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kitanaiji 汚い字シリーズ

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社長の給与と社員の賞与の目安

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中小企業と大企業の給与の差とは

 

今年も9月に国税庁より「民間給与実態統計調査 平成28年分」が発表されました。

事業所規模別の平均給与」を見ると、社員10~29人の中小企業の平均給与(除賞与)は男女合計で3,555千円に対し、社員5,000人以上の大企業の平均給与(除賞与)は男女合計で3,979千円です。

すなわち、30人未満の中小企業と大企業の月給の差は約12%しかないということです。
ちなみに男性だけで比較すると20%の差です。

中小企業と大企業の給与の格差は賞与の差です。

賞与は、中小企業の379千円に対し、大企業は1,107千円と2.9倍です。
男性のみでは3.6倍です。

 

中小企業での賞与の目安

 

私は、中小企業と大企業では月給にそんなに差がないことに少し驚きました。
ならば中小企業でも賞与をもっと出せる儲かる会社にすれば社員は満足し、社員は誇りを持てるのではないでしょうか。

私が考える賞与の目安は、社員の月給の1ヶ月分です。

平均月給30万円とすると、1人当たり平均30万円の賞与です。
年間にすると60万円です。

国税庁の資料では、379千円ですから1回当たり、約19万円、古田土会計の賞与の実態調査では平均社員数34名で1回当たり23万~24万円です。

夏冬1回当たり30万円の賞与を出せれば、世間相場の25%アップです。
たいした会社です。

もし年間で1人当たり110万円の賞与を出している中小企業があったら、大企業並の賞与を払えているすごい会社です。
自分達の会社は小さくても立派な会社です。

 

年間賞与と社長の年収の関係

 

私達古田土会計では、2,200社以上の法人の決算書を作成し、私は必ず決算書の押印のときに社長の年収をチェックします。
年俸で1,000万円の社長はそんなに多くはありません。

中小企業の黒字企業の割合は30%強ですが、私は社員に賞与が払えない会社の社長は、1,000万円以下にすべきだと思っています。

賞与が平均24万円位払っている会社の社長は1,200万円が目安、社員の賞与が平均30万円位払っている社長は1,500万円~1,800万円。
それ以上払っている社長は、2,400万円以上頂いてもよいのではないでしょうか。

年間賞与の額で社員はどのくらいの規模の会社並の待遇を受けていると思い、社長は社員にできるだけ多くの賞与を払い、自分の給与も堂々と上げていけばよいのではないでしょうか。

しかし、年2回の賞与を上げても会社が赤字になっては意味がありません。

年間賞与を上げるコツは、決算賞与を出すことです。
年2回の賞与は今迄通りにしておき、利益が出たら、利益の配分として、決算賞与を出すのです。

社長も「事前確定届出」で損金算入できる賞与をもらえます。
この決算賞与はP/L上では、特別損失の部に計上します。
社長が期首に経営計画発表で目標の経常利益を発表しますので、この金額と実績の利益を対比して目標が達成されたことを確認するためにも決算賞与は販管費ではなく、特別損失の部に計上することをお勧めします。

 

決算賞与で社員に誇りを

 

最後に社員の佐藤弘樹さんの日報を紹介します。

佐藤さんが担当しているお客様が、決算賞与で社員一人一人に帯封付きの現金で差引支給額100万円を渡したそうです。

『社長が「(従業員が)えっこんなにいいんですか!なんてちょっと涙ぐんでさぁ…」だったり「奥さんに渡したらやったー!って言ってましたよ、だってさ!」なんて誇らしげにお話しするものだから思わず私もうるっときてしまいました。

このお客様は佐藤さんが初めて担当させて頂いたお客様で、一時は会社を畳もうか、という話も出たほど色々あった会社様です。

日報の最後に
「初めて担当させていただいた会社がこのお客様で本当に良かったです。
このお客様と出会えた幸運と古田土会計に感謝します。」
と書いてくれました。

古田圡 満