あなたの会社に元気と未来を届けます!

CLOSE

kitanaiji 汚い字シリーズ

アーカイブを選択してください

元気出そうよ 中小企業経営者

PDF版はこちら

 

マスコミ報道の賞与金額と、中小企業の実態との大きな隔たり

 

毎年12月になると中小企業経営者は憂うつになります。
テレビ、新聞等で今年の冬の賞与が報道されるからです。

日本の有力企業150社とか上場企業とか中堅企業です。
またアンケート3,000社のうち500~600社の回答を得た結果といっても業績が悪く、賞与のない会社や少ない会社は回答しません。
所詮業績のよい会社の平均となります。

2009年厚生労働省の調査など社員数10~99人の会社の平均年俸は381万円、このうち賞与は50万円 賞与以外が330万円となっています。

古田土会計の賞与実態調査(22年夏)518社のうち賞与なしが26%の135社。
支払った383社(平均社員数約32人)の平均が¥224,898です。
マスコミで報道されている金額と大きな隔たりがあります。

約270万社といわれる企業のうち、99%は中小企業で社員数は80%位は中小企業に勤めています。
すなわち国民の大多数が勤めている中小企業の実態が公表されないで一部の大企業と公務員のみの実態しか公表されないのがマスコミからのニュースです。

中小企業の社員が誤解しないように社長は社員に説明してほしいのです。
賞与のない会社が26%もあるのですから、賞与を払っているだけでも立派です。
まして、平均25万円以上出ていれば世間相場を上回っています。自信を持って下さい。

 

責任の重さが大きく異る大企業と中小企業の社長

 

次に、大企業も中小企業も倒産します。
大企業、上場企業が倒産するとき、「私が悪かった、社員は悪くない」と涙を流した社長はいましたが、個人財産を会社に提供したり、ましてや自殺して保険金で借金を返済した話は聞いたことがありません。

我々中小企業経営者は、個人財産を担保に入れたり、個人保証して借金します。
賞与の資金は個人の担保、保証のもとに借金しています。

大企業の社長は個人保証しませんから責任の取り方が中小企業の経営者と全然違います。
借入金の保証を大企業の社長もするとしたら、はたしてどれだけの人がなるでしょう。

当然ですが、私は大企業であれ、中小企業であれ、個人担保、保証はなくすべきであると思っています。
一度失敗するとなかなか再起できないのが現実ですから、挑戦意欲のある人がチャレンジできない社会は日本経済の損失です。

 

日本経済は中小企業で持っている

 

来春卒業予定の57.6%しか就職が内定していないそうです。

私は企業の社会的使命は雇用の創出であると思っています。
うちの経営計画書には、
「人件費とは幸せを求めて働く社員たちの労働の対価です。この支払は当社の経営理念であり、目的です」
「私達は、社会に貢献するためにも雇用を創出することに誇りを感じます。」
と書きました。

社員と家族を含めると中小企業で生活している人がどれだけ日本経済を支えているか、日本経済は中小企業で持っていると言っても過言ではありません。
利益が出なくて、税金を払えなくても会社を存続させ、雇用を維持しているだけでも多くの人々の生活を支えていることに中小企業経営者は誇りを持って頂きたいと思います。

多くの人は責任を負いたくないから自分個人のほうが大事だから社長になりたくないのではないでしょうか。
自分を安全な場所に置かないで常にリスクを負い、チャレンジしている経営者は立派です。
それだけで尊敬されてよいと私は思っています。

二代目経営者は大変ですが、頑張っていられます。
私は初代ですが、時代がよかったからバブルもあり運よく成長できました。
二代目さんは、社歴が長いぶん社員の平均年齢、平均給与が高く、コストが高い会社になっています。退職金もあります。
経営環境も厳しく、時代が変わるスピードも速くなっています。
ライバルが多く、価格競争が激しく生き残るのが大変な情況で会社、社員を守るために頑張っています。

中小企業の経営者は立派です。
もっともっとみんなからほめられたり、尊敬されてよいと思います。

元気を出して来年もよい一年にしましょう。

 

古田圡 満