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kitanaiji 汚い字シリーズ

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魂は細部に宿る

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経営者の公私混同について

 

古田土会計では、パートさんを含む全社員180人に毎月10日までにグループ会社の損益計算書と貸借対照表が配布されます。
社員は経営計画書の諸表編に記入し、前年実績と当期目標、当期実績を比較検討して素早く手を打っていきます。
また総勘定元帳は社員の休憩室に置き、誰でも内容を見ることができます。
社長である私の給料もオープンにして、私自身公私混同しないようにしています。

今回は公私混同について書きます。

中小企業でも30年以上続いている会社はたくさんありますが、昔は創業者に公私混同している経営者を多くみかけました。

昔は社員も気にもしませんでした。
高度成長時代は社員の給料が毎年上がっていったからです。

社員は交際費が使え給料が上がっていれば文句は言いません。
働いていない奥さんや子供に給料を出していても大目に見てくれました。

ただし、税務署からは厳しくチェックされました。

今は、社員の給料が昔のように上がりません。
経費の使い方も厳しく言われます。

このような時代に経営者だけが多くの交際費を使い同族のみを優遇していたら、社員の心は離れていきます。
出社していない奥さんは非常勤の役員として妥当な額を払うべきです。

経営者として大事なことは、事業のためや、社員の生活を豊かにするため、働く環境をよくするためにお金を使っても、社長個人の生活のために会社のお金を使わないことです。
少なくても社員の目から見て社長だけが得をしていると思われないようにすることです。

 

日当や宿泊費でみる誤解や社長・社員の姿勢

 

よく社員から誤解を受けやすいものに出張に伴う日当と宿泊費があります。

日当は世間相場があり、高額だと税務署から否認されます。
また否認されない額でも社長と一般社員の差が大きいと社長だけが得していると思われます。

問題なのは宿泊費です。

人によって宿泊するホテルは様々ですから、実費で精算するのは問題ありません。
例えば舛添都知事みたいに一泊20万円でも大丈夫です。

実費の他に1日いくらと日当と同じように定額で支給する方法もあります。
例えば1日5万円と定め、リッツカールトンホテルの6万円の領収書が添付してあれば問題ありません。

ところが、1日5万円もらいながら1万円の宿泊代だったら、社長は4万円儲かったと思うでしょうが、社員はどう思うでしょうか。

多くの社員は自分も同じように社長の真似をします。

1万円の宿泊費をもらいながら、3000円のカプセルホテルに泊まったり、車の中で寝る社員も出てきます。

また定期代をごまかす社員も出てくるかもしれません。
定額の宿泊費でも領収書を添付させ、差額は20%以内というルールを作り厳しくチェックする体制にしないと、やがて社員は不正を起こすようになります。

 

経営者は「魂は細部に宿る」の言葉を戒めとすべき

 

経営者の行動は全社員にいつも見られています。
特にお金の使い方は厳しく見られます。

社長が社員にご馳走すると言ってお金を支払い、社員にお礼を言わせ、会社の経費にすると社員はどう思うでしょうか。

魂は細部に宿ります。
些細と思われることのお金の使い方で尊敬もされ、信用もなくします。

会社の他のことも同様です。

凡事徹底。
日常の細事を大切にすること。
挨拶は笑顔ですること。
掃除は毎日やり身の回りをきれいにすること。
ゴミが落ちていたら即拾うこと。
電車の中では年配者等に席を譲ること。
女性は電車の中で化粧をしないこと。
このような行為は恥ずかしいと思うこと。

会社では社長が細部にまで気を配り、率先して公私混同をしないように心がけ、社員の公私混同にも厳しく対処すべきです。

小事を大切にすることによって大事が成し遂げられます。
立派な会社にしようとしている社長は、「魂は細部に宿る」の言葉を戒めとすべきと思います。

古田圡 満