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『高収益高賃金経営こそ生き残る道』 (労働分配率の目安は利益)

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“高収益高賃金主義”

 

一倉(いちくら)定(さだむ)先生の「ゆがめられた目標管理」という本の最終章の最後のタイトルを今月のきたない字シリーズのタイトルにしました。

 

一部抜粋すると「企業をとりまく外部情勢は、ますますきびしく、変化は早くなってゆく。一方、人件費の高騰と人手不足は、労務倒産の危機さえはらんでいる。

のような多くの圧力をはね返して、存続するための不可欠な基本的な姿勢がある。

その基本的姿勢とは“高収益高賃金主義”である。

高収益主義だけでは長続きせず、高賃金主義だけでは企業はつぶれる。

それはマネジメントの問題ではなく、経営哲学と戦略の問題である。

 

高収益はすぐれた戦略により高収益型事業構造を創らなければならないことはこれまで何度も書いてきました。

すなわち高収益は戦略によるものですが高賃金は経営哲学、わかりやすく言えば社長が社員に世間相場よりも高い給料を払う意思があり、かつ実施しているかどうかです。

 

 

世間相場より高い給料とは

 

では世間相場より高い給料とはいくらくらいなのかと言うと、世間相場より10%位高いのが目安です。

世間相場とは同業者や税務署が毎年9月に公表している「事業所規模別の給与所得者数・給与額」です。

また地方の場合の目安として公務員と同じ給与を目指すというのもよいと思います。

今年の古田土会計Gの「人を大切にする経営計画書」のP163には今迄より、より詳細な資料が明示されています。

具体的には規模別及び年齢階層別になっており、100人以上500人未満では、男で年齢が30~34では4,424千円、35~39では4,993千円、合計平均5,217千円。

女性も同じように載っています。

 

社員は年末調整により自分の年間給与がわかっていますから、自分の年齢のところの金額と比較すれば自分の給与が世間相場よりどのくらい高いか低いかわかります。

 

社員は自分の給与が高すぎると思っている人はほとんどいないと思います。

常に低いと不満に思っていると思います。

社員がそう思うのはあたりまえです。

だから社長は資料を用意して社員に説明しなければならないのです。

社長は説明責任があり、社員にわかってもらうために教育しなければなりません。

私達古田土会計では、入社1年以上勤務した正社員の平均年収を社員に公表しています。平均年齢は男性が36歳、女性は30歳、平均勤続年数は男性7年、女性5年で、平均年収は、男性6,482千円、女性4,743千円で合計平均は6,040千円です。

 

私は社員勉強会で男性には世間相場より24%高いんだよ、女性社員には男女平均が4,372千円なのでそれより8.5%高いと説明しています。

いかに高給与かは説明しないと伝わりません。

 

 

労働分配率がいくら高くても利益が出ていればよい

 

会社がどのくらいの給与を払えるかの目安として労働分配率があります。

一般的に大企業は低く、中小企業は高くなっています。

この指標は低ければ低いほど評価が高くなっています。

目安として50%なら利益体質、60%を超えると危険だと言われていますが、何の根拠もない間違いです。

事業構造が資本集約的か労働集約的かによって違ってきます。

中小企業は労働集約的な業種が多いために付加価値(限界利益)に占める人件費の割合が高くなるのは当然のことです。

労働分配率がいくら高くても利益が出ていればよいのです。

また1人当たりの経常利益が少なくとも百万円、できたら2百万円を超えていたら十分に生産性は高いわけです。

 

古田土会計Gでは労働分配率は65%ですが、1人当たりの経常利益は140万円です。

収益性と生産性は、付加価値(MQ)を分母にするか分子にするかです。

生産性とはMQをF(固定費)で割ったものです。

労働生産性はMQを人数、労働時間、人件費で割ったものです。

逆にFをMQで割ったものが、損益分岐点です。

損益分岐点は未来会計図により目安となる数字があります。

しかし、労働分配率には目安がないのです。労働集約的な業種か否かにより異なるからです。自社で決めればよいわけです。

決め方は利益、損益分岐点比率を参考にして利益目標のときの人件費とMQの割合が目安とする労働分配率です。

 

古田圡 満