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経営計画書と月次決算書
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古田土氏 中小企業経営者を育て、企業の成長、拡大と安定に貢献することを基本理念とし、「原理原則にのっとった正しい経営を導く」「数字に強い経営者を育てる」「どこに手を打てば利益が出るか、お金を残すためにはどうしたらよいか」を経営計画書と月次決算書に絞って指導する異色の会計事務所。それが古田土公認会計士事務所だ。

自らが実践して蓄積した理論に基づいて、1,100社もの会社を指導している所長、古田土満氏にインタビューを行い、その考え方を聞いた。

自らが実践する経営計画書
-自らが、経営計画書作成に取り組まれているそうですが-

[古田土] 私は開業して5年目に初めて手書きの経営計画書を作りました。数字中心の計画書で、経営も全然わからずに書いたものです。今思えば当時の社員にはあまり役に立たなかったように思います。ただ私の数字に対する思い入れだけで書かれた経営計画書でした。

そんなとき(株)ヤザワコーポレーション様の経営計画発表会に参加する機会があり、経営計画書をいただきました。言葉が短く、わかりやすく、実行するための動具(道具)になっていました。

数字だけでなく、言葉、特に経営方針にストーリーがあって、ただもう強い衝撃と感動を受けたのを覚えています。「これこそ私が求めている経営計画書だ!」と確信しました。

その後、(株)武蔵野の小山社長様から、本格的に経営計画書の作り方を学び、一倉定先生(故人)の本やビデオを何度も繰り返し見ました。

そして試行錯誤する中で、経営を勉強しなければならないこと、技術者としての会計人ではなく、人を育て、多くの人々を幸せにする経営者に、まず私がならなくてはならないことに気づきました。

そのためにも、自分の考え方を文章にし、発表し、社員に協力を求めることが大切なのだと気がつきました。しかし単に発表するだけではダメで、社員は経営者の後ろ姿を見て協力してくれることがわかりました。方針としての文章が一応の形になるのに5年もかかりましたが・・・。

-挫折はなかったのでしょうか-
[古田土] 初めて経営計画書を作った頃は、お世辞にもほめられる経営をしていたとはいえません。作った年に半分の社員が辞め、次の年はさらに3割・・・というあり様です。方針が形として実行できるのに10年かかりました。

でも、10年も同じことを続けていると、会計事務所業界で有名になりました。今では、セミナーで私の経営計画書の作り方と実践の仕方の勉強会に多くの会計人が参加してくれるようになりました。

いまでは本当に経営計画書を作ってよかったと思います。そして、この経営計画書を作るメリットをもっと多くの方に知ってもらいたいと心の底から願っています。

毎年恒例の経営計画発表会
-お客さまをご招待して経営計画発表会を開催されているとお聞きしました-

[古田土] 多くの方のご指導で、誇りを持てる経営計画書ができました。その恩に報いるためにも、今度は私がたくさんのお客さまに経営計画書の作り方や実践の仕方を伝える責任があると考えています。

そこで、経営計画書の素晴らしさを知っていただくために、また範を示さなければという強い想いで、毎年1月11日に古田土会計の経営計画発表会を開催しています。毎回300人ものお客さまが出席される発表会は今年で16年目になります。

実は1月11日という日は私が開業した日です。開業した昭和58年1月11日に思ったことは、1.10.100.1000というコンセプトです。1は1億の経常利益、10は10億の売り上げ、100は100人の社員、1000は1000社のお客さまです。1.100.1000.は達成し、10は2010年に達成します。

1億円の売上は8年かかりました。1億円の利益は19年かかりました。しかし今は、30億円の売上と6億円の経常利益を達成するための経営をすることに決めています。

経営計画書は社長を動かす動具(道具)である
-経営計画書は誰が作るのですか-
[古田土] 社長です。社長自らが作る事に意味があります。他人が作ったものではダメです。社長が自分の手で書くことで実感できるからです。また大事なことは手で書くから頭に入ります。

古田土会計ではお客さまと一緒に計画書を作りますが、あくまで主体的に作るのは社長その人です。勉強もたくさんしていただきます。私たちは家庭教師のようなものなのです。でもある程度ご指導すれば、どの社長でも60分から90分で作れるようになります。2年目になればひとりでも作れるようになる。社長が自分で作れる経営計画書、これが基本です。

-経営計画書作成は大変というイメージがありました-
[古田土] 中には100ページという経営計画書を作る社長もいる。書き始めればわかることですが、本来、社長の心の中には熱い想いがほとばしっているんです。本当はそれを吐き出したい。社員に想いをわかって欲しい。でもこれまでは、どうすればそれができるのかわからなかった。

だから、やり方がわかれば夢中になって書ける。書きながらワクワクしてくる。不安や恐怖も味わう。頭が思考しだすんです。そして行動せずにはいられなくなる。経営計画書とは社長を動かす「動具」なんですね。あくまで私たちは社長をサポートするのが役目です。

初めて作った経営計画書は社長にとって納得できるものではないかもしれません。でも信じて5年間続けると目標達成に対する意識、戦略力が驚くほど身につきます。将来に向けて今から準備してください。勝負は戦う前についてしまうものなんです。

中小企業を救うためにできること
-経営計画書を作りたいが、費用が高くて二の足を踏む経営者も多いようです-
[古田土] 私たちが行う経営計画書のご指導は、中小企業を救うために絶対不可欠である、という使命感だけで行っています。ですからお客さまからはお金を一切いただいておりません。

世間では数百万円もする経営計画作成ソフトがあるようですが、ちょっと疑問も感じています。私たちの経営計画書は電卓とペン1本あればできてしまいます。必要な書式や教科書もすべて差し上げています。

一方で、経営計画の指導をしながら、自分は経営計画書を作成したことも運用したこともない、という会計事務所もあるようですから驚きです。そんな会計事務所が他人様の経営計画のご指導を行うというのは私には理解できません。

経営計画書には利益計画や販売計画はもちろん、理念や方針を文書化して社員に示し、その成長を促す役割があります。数字だけで人は育たない。だから古田土会計では社員全員に経営計画書を配り、最低でも週1回は研修を行っています。指導するものが自ら実践して範を示す。これは当たり前のことだと考えています。

現実を見て驚愕する社長が続出する理由
-簡単に言うとどんな手順で作るのでしょう-

[古田土] まず利益計画を作っていただきます。この利益計画とは、会社が生き残るために、絶対に必要な売上と粗利益を算出し、理解することです。私たちのご用意する書式を埋めていけば、数字の苦手な社長でも割と簡単にできます。

ただし、算出した数字を見た瞬間、社長は驚きのあまり言葉を失います。これまで私たちがご指導した1,100社の社長の大半がそうです。

前年実績と比較して、あまりに高い数字だからです。でも、ここで算出された売上高は単なる目標ではないのです。必達しなければ会社が存続できない数字なのです。したがって実現可能かどうかの論議は無用だとご指導しています。

-社長の反応はどうでしょう-
[古田土] 実は利益計画までは、割と楽しみながら作成する社長は多いのです。しかし、本当の苦しみはここからです。この利益計画を実現するための販売計画を作る段階に進んだ瞬間、社長の心のうめき声が聞こえてきます。

必達の売上高にはどうしても足りないのです。現状のお客さまの数と商品ではどうしてもダメなのです。この不足額をどう補うのか?こんなに新規の開拓ができるはずがない。頭の中がパンクしそうになる。はたから見ていてもそれは辛いものです。

しかしここからが、経営者たるゆえんでしょう。次の瞬間には、社長の頭は突如切り替わります。どうしたら達成できるのかフル回転を始めます。そして最後には、混乱を経てくっきり見えてくるのです。そう、次の一手です。

そして、この体験が社長を変え、より大きく成長させていくのです。これこそが経営計画を作成する意義だと多くの社長が共感してくださいます。

-販売戦略についてはどのような指導をされていますか?-

[古田土] 経営理念を実現するには、会社を成長、拡大させ、さらに安定させなければなりません。そのためにも粗利益を増やさなければなりません。経費節減ばかりでは限界があります。そして、粗利益を増やすためには、売上、つまり販売が必要なわけです。

一倉先生は「販売なくして事業なし」と言っておられます。そして販売戦略を学ぶには、まずランチェスター戦略に学ぶべきだと思っています。私たちが経営計画書と月次決算書のご指導に絞って成長できたのも、このランチェスター戦略に学んだからです。

経営者は何ために頑張っているのか?
-経営理念についてはいかがでしょう。-
[古田土] 多くの社長とお話すると、どの社長も夢を持って経営されていることがわかります。社員にもっと育って欲しい。うちの会社で働くことで幸せになって欲しい。お客さまにもっと喜ばれる仕事をしたい。このような想いを持って、その夢のために走っている社長がほとんどだと思います。

社長の夢を社員の人達と共有し、共に成長したいという強い想いです。その社長の強い想いを短い言葉に凝縮したのが経営理念といわれるものです。

語弊があるかもしれませんが、私は「利益を出すこと自体は会社の最終目的ではない」と考えています。例えば、社員に「会社で働く目的は?」と質問したときに「生活のためです」という答えが返ってきたら、社長は悲しい気持ちになります。

本当は「そうじゃないだろう。俺たちが苦労しているのは生活のためじゃないだろう。仕事に夢や希望や誇りがあるからだろう」と大きな声で言いたいのではないでしょうか。

会社の本当の目的は利益を出すことではなく、経営理念を実現することだと思います。経営理念の実現のために全社員が価値観を共有して仕事をしていけば、結果として、利益は後からついてくるということではないでしょうか。

経営理念は今すぐになくてもいいのです。場当たり的なものはむしろ邪魔になります。まして、人に作ってもらった理念など意味がありません。時間をかけて「これがわが社の経営理念だ」といえるものをぜひ作ってください。

  PART2に続く
 
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古田土氏
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