あなたの会社に元気と未来を届けます!

CLOSE

BLOG ブログ

カテゴリを選択してください

アーカイブを選択してください

毎年利益が出ているから、うちの会社は安全!という勘違い

毎年利益が出ているから、うちの会社は安全!という勘違い

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、ポイントをかいつまんで解説していきます。

今回のテーマは、「毎年利益が出ているから、うちの会社は安全!という勘違い」です。

「利益が出ているのになぜ安全と言えないの?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
毎年利益が出ていても、会社の財務体質によっては安全とは言えません。
今回は財務体質の改善方法も解説します。

「利益は出ているけれども、うちの会社が安全なのか不安」
「安全な経営のための財務体質の改善を知りたい」
このように考えている方はぜひ読んでみてください。

▽動画でも解説しています

利益の3つの側面とは

本題に入る前に利益の3つの性格について解説します。
「利益がなぜ必要なのか」「利益は経営においてどのような意味を持っているのか」を知っておいていただきたいからです。

①損益計算書を判定する尺度

利益は損益計算書の基準になる要素の一つです。
主に経常利益と関係があります。
売上高、経常利益率、営業利益率など利益と関わりのある要素は複数あります。

②事業存続費としての利益

利益は会社を破綻から救う事業存続費的な意味を持っています。
会社を経営していると気を付けていても、災害に遭ったり、事故が起きたり、損害賠償を請求されたりということが生じます。
ですので、そういう「万が一」に備えることも必要です。

例えば新型コロナウイルス感染症のように急に売上が減少するような事態が起きても、損益分岐点比率が80%の会社だったら、売上高が20%減っても赤字になりません。
高収益型事業構造になっていれば、少々「まさかの事態」が起きても赤字にならなくて済みます。

③経常利益ではなく税引き後の利益

利益はバランスシートとも直結します。
税引き後利益がバランスシートの自己資本の部にいき自己資本比率を上げ、その自己資本比率が大きければ大きいほど会社の安全性が高まったり、銀行から低利で有利な条件でお金を借りられたりします。

どのくらいの利益が必要なのか

今回は「利益が出ているからといって会社は安全とは言えない」というテーマですが、「どれくらい利益が出れば安全と言えるのか」と疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

一つの目安としては「借金の返済」です。
一般的には「税引き後利益+減価償却費」が借入金の返済原資と言われています。

必要な経常利益は、
①借入金の年間返済額を算出
②それから減価償却費を引き
③それを0.65(法人税は約35%)で割る
ことで算出できます。

とはいえ、多くの中小企業にとっては借入金の返済原資の方が、会社が上げている利益よりもはるかに大きく、多くの中小企業は借金を返しながら、また銀行から借金をしているのが現実です。

そして銀行は運転資金として貸しているため、3年から5年のスケジュールでしか貸しません。
毎年、毎年返済額が大きくなるので、借入金の年間返済額を利益で賄うことは困難なのも事実です。

現実的に会社が上げなければいけない利益は以下の通りです。
・借入金の返済額
・配当
・役員賞与
・将来の設備投資のための内部留保
・年々上昇する人件費や経費などの固定費の上昇幅の金額分

一般的な中小企業が必要と考えていた利益より、実際に必要な利益は、はるかに多いのです。
これを名経営コンサルタントの一倉定先生は「会社があげられる最大限利益よりも会社が上げなければならない最小限の利益のほうがはるかに大きい」という言葉で表現されていました。

上げなければいけない利益の中で一番の課題は借入金の返済です。
利益を考えるならば、借金が少なければ少ないほど、会社が上げなくてはいけない利益も少なくて済みます。
無借金会社を実現すると、返済がないため、はるかに会社が上げなければならない最小限の利益が少なくなります。

だからこそ、財務体質の改善はとても重要です。
多くの中小企業の経営者は節税ばかり考え、税引き後利益を増やそうとしません。
節税対策を駆使し税金を減らそうとしても、いつまでも財務体質は改善されないのが現実です。

私たちが今までお客様を見てきて、財務体質に問題のある会社は、借入金の多いケースがほとんどです。
バランスシートで見ると、総資産に占める借入金の割合である「借入金依存度」が高くなっています。
(借入金依存度は長期借入金、短期借入金、割引手形残高を足したものを総資産で割ることで算出)

自己資本比率は何%を目指すべきか

ここまでお話してきたように、会社の財務体質をチェックするためにはバランスシートを見ることが大事です。
なかでも、「自己資本比率」を改善していくことがポイントです。

自己資本比率が高い会社は、倒産しにくい会社といえます。
自己資本比率は下記の計算式で算出できます。

自己資本比率(%)=自己資本(純資産)/総資産

では自己資本比率はどれくらいを目指すべきでしょうか。
古田土会計で出している「社長の成績表 銀行交渉版」に自己資本比率の格付けスコアリングシートがあり、そこでは下記のように掲載しています。

・60%以上:10点
・50%以上:9点
・40%以上:8点
・35%以上:7点
・30%以上:6点
・20%以上:3点
・15%以上:1点
・15%未満:0点

つまり自己資本比率が15%の企業は銀行から「この会社に貸したら危険」という判断をされます。
ゆえに最低限のラインは15%以上、古田土会計では「まず30%以上を目指しましょう」とご提案しています。

とはいえ現実は30%以上の中小企業は少数派です。
なかには10%以下の企業もありますが、それでは銀行に信用してもらえません。

自己資本比率の増やし方

「自己資本比率30%」を最初の目標にしたところで、どう自己資本比率を改善するのか説明していきます。
まず、増資や利益増を目指すのはおすすめしません。どちらも負担が大きいためです。

利益増を思い浮かべた方は少なくないと思いますが、利益が増えればそれだけ税金もかかります。
1億の利益を出しても35%が税金ですので、3,500万円は税金で出ていってしまいます。
そこで「できるだけ少ない利益で自己資本比率を上げること」を勧めています。その方法は「総資産の圧縮」です。

まず経営者がバランスシートの左右で見るべきポイントは左の固定資産です。
賃貸用や投資用の余分な土地建物などの固定資産がないかをチェックしましょう。
投資用に持っている有価証券もチェックの対象です。

貸付金も社長貸付金(社長が会社からお金を借りている状態)があったら銀行からの評価が0になります。
こういう無駄な資産を減らし、少しでも資金を回収しましょう。

このような方法によって借入金を返済していくと、自己資本比率を高められます。
自己資本そのものを増やさなくても、左側の無駄な資産と右側の借入金を減らせば、総資産が圧縮され自己資本比率は上がるのです。

もう少し具体的にお話しましょう。
例えば10億円の資産があり、自己資本が1億5,000万円で、会社に土地建物の資産が2億円あるとします。
2億円分の固定資産を売ると、会社の資産は8億円になります。
8億円に対し、1,000万円貯まったとして、自己資本が1億6,000万円になればそこで自己資本比率は20%になります。

●1億6,000万円÷8億円=20%

総資産の圧縮ができましたら、次に運転資金である棚卸資産や売掛金、貸付金、様々な立替金などの勘定科目も少しずつ減らしていくことで自己資本比率は自動的に上がります。

経営者に必要なのはバランスシートの左側の無駄を省くという視点です。
逆に「無駄を省く」という考え方で経営をしなければ、いつまでも会社の財務体質は改善されません。

まとめ:会社の財務体質の改善にバランスシートは欠かせない

今回は「利益が出ているからといって借入金依存度が高く、自己資本比率が低ければ安全とは言えない」、「自己資本比率は、総資産の圧縮や勘定科目の改善などバランスシートをチェックして改善すること」についてお話してきました。

「財務体質を改善する」とは借入金や支払手形等負債を減らし、現金や預金を持つことです。
手元に資金がなければ、万が一のときに社員とその家族を守れないからです。
総資産を圧縮し借入金を返済し、自己資本比率を上げることが正しい経営のやり方と覚えておいてください。

毎年利益を上げていたとしても、社長は自社のバランスシートを見て自己資本比率をきちんと確認し、自己資本比率を高めるよう意識していきましょう。

とは言え、どこから手をつければいいのか分からない、というのが本音かと思います。
そこで、自社にとっての稼がなければいけない利益がいくらなのか、また具体的な対策としてどんな施策を行えばいいのかをまとめた『利益シミュレーションフォーマット』をご用意いたしました。

簡単な数字を入れるだけで、自社の状況が簡易的に分かりますので、ぜひご活用ください。

▽『利益シミュレーションフォーマット』を無料で手に入れる

『利益シミュレーションフォーマット』
無料プレゼント!

今すぐ無料ダウンロードする