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kitanaiji 汚い字シリーズ

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経営にコツはないが、原理原則はある

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お客様のニーズの変化に対応しないと生き残れない

 

池井戸潤さんの小説「陸王」がテレビドラマ化されました。

物語は埼玉県行田市の足袋屋「こはぜ屋」の足袋が時代の流れによって売上が毎年減少し続け、このままでは会社は倒産すると役所広司さん演じる社長が危機感を持ち、足袋以外の商品の開発に取り組み、「陸王」というマラソンシューズを開発しようとしますが、社内や家族の反対、アトランティスという大手シューズメーカーの妨害、銀行のいじわるを乗り越えて商品を完成させ、茂木選手(竹内涼真)がマラソン大会でその靴をはいて優勝(?)し、大成功するという話です。

「こはぜ屋」は足袋屋から履物屋に変われたから生き残れました。
足袋屋のままでは倒産していたと思います。
お客様のニーズの変化に対応しないと会社は生き残れません。

歌舞伎や能、華、お茶等は何代も続いていますが、これらには型がありコツがあるから何代とか何十代とか続いています。
もし経営にコツがあれば、会社は倒産しないかもしれません。

世界で200年以上続いている会社は4,400社位です。
そのうち日本が3,146社でダントツの会社長寿国です。
企業を取りまく環境は常に変化し、一時的に儲かっても、ライバルが出現し、商品価値は徐々になくなってきます。

 

会社を永続させる経営の原理、原則とは

 

会社を100年、200年と永続する経営のコツはありませんが、会社を永続させる原理原則はあると思います。

創業が578年で1,439年続いている金剛組の理念は「正直無私
創業が718年で世界最古の旅館法師の理念は「主客一如おもてなしの修行
創業が1,575年の加賀毛針目細八郎兵衛商店の理念は「私欲にうとく義理にさとし」です。

永く続いている会社は、利益中心主義ではなく、お客様を大事にし、正直・無私・義理とか社員を大切にしています。

今の世の中はどうでしょうか。
大手は毎年仕入先、外注先に値下げを要求し、社内では「数字が人格だ」と上司が平気で言い、社員に厳しいノルマを課しています。

イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんは、経営が成功するコツは2つと言っています。

①勤勉(コツコツ)(プロ)
②正直(コツコツ)(信頼)
③倹約(コツコツ)
④堪忍(コツコツ)
⑤知(コツ)足(コツ)

コツコツやることだそうです。

法政大学の坂本光司教授によると世界が注目し、学びに日本に来ているのは、トヨタ自動車等大企業ではなく、伊奈食品工業、未来工業等の中小企業で人を大切にした経営をしている会社だそうです

また見学者が多いのは、「でんかのヤマグチ」さんで商品で差別化できなくてもサービス力で圧倒的な差別化している会社です。
「でんかのヤマグチ」さんは家電の販売店ですが1店舗のみで通常15%~18%の粗利益率の業界で39%という驚異的な粗利益率で商いをしています。

経営の原理、原則は、自己中心的な経営ではなく、お客様、社員、会社を取りまく全ての人々を幸せにすることではないでしょうか。

昔から言われている言葉があります。
「屏風と商売は広げすぎると倒れる」「中小企業とおできは大きくなると潰れる」経営は拡大より安定が大事。

 

中小企業が大切にすべき財務の原理原則

 

会社が永続するためには、儲け続けることの他にお金の使い方があります。
お金の使い方が間違っていたために倒産したり、自己資本比率が低かったり、借金過多の会社がいっぱいあります。

財務の原理原則は、「預金を増やし、借金を減らすこと」です。

できれば無借金にする。
まず「預金=借金」の実質無借金を目指す。

私共のお客様の中には、実質無借金の会社や無借金の会社はたくさんあります。
世の中には「借りた金は返すな」とか「借金はできるだけしろ」とか言う人もいますが、例外の会社を事例にあげています。

経営者は原理、原則は何か、何が正しいのか自問自答しながら経営をしないと判断を誤り世の中から必要とされない会社になります。

中小企業で大切にすべき数字は経常利益ではありません。
税引後利益です。

税金を払わないと自己資本比率は高くなりません。
税金も必要なコストです。

自己資本比率の高い会社はほとんど倒産していません、これが原理原則です。

古田圡 満