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kitanaiji 汚い字シリーズ

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障がい者雇用とよい社風

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障がい者雇用への取り組みが少ない士業業界

 

今年も3月16日に法政大学で第8回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞受賞式が行なわれました。

しかし、過去に1度も弁護士、会計士、税理士、司法書士、社会保険労務士等の士業が受賞したことがありません。
チャレンジしてくれたのは1社のみです。

何故士業の方々がチャレンジしないかと思うに、障がい者雇用に取り組んでいないからです。
ほとんどの士業の方々は、自分達の仕事は障がい者では無理だと思っているように思えます。

 

法律で義務づけられている障がい者雇用

 

障がい者雇用は法律で義務づけられています
社員数45.5人で2.2%です。
社員数が100人超の会社は、法律違反していると罰金が月々1人5万円課されます。

私達古田土会計は、現在総社員220名のうち、障がい者が7名働いてくれています
重度の知的障がい者1名、在宅雇用の身体障がい者1名、精神障がい者が5名です。

知的障がい者の方には、不用紙のシュレッダー、コップ洗い、コピー用紙の補充、その他繰り返しの仕事を、精神障がい者の方には、主に年末調整や算定のための給与データ入力等の業務を行ってもらっています。
全社員で実践している挨拶や掃除も一切区別することなくやってもらっています。
朝礼、会議にも参加できる人は参加してもらっています。

 

「よい社風」で誰もが働きやすい環境づくりをする

 

よく障がい者の方が入ると社員がやさしくなると言われますが、私達は、会社の社風がよくないと障がい者は働けないと思っています
特に精神障がい者の方は気をつけなければなりません。
以前ある精神障がい者のある方が入社してくれましたが、向上心もあり、仕事の覚えもよく、勉強して簿記の2級も合格したので、正社員になってもらったのですが、本人も調子がよくなったので薬を飲むのを止めたそうです。
そしたら精神状態が悪化し、入院してしまいました。
入退院を繰り返し、結局辞めることになりました。
施設の支援員に月に1度は面接とアドバイスを受けています。

私達は、経営計画書という道具を使い、「よい社風をつくる」努力を重ねてきました
経営理念に、「一生あなたと家族を守る」とあります

解説として、
「社員が65歳の定年前に病気になったり、障がい者になっても会社があなたと家族を守ります、また障がい者の子供がいれば会社が面倒をみます。そのために会社は儲けて内部留保を厚くします。そして65歳前にあなたが亡くなれば、遺族支援として毎月10万円~20万円を支給します。(この幅は子供の数)」
と書いてあります。

よい社風づくりを心がけ障がい者雇用に取り組んだ結果、平成26年には、東京都より「東京都障害者雇用優良企業」厚生労働省より「精神障害者雇用優良企業20社」に選ばれ、平成28年には、「新ダイバーシティ経営企業34社」に障がい者雇用の取り組みが評価され受賞しました。

さらに東京都より障がい者雇用のモデル企業に依頼され、毎月のように都の福祉保健局や区の障害者就労支援センターから講師の依頼や会社見学を受け入れています。
今年の1月には、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が発行した、「障害者雇用があまり進んでいない業種における雇用事例」の雑誌に弊社がモデル企業として紹介されました。
さらに11月8日には、第26回職業リハビリテーション研究・実践発表会が東京ビッグサイト国際展示場で催されますが、十河部長が実践発表する予定です。

ほとんどの講演は一泊でも講師料は1万円から2万円かタダです。
十河部長は、時間の許す限り講師を受けてくれています。

私達が障がい者雇用に取り組んでいる姿勢、やり方、考え方が世の中の役に立つなら、社会貢献できるので喜んで依頼を受けています
障がい者雇用は数も大事ですが、働いてくれる人のことを考えると質はもっと大事ではないかと思います

私は中小企業だからこそ心のこもった障がい者雇用に取り組めると思っています。
会社の業績は戦略で決まります。
社員が能率的な仕事ができるかは、業績に大きな影響はありません。

私は社員に数字の結果を求めない経営をしたいと思います。
よい社風をつくり、社員1人1人が支えあい、お客様に喜ばれ、感謝される人間になってほしいと願っています

古田圡 満