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kitanaiji 汚い字シリーズ

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「ありがとう、築地市場!」トイレ掃除に学ぶ

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(株) ホッピーさんのトイレ掃除動画に対する心無い批判

 

(株) ホッピーさんのホームページで社員が素手でトイレ掃除をしている動画を流したら、
飲食業に携わる人が素手でトイレ掃除をするなんて信じられないもうホッピーは飲まないとか、欧米では囚人の罰としてトイレ掃除をさせているそんな時間があるなら、もっと生産性の上がることに時間を使いなさいとか批判が集中し、
ホームページが炎上したとある新聞記事にありました。

しかし、社長の石渡さんは、
「社員の心を磨くには心を取り出して磨くわけにはいかないので、目の前に見えるところを磨く。
特に人のいやがるトイレをきれいにすると、心も美しくなる。
人は、いつも見ているものに心も似てくる。」
と言っています。

私は、間違いなく、石渡さんが正しくて、批判する人がおかしいと思っています
今の世の中、正しいことを言っている人やしている人が少なく、人の悪口や批判ばかりする人が多くなっているように思います。
私はホッピーの石渡社長は、すばらしい教育者だと思います

 

築地市場への感謝をこめたトイレ掃除

 

8月26日の日曜日の朝8時から、築地場内市場のトイレ掃除が行われました。
主催は「日本を美しくする会」で総数約400名の参加者でした。

築地市場は今年の10月11日に豊洲市場に移転するので、今年が最後になります。
毎年トイレ掃除をしてきましたが、私の経験では、日本で一番きたないトイレは築地市場ではないかと思っています。

私が今月のきたない字シリーズで感動して伝えたかったことは、新宿調理師専門学校の上神田校長と先生・生徒さん200人のことです。

私は生徒さんに「何故トイレ掃除に参加したのですか」と聞いたら、
「私達はいつも築地市場から料理の材料を仕入れて調理しています、感謝の気持ちでトイレ掃除に参加させてもらいました。」
と答えてくれました。

まだ20歳にも満たない若者がこのような言葉を発するのは、教育者が立派だからだと思いました。

また昼食には、生徒さんの半数の100名に舞鶴の海軍直伝レシピ「元祖海軍カレー」を全参加者400名分を調理して頂きました。
本当最高の味でした。
おかわりできなかったのが残念です。

 

中小企業だからこそ行える心の教育

 

上神田校長の話によると、最初にトイレ掃除に取り組もうとした際は、「料理を扱う学校なのに、素手でトイレ掃除をするなんて、校長は何を考えているんだ」と理事長に直訴する方がいるほど反発を受けたそうです。

それでも上神田校長は、鍵山先生の「良いことは広まりにくいが、悪いことはすぐ広まる」の言葉の通り、トイレ掃除を生徒たちに浸透させるのは大変と感じたが、逆に奮起し、不屈の精神で生徒たちに参加を呼び掛けたそうです。

そうしたら、インターンで就業中の方以外、全員が参加されたそうです。

さらに先生は、
調理師という職業柄、直接・間接的に築地市場にはお世話になっており、今回は築地市場への恩返しとして参加した。
いずれ取り壊される建物だからこそ最後にきれいにすることに意味があると思った
また調理を教える学校ですが、美味しいものが作れるからといって、「俺の技術はすごいだろう」と自慢するようなチンピラ調理師ではなく、食べる方の「心の胃袋」まで満たすような心根の温かい人間になってほしいと考え、教育しています
と言っておられました。

学校も校長の考え方、行動力で生徒の考え方、行動、人生が変わるように、私達中小企業の経営者も教育者にならなければならないと痛感しました

教育の目的が、利益を出すためのトイレ掃除や環境整備をする業績中心の経営ではなく、教育は、社員の人間性を高める心の教育でなければ社員のトイレ掃除や環境整備はいつまでも形だけで心がついていかないのではないでしょうか。

私は中小企業だからこそ、社員を幸せにする心の教育ができると信じています

古田圡 満