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column コラム

『生産性と労働分配率を正しく理解していますか』 (付加価値は社長の仕事、固定費は部下の仕事)

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中小企業で生産性を上げるとは

 

よく生産性が高いとか低いとか言われますが、どのような計算式で計算されているのでしょうか。

一般的には、1人当たりの売上高、粗利益、経常利益が思い浮かびますがどれが正しいのでしょうか。

私達古田土会計は明確に定義しています。

 

生産性とは、投入に対する成果ですから、投入を固定費とし、成果を粗利益(付加価値)として、粗利益÷固定費=生産性です。

世の中では、粗利益の定義がまちまちです。

日本生産性本部の計算式をはじめさまざまな計算方法があります。

私達は売上高-変動費(外部の付加価値、材料費、外注費、商品仕入等)=粗利益としています。

このようにしたほうがわかりやすいからです。

そして実践的だからです。

 

よく生産性を高める議論をすると、分母の固定費を下げることが中心です。

設備投資による合理化、人件費の削減、労働時間の短縮、経費の削減等です。

しかし、分母の固定費の削減は、一時的にはできても継続的に削減することは不可能です。

限界があります。

また分子である粗利益(MQ)が減ってしまえば生産性は下がってしまいます。

 

中小企業で生産性を上げるとは、固定費(F)を下げることではなく、粗利益(MQ)を上げることです。

社長は、Fを下げる対策は部下に任せ、社長のやるべき仕事はMQのアップです。

 

 

経営計画書・中期事業計画を作成する

 

一番の方法は、経営計画書を作り、中期事業計画を作成することです。

古田土会計グループの経営計画書のP40を参照して下さい。

生産性の計算は、損益分岐点比率の分母と分子を逆にしたものなので、f/m比率が80%以下なら優良企業で生産性が高く、抜群の競争力があります。

 

81%~90%なら健全企業で優秀な競争力がある。

91%~100%なら普通の競争力がある。

100%以上なら事業存続に問題がある生産性ということになります。

 

生産性を上げるとは、MQのアップ、社長がやることです。

労働分配率については先月少し書きましたが、今月も追加して書きます。

 

私はA社の社長から、労働分配率の相談を受けました。

「経営コンサルタントが『御社の労働分配率は高過ぎる』というのです。

経理に聞いてもうちの労働分配率は高いという。

 

しかし、私はそうは思いません。

うちは1人当たり300万円の経常利益があり、会社は十分にもうかっているからです。

「私は間違っていますか」というのです。

私は「社長が正しく、コンサルタントと経理が間違っています」とお答えしました。

 

労働分配率は、人件費÷粗利益(MQ)で計算されます。

会社の業態が労働集約的か否かによって、会社ごとに目標とする労働分配率は変わるものです。

 

よくコンサルタントは、労働分配率は50%が妥当だ60%になると利益はなくなる、それ以上になると倒産するなどといいますが、これは間違っています。

 

 

労働分配率の目標とする数字は一律ではない

 

古田土会計は労働分配率60%以上で8年間3億円以上の経常利益を出し続けていました。

またB社は卸売業ですが労働分配率が32%で2.5億円の経常利益です。

しかしB社は、労働分配率が40%を超えると利益はほぼなくなります。

 

このように業種によって労働分配率の目標とする数字は変わるので一律に決められるものではありません。

よく労働分配率を使って人件費の枠を決め、賞与で調整している会社がありますが、人件費を抑える目的で使われてはいけないと思っています。

 

中小企業の労働分配率は、粗利益が上がれば下がり、粗利益が下がれば上がるものです。

中小企業は人件費を固定費と捉え、世間相場や同業者以上の給与を目標とし、それをカバーする粗利益額の獲得を目指すことこそ正しい経営です。

 

中長期的には、人件費もその他の経費も増えます。

利益も少しづつでも増やさなければ、内部留保や設備投資等の源資が確保できません。

利益アップとFアップを賄うのはMQアップです。

社長は差別化された商品、サービス、営業力を開発し、高収益型事業構造を作って下さい。

 

古田圡 満