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kitanaiji 汚い字シリーズ

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人を躾けるのではなく、企業を躾けよ

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経営理念、経営ビジョンの躾けを企業に対して行う

 

今月のタイトルは8月分で添付した柿内幸夫(著)「儲かるメーカー改善の急所101項目」にある言葉です。

引用すると
「多くの会社は、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を励行している。
もちろんこれは良いことだが、ひとつ重要なことは、会社経営における躾とは、人に対してではなく、まず企業に対して行わなければならない。
企業の理念や方針が躾けられていないと、どんなに社員が5Sを実行しても形だけとなる。

まさにその通りであります。

経営理念、経営ビジョンがなかったり、社員に浸透していなくて5Sの教育、実施をしても「何のために」が抜けていると心のこもらない5Sとなり徹底ができないので会社の社風になりません。

社員は儲けるための技術としか考えません。
全社員が経営理念・ビジョンを実現しようと一丸体制になることによって会社が躾けられているといえるわけです。
一部の社員のみでは「おたくの会社にはよい社員がいますね。」程度で会社の評価にはなりません。

 

管理職(マネージャー)の重要な役割

 

では何故社員ではなく会社を躾なくてはならないのか、それは経営理念、方針の浸透は当然のことにして、経営者の戦略、戦術を全社員が実行するためです。

戦略とは、時代の流れに我社の商品・サービスを変えていくことですが、経営者のたてた戦略、戦術を社員が実行しなかったら成果は出ません。

4月号でも書きましたが「たけしのミカタ」というコーナーでたけしさんが
「企業家は自分では規制を打ち破っていながら、社員には規則を守らせる技術が必要だ。
といっていました。

経営者は常に「今の商品・サービス・販売方法はいつかお客様にあきられるから新しい商品・サービス・販売方法に変えていかなければならない」と強い危機感を持っています。

しかし、社員は違います。
多くの社員は職人です。
職人とは自分の技術を磨くことに熱心な人。変化を好まない人と定義します。
ですから職人は社長とかお客様に指示されたり、命令されたりするのが嫌いな人達です。

こういう職人を躾けるのは、社長ではありません。社長1人では不可能です。
管理職(マネージャー)です。

管理職とは、会社の理念・ビジョンや社長の戦略、戦術を社員に浸透させ、実施させる人です。
管理職が躾けられている会社は業績がよく、躾けられていない会社は業績が悪いのはいうまでもありません

 

経営計画書で会社を躾け、文化を醸成する

 

会社を躾ける道具として、社員に規則を守らせる技術の道具として経営計画書があります。

社員は社長が何度も口をすっぱくして言って聞かせてもほとんど覚えておりません。すぐに忘れます。
社長もすぐに忘れます。
それが人間です。

言葉ではなく文章で伝えるのです。

文章ならばお互いに確認しながら、伝え、注意、指導できます。
くり返し読むことによって文章の意味を理解するようになります。

社員ではなく、会社を躾けることとは、経営計画書に経営理念・経営ビジョン。基本方針・環境整備等の個別方針を書き、経営者、管理職が繰り返し、繰り返し解説し、読み合わせをして全社員が同じ価値観で同じように行動することによって、お客様に信頼してもらうことではないでしょうか。

そのためには全社員が同じように行動できるように、方針書は具体的にチェックできるように書くことがコツです。
例えば
「雨の日のお客様の傘はタオルできれいにふいて、折りたたんでお返しする。(受付)」
「ドアは走っていって手動で開けてさしあげる。小走りドアー。」
等です。
挨拶も定義してあり、そのとおりやっているか毎日チェックしております。

会社を躾けることにより文化となります。
古田土会計は挨拶、掃除、朝礼を3つの文化として大事にしています。

古田圡 満