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kitanaiji 汚い字シリーズ

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無借金経営はバカな社長がすることか?(実質無借金経営は正しいのか)

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無借金と実質無借金の8段階

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「無借金経営」に対する読者の大きな誤解

 

あるマスコミのビジネス書の広告宣伝で経営コンサルタントの書いた財務の本の読者の声に「銀行からお金を借りる大切さ、無借金経営はバカな社長がすること!大変勉強になりました!」という言葉があったものですから、とんでもないことが書いてあると思い、この本を読みました。

著者は、「無借金経営を自慢する人がいるが、銀行というところは返済実績のないところには貸さない、例えば大口得意先の倒産、大震災などにより大きな損失を被った場合に無借金の会社には貸さない、無借金会社こそ倒産しやすい」と書いています。

私は開業して今年で37年目になり、3,000社以上の中小企業を見てきましたが、無借金会社で廃業した会社はありましたが、倒産した会社は1社もありません
倒産した会社は借入過多の会社と支払手形を振り出している会社です。

読者はたぶん、無借金会社を勘違いしています。
著者が例にしているのは、資金のない会社、例えば本来ならば借入金で資金調達すべきを支払手形や割引手形で資金調達している会社です。
大口取引先が倒産しても倒産防止掛金で8,000万円まで借り入れできますし、火災の場合は火災保険があります。
これに備えて、借金する必要はありません。
大災害は地域全部が被害を受けるので即資金が調達できる保証などありません。
むしろ自己資金で商品を調達したり、建物を建てられれば他社より早く営業再開ができます。

 

本当の無借金会社とは、あるべき財務体質の数値管理をし、「計画」「行動」すること

 

本当の無借金会社というのは、著者が言っているような財務を知らない無知な社長のことではありません。
また現在このような無知な社長はほとんどいません。
実績が証明しています。著者は不安を煽っているのです。
読者は実体を知らないので、このようなひどい表現をしているのではないかと思います。

そもそも、無借金経営がバカだとか実質無借金経営が正しいとか議論する意味がありません
なぜなら、バカだとか正しいと言っているが具体的なものがなく目標値がないのです

私達古田土会計では目標値を示しています
まず自己資本比率は最低限の目標として30%、総資本現金比率と総資本借入率も30%にしましょうと言っています。
借入金と預金が同額ですから、実質無借金となります。
自己資本比率がいくら高くても預金が少なかったら危ない会社です。
すなわち、自己資本と同額の預金を持ちましょうということです。

このように、あるべき財務体質の数値管理までできていれば、経営者は具体的な「計画」が立てられるし「行動」が起こせます
「実質無借金が正しい」だけでは、いくら現預金や借入金が必要なのかわからないために、「借りられるときに借りられるだけ借りる」という思考になり、会社は余分な借入金と無駄な利息を払い、社員やお客様ではなく、銀行だけを向いた経営になってしまいます。

「数値目標の設定ができているバランスのとれた実質無借金」を目標にすることが大事です。
そして、本当の無借金経営にしてよいのは自己資本比率が60%を超えてからです。
当然、総資本預金率も60%超です

全ての債務を預金で支払っても預金は残ります。
財務体質の改善とは、預金≧借入金でこの差額を毎年増やすことです。
この差額が目標とする金額に達したら、借入金を返済して無借金にするのです。

 

財務を知ることによって真意を掴むことが可能に

 

賢い社長は、財務がわかっているので、毎年コツコツと資金を増やし、自己資本比率を高めています。
20年、30年と経過すると、無借金で10億円、20億円の預金のある会社にもなれます。
このような超優良会社は少ないけどあります。

私達は、まず実質無借金を目標とします
次に少しづつ財務体質を改善していきます。
ほとんどの会社が銀行さんから借金しなければなりませんが、賢い社長はそこのところをよく知っています。
財務を知らないと、無借金経営がバカだとか実質無借金が正しいとかの言葉を信じてしまいます。気をつけて下さい

※あるチョコレート会社が無借金会社だったので、銀行から借金ができなくて倒産したと話をする人がいますが、真実はデリバティブ取引で50数億円の損失を出したのが原因、借金していてもこうなった。

 

古田圡 満

 
無借金と実質無借金の8段階

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