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kitanaiji 汚い字シリーズ

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まさかに備えて税金を払いましょう。

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「まさか」に対処するリスク管理とは

 

人生には3つの坂があります。
上り坂、下り坂、そして「まさか」です。
私は60歳になりましたので人生の下り坂ですが、事業意欲(志)と事業は開業以来30年間上り坂です。

「まさか」がこの頃増えてきました。
想定外の出来事といってもよいと思います。

まず東日本大震災による損害、原発事故による被害、AIJ投資顧問の破綻による年金基金への損失補填、デリバティブ取引による巨額の損失、これらは全てうちのお客様が「まさか」と思い、現実に損失を負担しています。
世間一般的には、倒産した会社は多数あります。

「まさか」に対処するためには備えることです。

よくリスク管理といわれます。
リスク管理とは何を準備するかではなく誰を知っているかです。

人生や企業にはさまざまなリスクがあります。全てに備えることは不可能です。
そこで知人・友人を多くして、さまざまなリスクを解決するプロと友達になることです。

昔から3人の友人を持てと言われます。
医者と弁護士と税理士です。
しかし、友人の少ない人でも方法があります。
友人の多い人と1人だけ友人になることです。その人に紹介してもらえばリスク管理はできます。

 

企業が取るべき「まさか」への備え

 

企業が「まさか」に備えるためにはお金を十分に持つことです。
お金を十分に持っていれば、あらゆる災害、損害、大不況にも耐えることができます。
会社は赤字で倒産するのではなく、お金がなくて倒産します。

お金を十分に持つには2つの方法があります。

1つは銀行より借金をして資金を持つ。
しかしこの方法では「まさか」のときに新たな借金をせずに巨額の支払いができるのですが、巨額の借入金の返済に苦しむことになります。

もう一つの方法は、王道ですが税金を払い自己資本比率を高めて預金をたくさん持つことです。
自己資本比率(純資産÷総資産)が60%を超えている企業はほぼ無借金ですが、そのような会社はほとんどありません。
もしこのような会社になれば自己資金で「まさか」の支払いができるので、倒産の心配がなく、借金の返済もないので無理をして売上の拡大と経費の削減をしなくてもよいので、社員・得意先・仕入先に不安を与えません。

せめて自己資本比率は40%はほしいものです。
借入金は総資産の30%以下、預金は総資産の30%以上の実質無借金であってほしいと思っています。

総資産10億円の会社で3億円の預金があれば1億円~2億円の損失が発生しても自己資金で対応できます。
税金が40%補填してくれるので、新たな借金をしなくても立ち直れます。

よく手持ちの資金はどのくらい必要かという目安に月商の何ヶ月という考え方をする人がいますが抽象的過ぎます。
資金は貸借対照表、月商は損益計算書なので比較できません。

会社は業種によって、粗利益率が異なるので、月商には大差が生じます。
一概に何ヶ月とは言えません。
B/Sで総資産の少ない会社は、不動産・在庫・売上債権に対するリスクが少ないので準備する資金が少なくて済むわけです。
逆に月商は少なくても、不動産・在庫・売上債権の多い会社は総資産が大きいので「まさか」が起きたときには預金が少ないと即、倒産となります。
あくまでも必要資金はB/Sと個々の企業ごとに考えるべきです。

 

会社を守るために利益を出し、税金を払う

 

財務体質をよくするための目安が自己資本比率ですが、前にも述べたように利益を出して、税金を払わなければなりません。
税金を喜んで払う心境にはなかなかなれませんが、節税の壁を乗り越えて納税しないと安心して会社を守れません。

目標は損益分岐点90%(経営安全率10%)にして粗利益額の5%(4%は税金)を内部保留に回すことです。
粗利益5億円の会社は2,500万円です。
10年たてば2.5億円の純資産が増えます。

古田圡 満