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【お客様インタビュー】習慣の継続と社員を守る体制が社員と会社の成長につながる(スズキ機工株式会社 6/10)

【お客様インタビュー】習慣の継続と社員を守る体制が社員と会社の成長につながる(スズキ機工株式会社 6/10)

本連載は、社員数わずか17名ながらも年商5億円の成長企業へと転じた、スズキ機工株式会社の成功の秘訣をうかがうべく、同社代表取締役社長でいらっしゃいます鈴木 豊 社長へのインタビューを書き起こしたものです。

全10回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

◇前回までの記事はこちら
【お客様インタビュー】売上ゼロから年商5億円に成長した社員17名の会社の転機とは(スズキ機工株式会社 1/10)

【お客様インタビュー】『ランチェスターの法則』を取り入れた戦略で新事業を展開(スズキ機工株式会社 2/10)

【お客様インタビュー】事業転換、社長就任、しかし会社は赤字続きの自転車操業だった…(スズキ機工株式会社 3/10)

【お客様インタビュー】明文化した戦略と労働環境改善により会社が大きく前進(スズキ機工株式会社 4/10)

【お客様インタビュー】社員全員でつくる環境や経営計画が会社の当たり前を変える(スズキ機工株式会社 5/10)

【出演者】
インタビュイー:
スズキ機工株式会社
代表取締役社長
鈴木 豊 氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

10年継続している朝礼と環境整備が技術を吸収する心を磨く訓練に

鈴木 毎朝おこなっている朝礼と環境整備は、当社における一番の教育訓練でもあるので、特に力を入れています。技術面は日々のOJTで実践を積んだり、外部の研修に参加したりすることで身につくものです。しかし、まずは学ぶ心を整える訓練をして吸収しなければ、効率よい成長も望めないと考えています。

飯島 なるほど。

鈴木 逆さまになったコップに水をいくら注いでも、水は溜まっていきませんよね。社員たちにも「毎日の朝礼と環境整備は、コップを水が吸収できる向きにするための習慣だ」ということをよく伝えています。毎朝感謝の言葉を述べたり口角体操をしたりするのも、自分たちが組織として成長するための取り組みなのだと。

当社の経営計画書には、環境整備に関する「ものを縦横頭揃えにする」といったことから書いてあるんです。整理整頓の整理とは、不要なものを捨てること。事業に使っていないものは、たとえ新品であっても捨てるようにと書いています。まずは要らない物がない環境をつくり、その次に整頓です。整頓は「探す」を排除すること。仕事をするうえで、何かを探すことに時間を費やさずに済む状態をつくりましょうということです。これらをすべて社員全員がふまえたうえで、日々の環境整備を含む5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に臨みます。そのためにもやはり、明文化された経営計画書がないとだめなんですよね。

飯島 経営計画書が朝礼や環境整備を遂行するうえでの、大きな要素になっているんですね。では、たとえばある会社が「スズキ機工はそうやって改善したんだ。じゃあうちでも…」と同じようにしたとして、1か月で変わるかというと…難しいですよね?

鈴木 1か月では変わらないでしょうね。当社はこれを10年続けていますから。いかに習慣化するかということが重要だと思います。

飯島 少し試みたくらいで「全然変化がないな」「社員たちもやる気がないから無理だな」などと、なし崩し的に止めてしまうようでは、結局何も改善されないですよね。

鈴木 「どうやって習慣化までもっていけるんですか?」という質問もよく受けるのですが、やはり「何があっても続けるぞ」という、社長のブレない意志は必要です。

飯島 社長の決めたことが、会社の取り組みとして反映されるわけですからね。

人材採用の際にも活きる経営計画書

鈴木 また経営計画書は、人材採用面でも活かされます。世の中にはいろいろな人がいて、当社との相性もあるわけですが、それはつまり経営計画書との相性を意味するんですよね。当社では入社志願者への面接・会社説明時に、まず経営計画書のことを話し、私たちの考えや事業戦略・戦術、事業運営について説明します。朝礼での取り組みなどもすべて話しており、もしこの時点で「何か違うな」「自分にはちょっと…」などと違和感を感じるのであれば、どうぞほかの会社へ行ってくださいと言います。

合わないのは仕方がないことで、否定はしません。会社の考え方や方向性に共感できる人材でなければ、こちらとしても育てようがありませんから。

飯島 まさにおっしゃる通りで、我々も同様の考え方です。経営計画書は社風や展望などを含めた社長の想いが盛り込まれているもので、それを提示して違うなと感じる人は、根本的に価値観が合わない人だということですもんね。

鈴木 会社と相性のよい人材を見極める、フィルターの役割をしてくれるという意味でも、経営計画書は絶対に必要なものです。採用に関する方針としても「スズキ機工と価値観を共有できる人材を定期採用する」と明文化しています。

飯島 求めているのは「何をしているのか」よりも「なぜするのか、どこを目指しているのか」に共感できる人で、人材採用や社員教育には、まずこの価値観のすり合わせが大切だということですね。

会社は社員を第一に大切にし社員はお客様や地域社会を大切にする

飯島 そもそも「この指とまれ」のこの指は、社長の価値観なわけじゃないですか。しかし世の中にはその価値観が明確でないのに「会社のために頑張って売り上げを上げてこい」といったことを言う会社も少なからずあります。これでは社員たちも「会社のためというより社長のためだよね…」と思うでしょうし、モチベーションも上げようがありません。その点、スズキ機工の経営理念に書かれている事柄は、非常に魅力的なものであると思います。

鈴木 当社の経営理念には「循環する3つの誓い・会社の存在目的」として、
一、スズキ機工は社員とその家族の安定した幸せな生活を実現し物心共に活力に満ちあふれた皆が集う大切な場所になることを目指します
二、そのために運命共同体の同志である社員一丸となり努力精進し成長いたします
三、そしてお客様が感動する商品・サービスの提供を通じて社会の発展・繁栄に貢献します
ということを掲げています。

飯島 一に社員、二に社員で、三番目で初めてお客様が出てくるんですよね。いかに社員のことを大切にされているかが感じられます。

鈴木 これには古田土先生の教えの影響をかなり受けていますね。私が経営計画書をつくるときに読んだ古田土先生の本には、「経営計画書には、まず理念として社長の想いを伝える」といったことが書かれていたのを憶えています。当時のスズキ機工には経営理念がなかったので、そこで当社の経営理念はどうしようかと考えたんですよね。

またそこには「よい商品・サービスをつくってマーケットに投入し、収益を上げることは企業にとって不可欠。しかしその商品・サービスをつくるのは、会社の社員であり組織だ」といったことも書かれていました。「彼らとの関係を考えるとまずは社員第一主義であるべきで、会社は社員を守りますとうたうべきだ」と。その内容を読んで、なるほど…と思ったんです。

飯島 その言葉が腑に落ちましたか?

鈴木 そうなんですよ。また「会社が社員第一主義で、社員自身も社員第一主義だと、自分たちだけを大事にするベクトルでループしてしまい、お客様がいつまでも登場しない」という見方も非常に腑に落ちましたね。そこで、経営計画書に書いたのが「会社は社員第一主義、社員はお客様第一主義」ということです。会社は社員を一番大切にして、最前線にいる社員はお客様や仕入れ先、地域社会を大切にする。そのふたつのベクトルが重なり合って、進んでいくような事業のかたちを目指しました。当社の経営計画書や経営理念には、古田土先生の教えから得たことがたくさん入っています。この「会社は社員第一主義、社員はお客様第一主義」というのも、古田土先生の言葉からいただいたものです。

飯島 そうでしたよね。

第7回に続く]

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