同じだそうです。
A 実態純資産残高(自己資本比率)は10%以上。1桁はまずい、表面上は30%は必要。実態とは、会社に繰延資産があれば評価は0(ゼロ)。長期滞留社長貸付、立替仮払金は0評価、入居保証金は30%評価。では土地、建物をどのように見ているかというと稼動資産は簿価評価だそうです。商売を前提として見ているからです。このように計算して純資産がマイナスになれば8評価になり融資は打ち切るとのこと。
B 債務超過の有無。帳簿上債務超過になれば格付は8以下になる。
C 返済条件の変更は一発で8以下。→銀行が貸してくれないから返済額を少なくするために条件変更をするわけですから、条件変更をする前に8以下に評価されているわけです。よって貸ししぶりに対して返ししぶりするのは正しいと私は思っています。
D 中小企業の特例。役員借入金は資本金扱い。また社長個人資産と合算して考えるとのこと。
E 借入償還年数の算定。これが一番重要。この年数が10年を超えると格付は8以下。

  総借入(含む社債)−現預金−(受取手形+売掛金+商品−支払手形−買掛金)
  -------------------------------------------------------------------- <10年

         税引後利益+減価償却費    ※貸ビル、倉庫、ホテル業は20年

 この式で9年なら10年になるまで貸せる。ということは10年になるまでが借入上限ということになり、(分母×10−分子)の差が追加して借入のできる借入可能額ということがわかります。また、定性要因を以て格付上方修正は原則行なわないそうです。格付の性質を活用して、銀行からも信頼してもらえる決算書をつくり資金で苦しまない会社づくりをしたいものです。

古田土 満

 

 

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