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PDCAとは?目標達成を加速させるPDCAサイクルの回し方

PDCAとは?目標達成を加速させるPDCAサイクルの回し方

タイムマネジメントPDCA日報

PDCAは目標達成や業務改善のための有名なフレームワークですが、PDCAという言葉は聞いたことあるけど、よく理解していない、理解していてもうまく落とし込めていないという方は多いのではないでしょうか。
スピード感が重視される昨今において、PDCAは古いという意見もありますが、正しい活用ができれば、間違いなく効果があります。

我々、古田土会計は3700社の顧問先に対して、40年に渡って「経営計画書」と「月次決算書」を通じて、PDCAを回すお手伝いをしてきましたが、業績の良い会社は間違いなくPDCAが機能しています。

また、指導するだけではなく、自社で実践することで、40年間、増収増益を実現することができましたが、これは短期・中期・長期の時間軸で、PDCAを回し続けてきたことが大きく影響しています。

私自身は、
・毎週、土曜日に週次ミーティングで1週間の振り返りと計画を立てる週次PDCA
・部署において、毎週ミーティングを実施して、週次PDCAを回す
・社内の教育責任者として、社員がPDCAを回せるような教育、仕組み作り
といったことに取り組んでいます。

こういった経験を通じて、PDCAが失敗するパターン、うまく導入できるパターンを見てきました。
その経験を踏まえて、PDCAを回すためのコツや事例を伝授して、すぐに取り入れていただける内容をお伝えします。

1 PDCAとは?

1.1 PDCAとは

Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)の4つのプロセスで構成されています。品質改善に取り組んでいた米国のウォルター・シューハート博士が提唱した考え方を、統計的品質管理の研究者であるエドワーズ・デミングが日本に持ち込んだ、マネジメント品質を改善するためのフレームワークです。今や、ビジネスのあらゆるシーンで一般的に活用されています。

PlanからはじまりActionまで終了したら、再度、計画に戻りこの4つのプロセス循環させていくことから「PDCAサイクル」と呼ばれています。
螺旋階段のようにサイクルを回していくことで、課題解決や達成したいゴールへ近づいていくことができます。

1.2 PDCAがビジネスに必要な理由

ビジネスの環境は変化が常であり、これまで正解とされていたものが、陳腐化していきます。経営は「変化対応業」と言われるように、今の時代に大事なのは、変化に柔軟に対応できる能力です。

PDCAというフレームワークは、どんな課題が対象でも、PDCAサイクルをどう回すかを自由に設計することができ、正しい運用ができれば、成果や課題解決への道筋になります。

日本を代表し、成長を続けているトヨタのような大企業では、PDCAにこだわり続けています。成果の出している会社・ビジネスパーソンの多くは、いろんな仕事の階層において、このPDCAを回しています。PDCAを回し続けることによって、継続的に目標達成や業務改善が進み、企業の業績向上や個人の能力向上に貢献していきます。

1.3 PDCAには階層や時系列がある

PDCAというと、1つの目標に対して1つの行動が回り、完了したら次の目標というイメージがあるかもしれません。
実際には、1つの目標に対して、いろんな階層でPDCAを回したり、時間軸を変えて回していくことが大切です。

例えば、全社の1年間の売上目標がある場合、1年間の売上目標だけを掲げて、PDCAを回そうとしても、間違いなくうまく機能しません。
階層別に落とし込んだり、時間軸を短くして目標設定したりすることがポイントです。

我々が実際に取り組んで成果が出ている事例をご紹介します。


Plan(目標)を全社→事業部→個人別の階層で決める

全社ベースの目標を設定するだけでは、現場で実行するメンバーが何をすれば良いのかイメージできません。結果的にPDCAは回りません。階層ごとに落とし込んで、各人が当事者意識を持ってもらえるようにすることがポイント。

1年間の中でPDCAを回す

月間目標だけだとPDCAは月に1回しか回りませんが、週次目標に落とし込むことで、月に4~5回はPDCAを回すことができ、スピードが早くなります。

毎日のPDCA

理想は、毎日PDCAを回し続けると、着実に前に進むことができます。

1.4 PDCAと類似したフレームワーク

PDCAに類似したフレームワークはいくつかありますので、簡単に紹介します。
何が一番良いということはなく、状況や環境に応じて使い分けると良いでしょう。

 


PDS(プラン・ドゥ・シー)
実行のあとに、「うまくいった」「うまくいかなかった」だけで終わらすのではなく、検証を行うことで、成功・失敗の因果が明確になり、次の計画につながっていきます。ここまではPDCAの3つ目のプロセスと同じような内容です。ここに「改善」が追加されたのがPDCAのイメージです。

DCAP(ドゥ・キャップ)

4つのプロセスはPDCAと同じですが、順番が違います。最初にDoがきている通り、考えることよりもまずは行動することを重視しているのが特徴です。
今まで経験したことがないことにチャレンジする場合、計画を立てられない・予測不可能というケースもありますので、計画に時間を掛け過ぎるよりも、まずは行動して対応していく状況には効果的です。

OODA(ウーダ)
意思決定に関連する4つのプロセスから構成されています。まず、Observe(観察)です。Observe(観察)では、現状観察から始まります。業界の状況や自社の現状など、今後どのように行動していくかを判断するために必要な社内外の情報を集めます。
次のOrient(現状判断)では、集めた情報から現状判断を行います。Observe(観察)で集めた情報を分析し、今後の動き方を考えていきます。その次はDecide(決定)です。現状判断に従って具体的に行動計画を決定していきます。
最後にAct(行動)では、決定した行動計画にそって行動し、結果を観察します。Act(行動)まで行ったら、またObserve(観察)に戻り循環させていきます。

OODAはすばやく行動しなくてはいけない時に最適なモデルです。

迅速な判断や行動力が重要な場合はOODAやDCAPを、中長期的に計画を立てて改善していく場合はPDCAを活用するという使い分けをすると良いでしょう。

2 PDCAの4つのプロセス

PDCAは4つの要素で構成されており、4つの手順で経営や業務を遂行することで、実現したい方向に近づいていきやすくなります。
4つの要素をそれぞれ解説します。それぞれのプロセスに類似する言葉も記載しているので、現場での活用をイメージしやすいかと思います。

2.1 Plan(計画)

Plan(計画)は、目標設定・実行計画を立てるプロセスです。

計画には、下記の要素を含めることがポイントです。
5W2H(誰が、いつ、どこで、何を、なぜ、どのように、いくらで)
具体的な数字

この要素があることで、実行力(Do)が増し、かつ、測定・評価(Check)しやすくなります。

目標や実行計画は、PDCAを回す上での第一フェーズです。計画がなくても行動することはできますが、行き当たりばったりになる可能性がありますので、まずは計画を立てることがスタートです。

2.2 Do(実行)

Do(実行)では、Plan(計画)で立てた計画に沿って行動します。
計画が正しいとは限りませんが、まずは行動してみないことには良いも悪いも結果が出ません。まずは行動してみることです。

行動した実績を記録しておくことで、次のフェーズのCheckにつながります。
数値化しておくと記録しやすいですが、数値化できないものは「達成しやすかったこと」「達成が難しかったこと」を文書で記載しておく形でも十分です。

2.3 Check(検証)

Check(検証)では、設定した目標に対しての達成度や進捗を検証・評価します。

具体的には、以下のような項目を検証します。
・目標を達成できたか
・計画通り、実行できたか
・目標を達成できていない場合、どのくらい差があるか

この時に大切なことは、計画を100%実行してから検証することです。

中途半端で検証してしまうと正しい検証結果が得られず、色々なことに手を出しては失敗するという負のループに入ってしまう可能性があります。計画を100%行ったタイミングで、何が計画通りにいったのか・うまくいかなかったのかを検証。そして、計画通りにできなかったものはどうしてできなかったのかをしっかりと分析し、要因を追求していきましょう。

このプロセスは学習的な要素がありますので、達成したことから成功パターンを導き出すことができますし、一方で、失敗からも、その要因などを洗い出し改善につなげていくことが大切です。

2.4 Action(改善)

Action(改善)では、Check(検証)で行った検証結果から、対策や改善策を考えていきます。

具体的には、以下のようなことを検討します。
・このまま計画通り進めるのか
・目標との差を埋めるためにどのような対策を打つか
・計画を修正して、新たな計画を練り直すか
・計画を中止するか

効果が出たことは継続して行い、計画通りにいかなかったことは改善するための材料になります。いずれも、次の計画に落とし込んでサイクルを回し続けることが肝要です。

3 PDCAの3つのメリット

PDCAのプロセスについて詳しく説明してきましたが、どうしてPDCAを行った方が良いのかを説明していきたいと思います。PDCAを繰り返し行うことのメリットを知った上で、どのように行っていくことが最善かを考えてみましょう。

3.1 目標と課題が明確になる

PDCAを行うために最初にすることはPlan(計画)=目標を立てることなので、必然的に目標をたてる必要が生じてきて、実行する時には目標が明確になっています。
現状を把握して、目標を明確化すると、ギャップに気づくことができます。その差が、改善すべき課題となります。そうすることで、自分が何をすべきなのかが明確になります。

また、PDCAサイクルでは1回の循環のあとに次に実行することに対してフィードバックを行うことにより、次のやるべきことや目標がより明確になっていきます。

目標をたてない人は目指すところがぶれてしまいますし、一緒に働く社員も社長(会社)の意思ではなく、自分の考えで別々に行動してしまうことがあります。
目標を立てるということで、会社全体の進み方を社員全員に浸透させることができ、ぶれずに全社員が問題解決にあたっていくことができるのです。

3.2 目標を達成するための実践力が身につく

PDCAサイクルを繰り返すことで、現状と目標のギャップを埋めるための行動・改善する力が身についていきます。
なぜうまくいったのか、何がボトルネックなのか、どうすれば解決するかという思考習慣が形成されていくと、再現性を持って、目標達成を着実に進めていくことができます。

課題などを考えるうえで、外部環境などに責任を求めていては、自身の行動変化が起きませんので、PDCAを回すということは、外部に責任を求める他責ではなく、何事も自責で捉えることにもなり、それが目標達成に近づく力になっていきます。

3.3 変化に対応していく力が身につく

経営やビジネスにおいて、変化や環境に適応していくことが求められます。変われない会社、ビジネスパーソンは時代に取り残されかねません。
先行きが見えないと、「ゴールが見えない」「ゴールを達成するまでに道のりが見えない」「解決する手段が見えない」といった状況に陥ります。PDCAによって、現状、ゴール、道のり、手段などが明確になり、見えなかったものが見えるようになります。

PDCAを回し続けることができれば、常に現状と目標を考えていきますので、時代の変化に合わせて、目標を設定し、そこに向かって変化を起こしていくことができます。

4 PDCAの3つのデメリット

ここまでPDCAサイクルの内容やメリットについてお伝えしてきました。みなさん、「やってみよう!」という気持ちも芽生えてきていると思います。しかし、PDCAサイクルにはメリットだけでなくデメリットも存在します。デメリットもしっかり理解した上で実践していけるようにしていきましょう。

4.1 PDCAを回すことが目的になってしまう

PDCAサイクル一つ目のデメリットは、PDCAサイクルを循環させること自体が目的となってしまうことが見受けられる点です。PDCAサイクルは業務改善のために目標をたて、目標に向かってすすんでいくための手段なのですが、人間は慣れる生き物です。
PDCAサイクルを回していくことに慣れてしまうと、気がつかないうちに回すこと自体が目的になってしまいます。そうなると、手段が目的となってしまい、本質的な課題が見つからないままでPDCAサイクルを行うことになり、意味を成しません。

4.2 イノベーションが生まれづらくなる

先ほどお伝えしたように、PDCAサイクルはPlan(計画)から始まります。Plan(計画)は前例や過去のデータなどをもとに行うため、継続的にフィードバックができるのもPDCAの良さだとお伝えしましたが、一方で前例や過去のデータがなければPDCAサイクルを回していくことは難しいのです。そのため0から1を作り出す新規事業開発などでの活用には向きません。
新規事業開発などではOODA(ウーダ)と呼ばれるフレームワークの方が向いています。

4.3 会議などを開く機会が多くなる

最後のデメリットとしては、PDCAサイクルを回していくために会議が増えることがあるということです。PDCAは継続的に振り返る機会を設ける必要があります。

特に注意していただきたいのは、PDCAサイクル自体が目的化(デメリットの①)してしまうと、課題の改善策を話し合う場としての会議ではなく、ひとりひとりの業務・タスクを報告する場としての会議となってしまう可能性が高まります。

手段が目的化していないかは、注意していくよう心がけましょう。

5 各プロセスで失敗するパターン(なぜPDCAが回らないのか)

PDCAを導入しようと思われた方は多いかと思います。
私も、会社において、自分の仕事においてPDCAを回し続け、また、中小企業のお客様がPDCAをどう活用しているかを数多く見ています。

その中で、よくある失敗事例をお伝えしますので、該当する方は改善の糸口にしていただければと思います。

5.1  Plan

■ 完璧な計画を立てようとする
最初から実現可能性が100%の計画を立てることは不可能です。完璧主義で考えると、
計画を作るのに時間をかけ過ぎてしまい、行動するのが遅くなってしまう、もしくは、行動に至らずにエネルギーを使い果たしてしまうことがあり得ます。
また、細かく立てすぎて、実行する際に、挫折してしまうこともあります。

PDCAを何度も繰り返すことで、精度の高い計画を立てられるようになっていくので、まずは、完璧主義ではなく最善主義で計画を決めていくことが大切です。

■ 先行きが見えないから計画を立てても意味がない(無計画)
我々は、短期利益計画(1年)や中期事業計画(3~5年)の作成のお手伝いをしておりますが、「先行きが不透明なので、計画を立てられない、立てても意味がない」という意見が一定数あります。

計画は、達成することも大事ですが、計画を立てて検証することで、自分の仮説が合っているかを確認して軌道修正することができます。無計画の場合、検証材料がないので、行動の精度も上がっていきません。

■ 目的が曖昧
計画を立てることが目的になってしまい、なぜその計画を立てるのか?という目的が曖昧なケースは、長続きしません。
例えば、利益計画を立てる際に、何の根拠もなく、売上高〇〇%増という目標設定をするケースがありますが、それを達成することによってどんなメリットが生じるのを答えられないことがあります。

その計画の先には、どんなことを実現したいのかという目的を設定する必要があります。

個人で計画を立てる際にも、例えば、ビジネスパーソンには「英語」と「ITスキル」が必要だと言われて、言われるがままに勉強計画を立てても、なぜやる必要があるのかが弱いため、実行しても長続きしない可能性があります。

5.2  Do

■ 計画が無茶でやる気が起きない
目標が無茶で非現実的の場合、行動しても「どうせ達成できない」というマインドになり、実行に至らないケースがあります。
売上至上主義の場合、単純に売上高前年比120%という計画を立てているケースに遭遇しますが、毎月、目標と実績の乖離がどんどん膨らんでいき、全く意味をなさないことがあります。

背伸びして到達できるくらいの目標値が理想です。

■ 失敗が怖い
計画を立てて、いざ実行しようと思っても、「もっと良い方法があるのではないだろうか」「失敗したらどうしよう」という気持ちが芽生え、行動に移せないケースがあります。

行動して、100%うまくいくことは、ほぼありません。超一流のプロ野球選手でも打率は3割台ですし、ユニクロ創業者の柳井正氏の「1勝9敗」という言葉の通り、一流の経営者でも負けがあることが前提で考えています。学びや経験値を得るために行動を起こすという発想が必要です。

■ タスクレベルに落とし込まれていない
計画が荒く、具体的な行動スケジュールなどに落とし込まれていないと、いつやるのか、誰がやるのか、具体的に何をやるのか、やり方はどうなのかが不明瞭で、曖昧な場合は、行動に至りません。

例えば、健康のために「週に1回、運動をする」という計画を立てたとします。これだけでは実現可能性が低いです。運動といっても、ランニング・ウォーキング・筋トレ・ストレッチなど多岐に渡りますし、週に1回は、平日・休日なのか、朝・夜なのか、タイミングもまちまちです。
TODOリストに落とし込み、スケジュールに入れ込むことができるくらいの粒度が必要です。

5.3  Check

■ チェック機能がない(やりっぱなし)
計画を立てて実行しているのに、検証せずに、やりっぱなしになっているケースはよくあります。チェックするタイミングを決めておらず、「時間ができたら検証しよう」と思い立ったらチェックする状態になっていたら、要注意です。

■ チェックへの意識が弱い(ゴールへの意欲が足りない)
何か目標を決めても、その目標を何としても達成しようという動機が弱いと、そもそもチェックするという気持ちが芽生えません。チェックは目標達成への執念から生まれます。

上記の場合、本当にその計画は必要なのか?
その計画を達成することでゴールに近づくのか?と問いかけてみた方が良いです。

5.4  Action

■ 報告が目的化されてしまい改善フェーズにいかない
実行したことをチェックする場が定期的に設けられていても、単なる報告で終わってしまい「どうしたらもっと良くなるのか?」を考えず、次の計画や行動につながっていないケースがあります。
報告が目的ではなく、改善案や伸長案を出して次の計画につなげることが目的です。

■ 改善案は出されるけど、案で終わってしまう
改善案などの意見は出るものの、「できたらいいね」レベルでとどまってしまい、具体的に何をするのか?という計画に落とし込めず、会議そのものが無意味に感じることはないでしょうか。
何も決定されない会議や振り返りがある場合は要注意です。会議の最後に、アクションプランを決めて、誰が、何を、いつまでにやるかを合意して、終わることが大切です。

6 PDCAをうまく回すための仕組み

5章では、PDCAを進めるうえで、よくある失敗を解説させていただきました。では、どうすればうまく回るのかをこの章でお伝えしていきます。

6.1  Plan

PDCAの最初はPlan(計画)=目標をたてると説明しましたが、最初の段階でPDCAがうまく回るかが左右されてきます。次のプロセスにつながりやすい計画のポイントを解説します。

□ 計画は仮説なので正確さを求めない
最初から完璧な計画を立てることは不可能なので、計画=仮説と捉えることです。
例えば、1年間の利益計画を立てる際に、完璧に計画を立てようとしても、必ず自社の予測と市場のニーズとのギャップが出てきたり、環境の変化が起き、計画通りに行くことはありません。

まず計画を立てて、実行して、振り返ることで、どの行動が成果が出るのかが見えてきます。トライ&エラーを繰り返すことで、学習していき、計画の精度が高まっていきます。

計画を立てて、計画と実績の差を情報として読み取って、対策を打つことが大事です。
正しさを追求して悩むよりも、まずは、早く決めて、PDCAを回し始めることがポイントです。

□ 細分化・分解
計画を立てる際に、細かく分解していくと、実行するイメージが湧きやすくなり、行動確率が上がります。
例えば、全社目標を事業別・店舗別・個人別・商品別・得意先別などへ落とし込むことで、計画が自分事になっていきます。
また、飲食店の売上高であれば、下記のように分解ができます。

単純に売上高を10%upしようという目標ではなく、客単価を3,000円から3,300円にしようといった方がイメージしやすくなり、具体的な行動目標も浮かんできます。
いろんな分解ができますので、ぜひ取り組んでみて下さい。

□ 定量化・数値化
できるだけ数値化すると、目標も具体的になりますし、検証もしやすくなります。
例えば「営業成績のアップ」や「顧客満足度アップ」などの抽象的な目標では、何をどのように目指せば良いのか分かりません。

「新規顧客を前年比3%アップさせ、既存顧客に対しては一人50件/月アプローチしていき、売り上げを前年同月10%アップさせる」などの数値的な指標を示すことで、どのようなアクションプランを行えばよいのか明確になってきます。数値化された目標は、具体的な計画になり、実行へとつながっていきます。

6.2 Do

計画を立てたけれども、実行に至らなかったり、中途半端になってしまったりと悩んでいる方は多いのではないでしょうか?ここでは、実行力を高めるコツをお伝えします。

□ 100%実行される仕組みをつくる

まずは実行しないことには、目標を検証することができません。せっかく目標を立てても、実施せずに終わってしまうことがよくあります。

個人でよくあるのは、年始に1年間の目標を立てたものの、1ヵ月も経過すると、目標を立てたこと自体を忘れてしまい、実践に至らないケースです。
会社においては、例えば、トップが経営方針を発表するだけで、実行される組織はほとんどありません。方針など、すぐに忘れてしまいます。

確実に実行するために効果的な仕組みは『見える化』です。

計画したことを、日頃から目につくところに見える化したり、パソコンを開くと、最初に目標や計画が表示されるように設定したりすることで、忘れることを防げます。ホワイトボードの活用もアナログですが、効果的です。
目標を忘れないための仕組み作りとして、見える化がお勧めです。

□ なぜやるのか(why)を繰り返し意識する
精度の高い実践のためには、なぜその計画や行動が必要なのかというwhyが大切です。
「いいからやれ!」では、何のためにやるのかが欠落しているため、形骸化する可能性があります。

前述しましたが、例えば、英語の習熟度を上げるという目標に対してPDCAを回す場合、なぜ英語が必要なのか曖昧だと、行動を継続するモチベーションが湧いてきません。
その行動がどのように実現したい世界につながっているのかを定期的に確認しましょう。

我々は、毎週月曜日に創業者自らが勉強会を開催しており、日々取り組んでいることについて、「なぜそれが大事なのか?」「なぜそれを進めるのか?」といった話を繰り返ししています。

□ 活動記録を残す
活動した記録を残さないと、次のチェックにつながりません。活動記録をしっかり残してCheck(検証)しやすいように心がけることがポイントです。

もし計画通りに実行できなかった時は、どうしてうまくいかなかったのか状況を記録しておくことです。あとで検証する時に、記録がないと曖昧なまま振り返ることになり、効果が出づらくなります。

近年、ITツールにより、自動的に記録されたり、簡単にログを残せる仕組みが数多くありますので、活用すると良いでしょう。
例えば、日々の仕事の進め方の改善をしていきたいのであれば、仕事のログを簡単に取れれるアプリがありますし、お金の使い方をタイムリーに見直していきたいのであれば、マネーフォワードなどを活用すれば、自動連係して、記録を簡単に確認できます。

6.3 Check

次に、定期的に進行状況を確認することが大切になってきます。PDCAは通常業務とは別にプラスαとして導入している企業が多くあります。
そのため、目先の業務が忙しかったりすると、PDCAの業務は後回しにされてしまうことが多々あります。しかし、継続的にフィードバックしつつ目標を達成していくには、定期的にPlan(計画)に対しての進捗状況の確認や現状把握をする場を設けましょう。

□ チェックする日を決める
計画は「チェックが命」です。
伝説の経営コンサルタントの一倉定氏は「チェックなくして正しい経営なし」と言っておられます。チェックは、目標や計画を達成するための執念のあらわれです。
チェックするのに一番効果的な方法は、シンプルにチェックする日を決めることです。

会社、及び、個人的にチェック日を下記のように決めています。

□ フォーマットの活用
チェックする際に、フォーマットがあると、どういった観点で検証するかが明確になり、チェックを標準化できます。

個人でPDCAを回したい場合、会社でPDCAを回したい場合など、状況に応じて、必要な項目は変わりますが、それぞれの場面において報告帳票を用意するのがお勧めです。実際に活用しているものを紹介します。

①GPS
シンプルでお勧めなのはGPSというフォーマットです。

できなかった要因は下記のようなものがありますので、振り返りの際の参考にして下さい。
①そもそも、行動できていない
②行動できていない場合は何故か?時間の問題か、やる気の問題か、それ以外か(目標が高過ぎる、やり方が分からなかったなど)
③行動ができていたが、不十分
④想定していなかった課題にぶつかった

②数値目標
我々は、年間目標を月別に展開して、目標に対する実績を毎月確認していますが、下記のようなフォーマットを活用しています。顧問先にも提供して、毎月の月次の打合せにて、目標に対する実績をチェックしています。

ポイントは、
・目標と実績の差額を記載する。
・単月と累計で確認する。特に、累計での差を認識して、改善を考える。
・目標比だけでなく、前年の数字も反映して、前年比で数字を比較

□ できた要因にも目を向ける
目標や計画に対する実績や進捗を確認する際に、「できなかった」ことにフォーカスしがちですが「できたこと」にも焦点をあてることも大切です。

成果を出すには、悪いところを修正するだけではなく、良いところを伸ばした方が、効果が大きくなります。

良かった点を掘り下げるには、下記のような問いを投げかけてみて下さい。
・何がうまくいったのか?
・それはなぜ、できたのか?
・他のことでも活かせることは?
・どの行動が効果的だったのか?

掘り下げる際に、トヨタで有名な「なぜ5回」を実践すると真因に辿り着くことができます。
実践して良かったことは継続してみたり、効果がありそうなものはさらに強化するといった観点で、良い点を伸ばしていきます。

6.4 Action

最後に効率的にPDCAをまわすために大切なことは、1度や2度のサイクルで終わるのではなく、継続的に回していくことです。

継続させるためには、無理のない範囲で行うことが大切です。最初に無謀な目標や計画をたててしまうと挫折しやすくなってしまいます。目の前の課題をしっかり見極めて少しずつ螺旋階段をのぼっていくような気持ちでPDCAに挑戦しましょう。

□ 改善のアプローチをテンプレート化
改善案を考える上で、問いやテンプレートがあった方が、整理することができます。

基本的には、
・できたことについては、さらに成果を出すにはどうすれば良いか?
・できなかったことについては、どうすればできるようになるか?
という観点になりますが、それぞれ、下記のようは選択肢があります。

先ほどご紹介したGPSで振り返り、改善案を出す際には、下記ような位置づけで考えると、アイデアが出てきやすいです。
□ 次のPとチェック日を設定する
会議等で振り返りをしている際に、改善のアイデアなどが思い浮かぶケースはよくあるかと思います。その際に、出しっぱなしになって、次のアクションにつながっていないケースはないでしょうか?

案が出たら、必ず計画に落とし込んで、「いつ」「誰が」「何を」やるかを決定して、スケジュールに入れます。
チェック日がルーティン化されていない場合は、次のチェック日を決めて、カレンダーに入れておくと、やりっぱなし・考えっぱなしになることを防ぎ、確実にPDCAを回していくことができます。

我々が部署単位で実施している週次ミーティングでは、下記のような項目で会議を実施しています。

目標と実績の確認 → 未達成の原因 → 改善策・行動変化 → 翌週の約束
翌週に何を実施するかを明確にすることが一番のポイントです。

□ チェックリストや手順書などに反映

実施して効果が出たこと、うまくいかなかったことに対して改善して効果が出たことなど、PDCAを回していくと、新しい知見やノウハウが増えていきます。
それを、チェックリストや手順書などに言語化しておくと、計画や実践の精度が上がっていきます。

我々は、PDCAを回す過程で、うまくいく方法や成功パターンが見つかった場合は、経営計画書や業務マニュアルに追記・更新していき、全社員で共有しています。個人であれば、マイルールとしてストックしておくと良いでしょう。

7 PDCAを活用した企業の成功事例

では、実際にPDCAの具体的事例をご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてください。

7.1 独自の生産方式を築いたトヨタ

まずご紹介するのはトヨタです。トヨタは、Plan(計画)として「トヨタ生産方式」と呼ばれる方法を行い、「ムリ・ムダ・ムラ」を排除することで効率をあげ、今まででは製造できない速さで車を製造することに成功しました。

次のDo(行動)では、ジャストインタイム体制で必要な時に必要な量を停滞せずに生産するようにしました。また、異常が発生した際にムダな不良品を作り続けないように機械が自動でとまるようにしました。

次のCheck(検証)では、不良品の発生や問題の兆候が見えた際はすぐに停止し、判断できる作業員や管理者がすぐになぜ問題が起こったのかを検証します。最後のAction(改善)では、さまざまなサポートを行うようにしています。

技術者や管理者などでして協力してつくった「改善提案」の実施、できることはすぐに取り入れようという会社の雰囲気つくり、コールセンターやカスタマーセンターなどのサポートを充実させる、車の故障の時の修理サービスなどの改善案を実施し、日本だけでなく世界的にも認められる会社となったのです。

7.2 スピードと精度の高いPDCAを重視したソフトバンク

次にご紹介するのはソフトバンクです。ソフトバンクのPDCAは「高速PDCA」と呼ばれています。PDCAを目的とせずにスピードと精度の高いPDCAを心がけ、30年ちょっとで8兆円を売り上げる企業に成長しました。

まず、Plan(計画)では、小さい目標をたてて、日・週・月単位で検証していけるような体制をつくりました。Do(行動)では、比較検証をするために、複数の商品を比べる方式でアクションプランを実行しています。

次のCheck(検証)は、毎日行うことを基本とし、個人目標をしっかり毎日検証します。そうすることで、できたことできなかったことはその日のうちに分析し、翌日にはAction(改善)できるようにしています。ソフトバンクのように高速PDCAを行うことで、PDCAのデメリットを減らすことができます。

以下、書籍から高速PDCAのステップを抜粋して紹介します。

7.3 V字回復を成し遂げた無印良品のPDCA

38億円の赤字転落(2001年)から、松井忠三氏が社長に就任し、6年で、売上高1.5倍、利益72億円までV字回復を成し遂げた実績があります。

その業績回復を支えたのがPDCA。業務マニュアルで有名な「MUJIGRAM」や商品開発、社内監査、販売、生産管理など、あらゆる仕組みにPDCAが導入されました。

計画95%・実行5%の社風だったのを、計画5%・実行95%へ変革させ、実行力を強化し、行動→試行錯誤→改善を繰り返し、組織改革を実施。まずはDoを重視しつつ、PDCAを回すための仕組み作りをいくつかご紹介します。


_____________________参考:『無印良品のPDCA』 松井忠三著

7.4 40年間、増収増益を実現した古田土会計のPDCA

我々は、40年間、増収増益を実現することができましたが、その要因は、競合他社にはない商品・サービス(経営計画書&月次決算書)を提供して、さらには、時代の変化とともに商品を改良し続けてきたことが大きいです。社内でどんなPDCAを回しているかをご紹介します。

〇Plan
・毎年、1月に経営計画発表会を開催
・方針や計画は経営計画書に明記。毎年、更新
・数値目標は、「全社」「事業部別」「商品別」「個人別」目標。
個人別はパートスタッフも目標を掲げる。

〇Do
・方針通りに実践。方針や計画が明確なので、実践することに迷いが生じない。
・まずは行動するという社風を、挨拶・掃除・朝礼などを通じて醸成。

〇Check
・第一月曜日 個人別売上の目標と実績を確認
・第三月曜日までに月次決算書・試算表を全社員に共有。全社や事業別の目標と実績を確認。経営計画書(数値編)に全員が手書きで記載して、差を確認。

〇Action
・個人別の目標と実績の差を埋めて、目標達成するための改善行動を毎月決めて、毎週チェック。
・週次ミーティングを開催して、行動変化を考える。
・効果が出る行動は経営計画書、手順書、マニュアルなどに随時反映して、全社員に共有

まとめ

PDCAサイクルというフレームワークの詳細、導入のコツ、事例などを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

自分自身の仕事や会社経営を進めていくにあたって、PDCAは必要不可欠です。
本記事を通じて、何か一つでも活用できそうなことが少しでも見つかればいいなと思います。
成功企業の事例も紹介しましたが、PDCAサイクルを継続的かつ改善しながら続けていけば、間違いなく目標達成へ近づいていくと思います。

ぜひ、小さくても良いので、PDCAを回してみてはいかがでしょうか?我々は中小企業向けにPDCAを回すお手伝いもしておりますので、お困りの方は、ご相談下さい。


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