ランチェスター戦略
販売なくして事業なし
会社は、経営理念を明確にして、何のために働くのかという、社員の価値観の共有化をはからなければなりません。
経営理念は、自社と社員の利益ではなく、経営の志を高くして、国家、社会の利益になり、貢献するものでなければならないと考えております。
そして経営理念を実現するためには、会社は成長、拡大、そして安定しなければなりません。
会社が成長するため、又、会社を再生するためには、粗利益額を増やさなければなりません。
経費削減ばかりでは限界があります。
粗利益額を増やすためには、売上すなわち販売が必要なわけです。
一倉先生は、「販売なくして事業なし」と言っておられます。
販売戦略を学ぶには、まずランチェスター戦略を学ぶべきだと思っています。
ランチェスター法則から販売戦略を学ぶ
ランチェスター法則とは、戦いの勝ち方に関する最も明快な基本的な法則です。
① 強者の戦略と弱者の戦略は違う。
② 戦いは、局地戦と確率戦を区別する。
③ 攻撃とは、一騎討ちの中の一点集中の中で最も効果を発揮する。
④ 敵とどのように差別化するか、ということが活路を開く条件である。
⑤ 勝ち負けは、力関係によって決まるというルール。
ランチェスター法則の生みの親は、イギリス生まれの技術者、F・W・ランチェスター」です。
ランチェスター法則は、飛行機が何機と何機で戦ったら、どちらが何機、撃墜されるかという数字に法則性があるのではないかという研究から生まれました。
ランチェスター法則における弱者の戦略とは
〇 第一法則 = 一騎討ちの法則・・・初期兵力数の差がそのまま生き残りの兵力=残存兵力数。
つまり、一兵でも多いほうが、その分だけ勝ちということになる。
一騎討ち型の局地戦や接近戦を前提とする。
(A)3人 - (B)2人 = (A)1人生き残る。
〇 第2法則 = 集中効果の法則・・・二乗の差の平方根で残存兵力数が規定される。
兵力を集中した場合の効果を計量する。
(A)3人、(B)2人なら兵器の性能を同一として、兵力数の二乗数の戦闘力の差となり、兵力数3対2なら、9対4の力関係で戦う同じことになる。
第2法則は、広域戦的な総合戦、あるいは近代兵器を使う場合(機関銃)の確率戦に適用される。
〇弱者の戦略(第一法則)と強者の戦略(第2法則)
弱者の戦略・・・必ず第一法則型の思考を持つべきであり、そういう場面、状況で戦う。
① 局地戦で戦う。
②接近戦を展開すること。
③一騎討ち型を選ぶこと。
④兵力の分散を避け、一点集中主義をとること。
⑤敵に分散とみせかけるための陽動作戦をとること。
その他。
(1) 三一の理論 = 弱者逆転不可能の数値 → 力関係が3対1になると均衡が保てない。
(2)ナンバーワン主義 = 弱者は ①地域NO.1 → ②NO.1得意先 → ③NO.1商品 の順序
(3)弱い者いじめの法則 = ㋑競争目標と ㋺攻撃目標 の分離をはかる。自社より高いシェアが㋑、自社よりも低いシェアが㋺
(4)一点集中主義・・・もてる販売力を当面この一点に集中して、短期的に実績をあげる。
【(2)~(4) 勝ち方の3つのノウハウ】
「田岡信夫著、図解、ランチェスター法則入門より」
古田圡 満