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kitanaiji 汚い字シリーズ

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古田土会計の事業承継

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とある経営者の事業承継の悩み

 

6月23日に知人の紹介である経営者が相談に来られました。

その方は社長職を弟様、息子様に引き継ぐための持株処理を考えていられて、ある事業承継コンサルタントにお世話になっているのですが、株式の移転を容易にするために株式評価を引き下げるための策は、財務内容を悪くし、日々社員に目標達成の号令をかけていることと矛盾することになるのではと悩まれていました。

その会社は超優良会社で無借金、創業者であるお父様は、顧問税理士のアドバイスで全株式の75%を従業員持株会を作って額面で売却したそうです。
ただし議決権は確保するため、社員の持株は、無議決権株にしたそうです。

お父様は常々個人ではなく会社に財産を残すように言われていたそうです。

社長が所有している持株は10%です。
事業承継コンサルタントは、会社所有の不動産を不動産管理の持株会社を作って売却する。
その資金20億円を借金する。
高額な退職金を払うために、社長の給与を倍額に引き上げる等です。

仮に会社の価値が50億であったとしても社長は10%の持株ですから5億円です。
相続資産5億円の相続税は妻と子供2人で、6,500万円位です。
2次相続を含めても1億2,000万円位です。
不動産を20億円で売却したら、不動産の登録免許税等で1億円、金利で2億円、高額な給与と退職金で多額の源泉所得税等を払うことになります。
何もしないほうが、絶対に会社に財産は残ります。
相続が発生したら、金庫株として会社に売却したら、20%の税率ですから、1億5,000万円で売却すればよいわけです。

私は
社長の考えが一番正しいです。
コンサルタントは会社のことより、社長個人の財産を作ることを勧めています。
会社と社員のためには何もしないことです。
そして社長が60歳になったら相続時精算課税制度を利用して、2,500万円までは非課税なので贈与されたらいかがでしょうか」
とアドバイスしました。

 

古田土会計の事業承継について

 

古田土会計の経営計画書に事業承継対策について株式の対策と社長交代の時期を書きました。

㈱古田土経営の株式のうち、75%は社員に額面で売却する。

現在の私の持株比率は65%なので、来年3月までにあと15%売却します。
社員の持株50%は無議決権株にしてあります。
残り50%のうち、25%は役員に額面で私が70歳になるまでに売却します。
古田土家は25%の株を保有します。

仮に2025年に総資産が24億円になったとしても、株の評価は6億円です。
妻と子供3人の相続税は7,800万円、二次相続を入れても1億5,000万円です。
仮に株式を100%持っていたら10億円以上の相続税を払うことになります。
1億5,000万円位なら退職金と保険解約により払えます。

私の考えは、一番大切なのは社員と家族です。
社員と家族を守るためには、会社に資金で留保することです。
社員に株を持ってもらうことは、この会社を絶対に売却しない、上場しない、利益を出し続け配当するという私の決意です。
社員と家族に安心と安定を約束することです。

そして社員と家族に安心してもらうために、私は古田土会計グループの代表を来年4月から現 飯島常務に託します。

私は今年の9月12日で65歳になります。
今後は税理士法人の代表社員のほうに専念し、社員教育とお客様訪問を今以上にします。

全体の経営は、飯島を中心とする2人役員と3人の執行役員がいるので今以上に成長します。
私と専務はあと5年はフォローできます。

私が飯島を後継者に指名したのは、古田土会計の使命感と経営理念を誰よりも熱意をもって受け継いでくれると信じているからです。
後継者に出会えたのも運がよかったと思っています。

古田圡 満