税務調査
約1,000社のお客様とのお付き合いを経て
私共、古田土会計には、約1,000社のお客様がいらっしゃいます。
6月、7月を除くと、毎月、毎週、どこかの会社で調査を受けていると言っても過言ではないと思います。
開業して23年になりますが、お客様で1億円以上の利益を出した会社はけっこうありますが、国税庁の査察というものを経験したことはありません。
お客様に恵まれていると思っております。
国税庁の査察を受けたかつてのお客様の事例
9月のある日、お客様にお祝い事があったときに、4年前まで私共で税務顧問をさせて頂いていた会社の社長と同席しました。
A社とします。
A社は今国税庁の調査を受けている最中とのことでした。
A社と顧問契約がなくなったのは、A社が将来上場するために、監査法人が入ったこと。
経理に決算書まで作れる社員がいること。
監査役にも人材を得ていること。
が理由でした。
今調査でもめているのは、役員退職金でした。
退職金の額が多すぎると、国税は主張しているそうです。
監査法人に相談したら、税務調査には関与しないと、智恵を貸してくれなかったそうです。
役員退職金が否認されたら大変なことになります。
数千万円という額が、退職金ではなく、賞与となると、まず個人に膨大な所得税、住民税等がかかってきます。
会社は損金になるものが、役員賞与になるものですから、損金にならないので、退職金支払額の50%以上が法人税等の支払いとなります。
退職金は絶対に否認されてはならないのです。
そのために、株主総会の議事録、取締役会の議事録で計算根拠を明示し、税務調査では強く正当性を主張します。
私共では、今迄、役員退職金で否認されたことはありません。
お客様としっかりと打ち合わせを行う大切さ
アドバイスさせて頂いたのは国税庁は明確な妥当額を明示できないこと、公務員は退職金の額が民間人より高額であること、例えば、数年前に長野県知事の田中さんが辞職したときに、2年間位しか在職していないのに2千万円以上の退職金が支払われたこと、これは通常民間では勤続年数で1年を1と計算するのに、社団法人等の理事の計算では、1月を1と計算するために高額な退職金が支払われていること。
ましてや、経営者を支えて20数年間責任を背負って苦労してきた役員の退職金の額がこの位で否認されていいはずがありません。
「社長とにかく強気で堂々と正当性を主張して下さい。もし過大というなら、その根拠と額を明示するように主張して下さい」と話し別れました。
それから1週間位たった頃A社の社長から電話がかかって来ました。
「先生、先生の言うとおり言ったら、国税庁はあっさり、わかりましたと引き下がりました。上場会社出身の監査役にもこの話をしたら、本当ですかとびっくりしていました。ありがとうございます」と言われました。
税務調査では駆け引きがあり、答え方、書類の作り方で是認されたり、否認されたりします。
私達はお客様と事前によく打ち合わせをしたいと思います。
協力お願いします。
古田圡 満