何が異常で何が正常か
中小企業の社員に誤解を与える賞与のアンケート調査
今年も冬の賞与の時期がやってきました。
中小企業の経営者にとって、つらい時期です。
日本経済新聞では11月の中旬に賞与の予想額を大々的に公表しました。
1人当たり平均74万円です。
この金額はあたりまえの正常な額でしょうか。
私に言わせれば異常に高額です。
この額は、日本経済新聞社が上場企業と日本を代表する有力企業約4,000社にアンケートを出して有効回答数102社のアンケート調査の結果です。
2.5%の数字しか出ていないのにさも日本企業の平均のように書いています。
業績の悪く、賞与の少ない会社はアンケートに答えないのが道理です。
超優良企業の賞与の平均額を出しているのです。
勤務年数は12年~14年。年齢38歳~42歳の平均です。
自社との平均勤続年数、年齢、社員数と大きな差があります。
それを経営者は社員に異常な情報として伝えないと社員は誤解してしまいます。
古田土会計が提供する中小企業の実態に基づく賞与額
古田土会計では毎年5月と11月に賞与の実態調査の結果をお客様に報告しています。
有効会社数613社のうち賞与ゼロの会社204社(33.3%)3社に1社が賞与を払えないのが現実です。
そして支給した409社の平額は198,843円、平均社員数33人です。
詳しくは11月分を見てください。
74万円と20万円どちらが正常でどちらが異常でしょうか。
古田土会計は年末調査をしているお客様の数字を集計しているのでアンケートではありません。
だから正しい数字なのです。
古田土会計の社員は年末調整の仕事を通して世の中の賞与の実態を知っているので賞与支給日の翌日には「古田土所長のおかげでたくさんの賞与を頂けてありがとうございます。」と日報に書いてくれます。
書かない社員は書き直しさせていますが…。
見過ごされている様々な「異常」
この他に異常なことがいっぱいあります。
まず挨拶、多くの会社でろくな挨拶もしないで仕事に入ります。
お客様が来られても無視して仕事をしています。
お客様はわざわざ来てくださったのに無視するのは異常です。
親子の挨拶でも子供が親に「おはよう」です。
子供は親に「おはようございます」で親は子に「おはよう」と返せばよいのではないでようか。
学校でも生徒は先生に「おはようございます」と言うのが正常なのではないでしょうか。
古田土会計では全社員が名前を呼んで「おはようございます」で統一しています。
例外は許しません。
給与、賞与も家族に渡すときにはお母さん方に、子供の前で「お父さんが家族のために一生懸命働いてくれたから家族がくらしていけるのよ」と言って受け取ってほしいとお願いしています。
子供に親に対して感謝の気持ちを持ってほしいからです。
次に月次決算をしない会社が多いことは異常であると思っています。
全社員が一生懸命働いた結果は一日でも早く経営者が知り、社員にも知らせ、次の手を打つのが正しい経営なのに、月次決算をしないのは商売はしているが、経営をしていない異常な状態だと私は思います。
そして経営計画書を作らない会社も正しい経営をしているとは思えません。
経営は経営者が未来に対して手を打つから在続できるわけです。
自分の打った戦略、戦術が正しかったかどうかチェックできるのは利益計画をたてて計画と実積の比較することによってのみ検証できるからです。
過去の数字では検証できません。
企業の格差は経営者の格差
最後に私の尊敬する法政大学の坂本光司教授の言葉を書きます。
『人財の中で最も重要なのは経営者です。
「企業の格差は人材の格差」などといいますが、とんでもない。
私からいわせれば経営者の格差ですよ。
どんな理念を掲げ、どんな従業員を育てるのか。すべて経営者の徳です。
経営者がその使命に目覚め、すべての人を幸せにする経営を目指してこの社会を変えてほしいと願っています。』
来年もどうぞよろしくお願いします。
古田圡 満