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kitanaiji 汚い字シリーズ

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M&Aと事業承継には気をつけろ

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現実に起きたM&Aでの乗っ取り事例

 

社長の使命は、社員と家族を守るために会社を存続させることです。
そのために後継者を育成しなければなりません。
また株式の対策も打たなければなりません。

これから私が書くことは現場で現実に起きたことです。
お客様がM&Aで騙されて会社が乗っ取られそうになったため気をつけて下さいという話です。

 

M&Aの仲介会社側に立ったコンサルタントがもたらす悪例

 

時代の流れの中で業績の見通しも悪く、後継者もいないため銀行さんにM&Aの依頼をしましたが、その業界で買い取ってくれる会社は見つかりませんでした。
私は財務顧問として相談に乗っていましたが、6月の早々に「買取会社が見つかり契約が成立しました。」と報告を受けました。
M&Aの仲介会社により話があり約1ヶ月の早さだそうです。

そして7月上旬に社長より電話があり、「このM&Aは会社の乗っ取りで詐欺だ、至急相談に乗ってくれ。」という依頼がありました。

事実関係を書くと、M&A仲介会社を紹介したのは、会社の金融コンサルタント。
売買契約にあたり、仲介会社は秘密保持を理由に売手会社に弁護士にも顧問税理士にも相談させなかった。

紹介したコンサルタントは契約書の内容のチェックもしていなければ買取会社の財務内容もチェックしていなかった。
私が社長より聞いた話では契約日の6月10日迄にいくら請求しても買取会社は決算書を出さなかった。
決算書を出したのは銀行に説明に行く6月20日、その内容は債務超過で預金は50万円しかなかった。

M&Aの仲介手数料5,500万円は売却した会社より6月10日に支払われていたそうです。
この決算書を契約前に見ていれば契約はしなかったと社長は言っていました。
その後3ヶ月で仮払金という形で1,200万円引き出されてしまいました。

私が契約書をチェックしたら、「買手の責任と負担において速やかに個人保証を解除する」とあるのに契約解除条件にこの条項が入っていないのです。
私からすれば買手有利の意図的な騙しです。
買手は預金が50万円しかないので当初から実行するつもりはなかったのです。
しかし、売手にとっては一番大事な契約条件です。

M&A仲介会社は仲介が成立しなければ手数料が入りませんから、買手に有利な条件や売買金額を提案してきます。
早く契約を成立させたいので何も知らない売手の社長に誰にも言わないように口止めしたりします。
当然弁護士や税理士が入ると契約書や売買価格の交渉されるので口止めします。

では一体誰が売手の利益を守るのでしょうか。
紹介した人です。
その人が仲介会社の立場に立ったらチェックもなく、安い価格で売却されてしまいます。

今回の売却価格は4円です。
紹介した人が弁護士や税理士に相談しろとアドバイスしなかったのが問題です。
お客様の立場に立っていません。

結果として株式を買い戻すために、仮払金1,200万円は放棄し1,000万円の支払をしました。
M&Aの仲介会社より手数料は全額返済を受けました。

 

相続対策は、有資格者である税理士や弁護士に相談を

 

事業承継コンサルタントという人達がお客様の不安につけこんでやらなくてもよい持株会社の設立や株式の移動を勧め高額な報酬をとっています。
彼らも同じように相続対策に詳しい弁護士や税理士は日本に50人もいないなどと嘘を言い税理士を関与させません。

相続専門の税理士は日本中にいます。
古田土会計も累計200件以上の相続申告をし、専門の税理士とネットワークにより相談をしたり、チェックと提案をしています。

私達税理士や弁護士は資格をかけて仕事をしています。
信頼を大事にしています。
信頼に欠けるような事実があれば業務停止や資格がなくなりますが、コンサルタントは資格がないので税務調査も立ち会えませんし業務停止にもなりません。

M&A仲介会社や事業承継コンサルタント会社が有名でも現場は暴走します。
口車に乗らず専門家に相談して下さい。

古田圡 満