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kitanaiji 汚い字シリーズ

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古田土さん「せい病」にかかっていませんか

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自分以外の他人のせいにする「せい病」

 

去年のお客様のと決算前検討会のとき、(株)ヤスカワの安川社長から「古田土さんせい病にかかっていませんか?」と言われてドキッとしました。
一瞬頭の中に浮かんだのは学生時代に級友が病気(性病)になって1,000円カンパしたことです。

しかしすぐ安川社長はせい病の意味を説明してくれました。
世の中に起こったこと、会社で起きていること等を自分以外の他人のせいにする「せい病」にかかっていませんかということです。

確かにそう言われれば「せい病」にかかっています。

家庭では妻や子供のせいにして何もしていない自分がいます。
会社では業績が悪いのは景気のせい、社員のせい、得意先、仕入先のせい、震災のせいと数えればきりがありません。

社員は赤字で給与、賞与の少ないのは社長のせい、自分の成果が上がらないのは上司のせいとせい病が蔓延しています。
インフルエンザ以上に流行っています。

 

経営者は、全てを自分のせいにする「せい病」にかかるべき

 

阪神の元プロ野球選手に「監督がアホやから野球がでけへん」と言って引退した江本という投手がいました。
また「社員に責任はありません。全部私ら役員が悪いんです。」と言って涙を流した大会社の社長もいました。

大会社の社長は責任をとって自分が辞めれば、責任をとったことになります。
政治家も同じです。
どんな失政をして国民を不幸にしても辞めれば責任は追求されません。

社員も大きな失敗(ミス)をしても辞表を出して会社を辞めればめったに責任は追求されません。
他人のせいにすることもできます。言い訳もできます。

しかし中小企業の経営者は業績が悪いからといって、社長を辞められません。

辞めますから借入金の個人保証を抜いて下さい。
個人の財産の担保をはずして下さいと銀行にお願いしても絶対に承知してくれません。
会社が倒産すれば個人財産を全て失うばかりか、自己破産もしなければならなくなります。
他人のせいにするせい病にかかれません。

しかし、全てを自分のせいにするせい病にかかればよいのではないでしょうか。

社長は、世の中の景気の悪いのも社員の態度の悪いのも、社員が社長の悪口を言うのも、奥さんが美人でやさしくないのも、子供のできが悪いのも、全て自分のせいだと考える、せい病にかかっていればよいのです。

この病気にはかかりたくてもなかなかかかれません。
すぐ完治して、悪い方のせい病にすぐかかります。
この病気は長く、ほとんど治ることがない病気です。

 

会社をつぶさないための「3つの蓄積」

 

中小企業の経営者は絶対に会社をつぶさないような経営をしなければなりません。
大企業は何年か赤字が続いたり、何千億円という赤字を出しても社員も世間もつぶれるとは思っていません。
蓄積があるからです。
人材・資本・のれんという3つの蓄積があります。
中小企業はこの3つの蓄積がないか、あっても少ないのが実状ではないでしょうか。

この3つの蓄積をこれからつくる。

優先順位は
1.資本、2.人材、3.のれんです。

つぶれないことが大事ですから、資本の蓄積が1番です。
売上でもなく、利益より財務体質です。P/LよりB/Sです。

自己資本比率が高く、預金をたくさんもっていれば、大不況がこようが、大震災があっても他の会社より生き残れる確率は高くなります。
現在いくら利益を出していても資本の蓄積がないと環境の変化によりつぶれる確率は高くなります。

2番は人材の蓄積ですが、採用、教育と時間がかかります。
10年位かかるのではないでしょうか。

3番ののれんの蓄積は10年以上は間違いなくかかります。
100年、200年と続いている会社はのれんの蓄積があります。

古田圡 満