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kitanaiji 汚い字シリーズ

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会計事務所甲子園への道

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多くの失敗を成長の糧とした古田土会計の歴史

 

古田土会計の歴史の中で2度事業が継続できなくなるのではと思ったことがあります。

最初は開業後5年目のことです。
社員が定着しないので人材の育成に自信がなくなり、友人の会計事務所と合併することにしました。
私が営業、友人が人の管理と役割を分担することにしたのですが、合併する時にはうちの社員は現吉田専務以外は全員が社交性のある友人の会計士のほうについてしまい合併して6ヶ月後に解散しました。社員も辞めました。

2度目は7年目に起こした交通事故です。
社員が十数人の頃で、確定申告も終わり社員の慰労のために秋川渓谷に花見がてらバーベキューに行こうとして1台が事故を起こしました。
車は社員が運転していましたが乗っていた4人のうち2人は命が助かるか当日がヤマですと医者に言われました。
命は助かったものの障害は残りました。
私と専務が事故の対応におわれ、4人が入院している時に社員が辞めていきました。
見切りをつけられたのでしょう。

交通事故では会社は絶対につぶしてはいけないと心に決めました。
後に経営理念に「一生あなたと家族を守る」と書き、会社で一番大切なのは「社員とその家族」2番目は「お客様の社員とその家族」と言い続けています。

そのために急成長ではなく、安定成長。
階段を一段、一段コツコツと昇るような経営をしました。

借金をしない。資産はお金で持つ。株・不動産は持たない。本業以外やらない。
凡人なので人の数倍働く。個人でも質素な生活をする。

合併の失敗からは、私の人格では人を引張れないので、経営計画書を作成し、経営方針をトップが先頭に立って実践し、実践している「うしろ姿」をみせることによって、全社員が価値観を共有して、明るく、元気で、使命感に燃える職場にして社員が安心して働ける会社にしようと心がけています。

多くの失敗が成長の糧となりました。

 

会計事務所として果たすべき役割

 

経営者の判断ミスが会社をつぶします。
経営者は多くの失敗をしています。

社員も失敗しますが、経営者の失敗に比べたらたいしたことはありません。
社員の失敗に対して教育は必要ですが、寛大であるべきと私は思っています。

多くの人に迷惑をかけ助けられて今があるのですが、会計事務所として果たすべき役割は何かと考えたとき、それは社員の幸せとお客様の幸せを通して社会貢献することではないでしょうか。

お客様のうち一番困っている人は中小企業の社長と社員です。
一番大変な思いをしている中小企業がよくなる方法は何か、全ての中小企業がよくなる可能性のあるものは何か。

それは経営計画書をつくることではないでしょうか。
経営者が経営理念を作り、あるべき未来像をかかげ、方針を打ち出し、全社員が一丸体制となって目標に向かって努力すれば会社はよくなります。

また社員は自社で経営計画書を実践している姿をお客様にも見てもらい、お客様が実践してよくなり、お客様からほめられたり感謝の言葉をいただくことが社員の人間性を高め幸せになります。

 

試行錯誤のなかでスタートした会計事務所甲子園

 

会計事務所の先生ではなく、会計事務所で働く社員がこの仕事を通じて多くのことを気づき、人間として成長し、人様から喜ばれたり、感謝されたりした体験を発表し、多くの会計事務所がこれを共有し、自社の経営に生かし、会計事務所から日本を元気にしようと、会計事務所甲子園を十数人の先生方と立ち上げました。

具体的にどのような内容でやるか試行錯誤のなかでスタートしましたので、勉強会にも人が集まらず予約した会場はキャンセルしたこともあります。
多くの方々にいろいろ意見もいただきましたが、手づまり感がありました。

そんな時に会計事務所甲子園を他の団体のような、店の質、個人の質を競うのではなく、「会計事務所から日本を元気にする」ことが目的ですから、日本の中小業を元気にする一番の道具は経営計画書ではないかと気づきました。

多くの中小企業で経営計画書を作成しています。
会計業界でもいくつかの団体が経営計画の指導をしています。

実践している中小企業の経営者から会計事務所が学ぶ勉強会を立ち上げ、学んだことを会計事務所が実践し、お客様にも指導する。
「経営計画書を作り、実践することによって自分が変わり、会社が変わり、お客様が変わったという体験発表の場が会計事務所甲子園である」と定義するとイメージがわいてきます。

平成26年2月5日第1回会計事務所甲子園が開かれますが、そのときには、多くの会計人と企業人、学生も来てほしいと願っています。

 

動機善なりや私心なかりしか

 

「動機善なりや私心なかりしか」は稲盛和夫さんの有名な言葉ですが、
動機は居酒屋甲子園をはじめ多くの業界の方々が日本を元気にするために立ち上がっているのを見て、会計事務所も志の高い人が集まって、このような、団体の垣根なく、誰でも参加できるイベントができないかと考えたからです。

私心は、自分にできる業界への貢献、
日本中の中小企業を元気にするという経営ビジョンの実現です。

 

平成25年5月5日に私が尊敬していた経営者、愛和食品㈱の早川会長が亡くなられました。

最後の言葉が周りの人に対する「ありがとう」だったと早川社長から聞きました。

人は自分でも気づかないうちに多くの人に迷惑をかけ、数多くの失敗をしています。
人生最後の言葉として「ありがとう」が言える人間になりたいと思います、そのために社会に貢献できることはやりたい。
社員には多くの無理、難題、苦労をかけます。

しかし、「こなす仕事」のみをしていたのでは人生はつまらないでしょう。
「取り組む仕事」をしてこそ、人は夢を持ち、生き生きとした人生を送れます。

まだ60歳これからです。

古田圡 満