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kitanaiji 汚い字シリーズ

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頑張れ中小企業の後継社長と社員

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日本の高度成長とともに成長と豊かさを実感できた団塊世代

 

日本の歴史上で一番幸せで豊かな時代を送った人達は、団塊の世代といわれる65歳前後の人ではないでしょうか。

生まれた時は貧しくても高校は卒業でき、ほぼ100%就職できました。
大学を卒業していれば4年間働いた高卒の人より初任給は高く出世も早かったのです。

日本の高度成長の波に乗り、給料も毎年あたりまえのように上がり自分の成長と豊かさを実感できました。
結婚も男が27歳、女が24歳というのが平均でした。
子供も2人か3人位できました。

65歳になった今、子供は独立したり、結婚したりして経済的負担はなく年金もほぼ満額もらえます。
支えるのは若い世代です。

 

時代の後押しを失った2代目、3代目の経営者

 

中小企業も同様でした。
日本経済が高度成長している時は、誰が商売してもうまくいきました。
土地を持っていれば銀行は経営能力に関係なく誰にでも土地を担保にゴルフ会員権を担保にお金を貸してくれました。
土地神話というものです。

多くの中小企業家は自分に経営能力があるのだと勘違いして、事業を拡大し、多大な借金をしました。
創業者はリスクを背負い事業を起こしたのですから立派です。
でも成功したのは自分の実力もありますが、時代の後押しがあったからではないでしょうか。

社員も毎年給料が上がっていけば社長がいくら給料をとろうが、公私混同があっても文句を言いません。
時代がよかったのです。

ところが今の時代は先代が買った土地は暴落しても借金は残っています。
借金過多のために本来の事業に必要な投資資金さえ借りられません。
社員の給料、賞与も上げられません。
労働者の権利保護の法律により解雇・減給もままならない状況です。
2代目、3代目の経営者は大変苦労しながら経営しています。

 

後継者に同族の人物が適任である理由

 

会社で一番大事なのは経営者一族という考えは、世間では通用しなくなってきています。
世間では社員と家族を大切にする経営がこれからの主流になります。

会社の後継者も同族の者より、会社の社員の中より選ばれる会社が増えています。しかしまだまだ少数です。
それは担保と保証の問題があるからです。

もし同族以外の新社長候補に奥さんと子供さん同席で社長になれば自分の家を担保に入れ、個人保証もする、借金が返済できなければ自己破産しなければならないと言ったら家族は絶対賛成しません。

ですから中小企業の社員と家族を守り、会社をつぶさないようにするために私は社長個人の担保と保証はなくしてほしいと願っています。
銀行がもっとしっかり経営を分析する目を持ち、中小企業がつぶれない会社にするために、常に利益を出し続け、たとえ税金を払っても自己資本比率を50%に、最低でも30%以上にし、借入金を総資産の30%以下にすれば個人の担保・保証をなくせます。

しかし、現実はそうなっていません。
だからこそ後継者には同族の者が一番適任です。
優秀である必要はありません。普通でいい人です。社長をやっていると社長らしくなっていきます。

社長から見れば息子・娘は不安だらけでしょう。しかし経験が足りないだけです。
やがて親より厳しい経験を積むことにより一人前になります。

教えるべきは、

①自分のように公私混同しないようにすること、
②個人でぜい沢をしない、質素な生活をすること。
③分不相応な報酬を与えないこと(自分の力で業績をあげたら報酬は5千万円以上でもよい)
④社員と家族を大切にする経営を心がけること
⑤経験と実力がないから謙虚で素直になること(素直な人には周りの人が助けてくれる)
⑥社長には欠点もあるが全てを受け入れて長所を見ること、経営の苦労は社長しかわからない。否定するのではなく学ばせる、やがてわかる。
⑦社員は社長・息子・娘の全てを見ている。社員の前では社長に絶対服従せよ。将来に不安がらせるな。社員の一番の心配はこの後継者のもとで大丈夫かということ。社長と社員を安心させよ。

古田圡 満