片手にソロバン片手にロマン 背中にガマン
会社には夢やロマンが必要
会社経営においては儲けることと、お金を残すことが大事であり、儲けるための目安は、損益計算書で損益分岐点比率を80%以下にすることです。
お金を残す目安は、自己資本比率を50%以上にして、支払手形をなくすことです。
B/SとP/Lをつなぐのは、総資本経常利益率であり、10%以上を目標にしたいものです。
会社のソロバンは数字で表現されます。
しかし、社長がソロバン計算ばかりしていては社員はついていきません。
会社には夢やロマンが必要です。
会社は何のために存在し、何を目指しているのか、社員達に未来を、この会社にいて将来への希望が持てるということを経営者が示してあげなければならないと思います。
ガマンこそリーダーに求められる資質
ではどうしたら夢やロマンのある会社創りができるのか。
方法はいくつかあると思いますが、絶対に必要なものは、経営者やリーダーのガマンではないでしょうか。
我々中小企業は最初から優秀な社員が入ってくることはありません。
挨拶もできなければ言葉遣いも悪く、態度もよくありません。
このような人達を一人前のしかも大企業にも負けない人財に育てあげるにはリーダーのガマンしかありません。
例えば挨拶の徹底で私達が行なっているのはリーダーが一番最初に出社する。
丁寧に挨拶するために、相手の名前を呼び、お互いの手を握り、相手の目を見て、笑顔をつくってするようにしています。
全社員とです。毎日です。
清掃も毎日、朝礼も毎日です。
挨拶、清掃、朝礼は毎日やるから、笑顔、5S、理念が浸透するわけです。
毎日やり続け社風になることによって文化になります。
毎日やらないと文化ではなく、単なる挨拶、掃除、朝礼となって、社員は意味もなくやらされているだけだからマンネリになるわけです。
何のための挨拶、掃除、朝礼かを繰り返し、繰り返し説明し先頭に立って実践し、やっていない社員には本気になって叱り、やらせる忍耐強さ、ガマンこそリーダーに求められる資質ではないでしょうか。
社員はいつも社長、リーダーの背中を見ている
大企業の社員は技術的に優秀な方が多いのですが、自分のために働いている人が多いようです。
自分のために働いている人に魅力はあまり感じられません。
その人のために何かしてあげたいとは思いません。
私達中小企業が育成すべき人間は「利」を追う人間ではなく、「信」を大事にする人間です。「徳」のある人間です。
その育成は、経営者やリーダーがうしろ姿を見せることではないでしょうか。
頭は急によくなりません。あきらめて下さい。
しかし人柄は変えられます。
最初はどうしようもない連中だと思うかもしれません。
教育しても無駄だと思うかもしれません。
しかし誰でも親があり子があります。
自分もたいした人間ではないことはわかっているはずです。ガマンできないはずはありません。
挨拶しない人には、自分のほうから頭を下げて挨拶します。
仕事も一人前になったら辞めていく人もいます。
面倒見たと思っても、自分を働かせるために親切にしたのだと言って辞めていく社員もいます。
恩を仇で返す人もいます。
それもガマンです。
まともな社員はいつも社長、リーダーの背中を見ています。
ガマンして誠実に正直な仕事をしているうしろ姿はお天道様が見ています。
経営者、リーダーは、片手にソロバン片手にロマン、背中にガマンの生き方をしたいものです。
古田圡 満