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kitanaiji 汚い字シリーズ

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経営者は数字に強くなれ

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「儲けること」と「つぶれない」ということは別物

 

私共の経営理念の中に「数字に強い経営者を育てること」というのがあります。
儲かっていて、財務体質がよく、成長している会社の社長さんは数字に強いほうです。
しかし、会社は経営者が数字に強いからといって、儲かるものではありません。

会社が儲かっているのは、経営戦略の中でも商品戦略や市場戦略がうまく行っているからです。
昔からある市場、商品でも新しい切り口で新たな成長曲線をつくっています。
建築業、不動産業等の古い業界でも新しい成長企業がどんどん出てきています。
飲食業界でも和民等が急成長しています。
回転寿司も同様です。回転寿司は30年以上前からあります。

会社が成長したり、生き残って行くためには、上記の経営戦略は必要ですが、実は儲けることとつぶれないということは全く別のことです。
会社は黒字で倒産するものなのです。

 

会社が黒字で倒産してしまう理由

 

私は、上場企業のほとんどが倒産直前には黒字決算であることを確認しました。
では何故か。
それは、お金が不足するからです。

具体的に言うと、倒産する一番の理由は不渡手形です。

支払手形がなければ会社はそう簡単にはつぶれません。
会社は長期的には、支払手形をなくすように努力すべきです。

次に過大な投資です。
過大という意味をお話しします。

よく急成長している会社が突然黒字倒産するケースがあります。

原因は、設備と在庫ですが、例えば内部蓄積がないのに急に多店舗展開したとします。(このケースは、飲食業、スーパー、デパートに多い。)
資金はほとんどが長期の借入金です。
銀行は損益計算書ばかり見ているので、財務体質が悪いのに気づかない。
実際銀行の格付けで一番重視されているのが返済能力で、その中心は、営業利益や経常利益と支払利息、借入金のバランスです。

しかし、よく考えてみると、銀行は、早く返してもらいたいから長くは貸しません。せいぜい、5年~10年です。
借入金の返済原資は、税引後利益です。
儲かっていなくて、蓄積がないから、借り入れするのに、利益から返済できるわけがないのです。

経営者は売上と利益ばかりを追いかけているので細かく資金のことを計算していません。
経営者は、儲かっているのに何故お金が足りなくなっているのかわからないまま、売上さえ上昇すると、どうにかなるだろうと、出店したり、新規事業に手を出したりして失敗し、倒産します。

 

賢い経営者はキャッシュフローを考える

 

正しい経営判断は、資金が不足したら、収入の範囲内に支出を少なくすることです。
リストラ、リスケジュール、売掛金の早期回収、支払条件の変更等です。

賢い経営者は、キャッシュフローを考えて、設備投資をします。
この儲けと資金の関係は、資金別貸借対照表と資金運用表でわかりやすく説明が出来ます。
当事務所の社員の説明をよく聞いて下さい。

今月も倫理法人会の記事です。
この中にキャノン販売㈱の元代表取締役・瀧川精一氏の言葉に「経営者は数字に強くなれ」とあります。

 

古田圡 満