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kitanaiji 汚い字シリーズ

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お客様が先、利益は後

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人は食事を選ぶとき何を基準にするか

 

牛丼の吉野家は昔、「うまい」「安い」「早い」をキャッチフレーズに急成長しました。
多店舗展開できたのは、素人でも作れる料理にしたからです。
しかし、素人でも作れるということは他社でもマネすることができるということです。
すぐに強力なライバルが出現しました。
松屋、すき屋としのぎを削っています。

人は食事を選ぶとき何を基準にするか、1番が「うまい」2番が「安い」3番が「早い」だと思います。

素人でも料理できるということは本当に「うまい」とはいえないのではないでしょうか。
私は吉野家の牛丼が好きですが「うまい」と思って食べたことはありません。
安くて早いからです。

 

飲食業が繁盛し、かつ儲かる仕組みとは

 

ブックオフの創業者の坂本氏が始めた「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」という店が繁盛しています。
この店は超一流のシェフが店長で立喰いで高級フランス料理、イタリア料理が格安で食べられます。2,000円位だそうです。

一流シェフが料理しているので間違いなく、うまい。そして安い、立喰いなので早い。
3つの条件を満たしているので繁盛します。

しかし、繁盛店でも儲からないと意味がありません。
飲食業の儲かるコツは価格より材料費を引いた粗利益率を高くすることではなく、お客様にうまいものを提供するために材料比率を高くして、客数を増やし、回転を高め粗利益額を多くすることです。
そして、固定費を少なくすることです。
利益は面積です。粗利益額と固定費の差額が利益です。

坂本さんの店は、30m位の行列ができていて、立喰いなので回転率は同業者に比べ4倍~6倍はあると思います。
粗利益率(40%)の低さを回転率の高さでカバーしています。
そして利益の源は固定費の低さにあります。
高級店に比べ2分の1か3分の1だと思います。何しろ立喰いですから。
広さと調度品、内装設備、人件費が違い、設備投資額が少ないはずです。

 

商売における4つの視点

 

商売には視点があります。4つの視点です。
(1)会社の視点
(2)社員の視点
(3)お客様の視点
(4)社会の視点。

多くの企業は会社の視点のみで経営しています。
社員教育も会社の利益のためにのみ行なっているのが現実です。

ごく少数の会社では社員の人間性を高める教育も行なわれています。
「日本を美しくする会」の参加企業は社員の人間性を高める社員の視点と掃除を通して地域社会に貢献するという社会の視点のある会社です。
また積極的に地域の行事に会社として取り組んでいたり、障がい者雇用に取り組んでいる会社も社会の視点のある会社です。

あるようでないもの、言っているだけでやっていないものがお客様の視点です。
お客様第一主義と言っている会社は多いのですが、やっていることは自社の都合のみ、社員は自分の都合優先です。
本当にお客様の立場になって、お客様の視点で商品の販売とサービスをしている会社は少ないのです。

ですから、お客様にどうしたら喜んでいただけるだろう。感動してもらえるだろう。と常に考え行動したら会社は繁盛することは間違いありません。
競争相手がいないのですから。これからも多くは出てきません。
技術はすぐにマネできますが、考え方、思いは共感できても行動に移せないからです。

「損をして得をとれ」とか「サービスが先、利益は後」と昔から言われていますが、ほとんどの企業が実践していません。
同業者、ライバルを見て「お客様が先、利益は後」の精神で経営している会社はあるでしょうか。
そういう会社が真の強敵です。会社が大きい小さいは関係ありません。

4つの視点で自社をチェックしてみて、社員から、お客様から、社会から必要とされる会社・大切にされる会社になりたいものです。

古田圡 満