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kitanaiji 汚い字シリーズ

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会社は支払手形で潰れる。

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ほとんどの会社の倒産が、手形がらみで起こっている

 

私は多くの会社の倒産を見てきましたが、ほとんど手形がらみです。

お客様から受取った手形が不渡りになって連鎖倒産することもあれば、自ら振り出した手形が落とせなくて倒産します。
会社の将来性がないために廃業できるケースは大変幸運です。
大部分の経営者はぎりぎりまでひっぱり多くの方々に迷惑をおかけして倒産します。

倒産しない一番の方法は手形を発行しない、受け取らないことです。

例えば受け取る手形で考えると、もし3ヶ月の手形を受け取っていたなら、現金商売をしていれば月商の1ヶ月で被害が済んでいたものが、4ヶ月の被害になります。4倍です。
本来潰れなくてもよい会社まで潰れてしまいます。

 

キャッシュフロー経営の時代

 

今はキャッシュフロー経営の時代です。
銀行が以前のようにお金を貸せなくなりました。むしろ貸しはがしをしています。
自分の会社は自分で守るしかありません。

支払手形があると銀行に首根っ子を押さえられているのと同じです。
手形を落とすためのお金が銀行の都合で借入金の返済に充当されてしまいます。

支払手形がなければお金の入金は借入金のない銀行に移し、借入金の多い銀行は返済額を少なくする交渉をすることができます。
いわゆるリスケです。

商売で一番ものをいうのは、現金という時代がもうすぐやってきます。
海外では手形がありません。
日本だけです。

したがって、できるだけ早いうちに手形を無くし、キャッシュフロー経営に慣れておく必要があります。
手形を出さない、受け取らないことです。

 

支払手形ゼロにする方法

 

ではどうしたら支払手形を退治できるのでしょうか。

私共のお客様でT社さんがあります。

この会社では、一年前で4億以上あった支払手形が3月末決算で1億円以下になりました。
1年間で約3億2千万円の支払手形が減ったのです。

T社さんは、仕入先が外資になったためにいやがおうでも現金払いを一年前に約束させられました。

どうやって資金を調達したかと言いますと、まず仕入先への保証金の返還で52M¥、買掛金の支払条件の変更で10M¥、受取手形の期日短縮で30M¥、長期借入金の増加で130M¥、在庫で40M¥、定期預金の解約で30M¥、そして、税引後利益の蓄積で30M¥です。

会社は支払手形をゼロにすることや借入金をゼロにすることはそんなに大変なことではないと思います。
支払手形ゼロの会社は多くありますし、実質有利子負債ゼロの会社も数多くあります。

まずは経営者が手形発行はやめることを決意し、宣言することです。

打つ手は無限ですから、バランスシートの資産科目と負債科目の残高を変えることが資産運用ですから、改善、棚卸資産の圧縮、計画的な損益資金の確保により、大幅な財務体質の改善が可能です。

最後にもう一度、会社が倒産するのは、手形が落ちないからです。

 

古田圡 満