【第40期】経営計画発表会の開催と2022年のスタート

2022年1月11日(火)に【第40期】「経営計画発表会」を開催しました。昨今の社会情勢を踏まえ、昨年に引き続きオンラインでの開催でしたが、1,488名もの方にライブ視聴していただき大盛況となりました。
ご視聴いただいた皆さまへのお礼も込めて、発表会を振り返ります。
※発表会のフル映像をご覧になりたい方はこちら
https://service.kodato.com/managementplan-presentation/2022/movie-full
1. 基調講演 浜野製作所に学ぶ、中小企業の大逆転ストーリー
第1部は、株式会社浜野製作所の代表取締役CEO浜野慶一様に基調講演を行っていただきました。テーマは、「浜野製作所に学ぶ、中小企業の大逆転ストーリー」です。
浜野社長は30代のときにお父様がご逝去され、1993年より代表取締役社長に就任されます。2000年には本社兼工場が近所のもらい火により全焼したことによって、会社が大きく傾いてしまいます。さらに、火災の損害補償が予定されていたものの、相手先の企業が支払予定日の前日に倒産してしまうといった困難が続きます。
明日倒産してもおかしくない状況の中、唯一の従業員からこんな言葉を貰ったそうです。「社長、私はお金が欲しくてここに残っているのではありません。社長と仕事がしたくてここにいるんです。浜野製作所はまだ潰れていませんよ!」
この出来事は、浜野製作所の経営理念『「おもてなしの心」を常に持ってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りを持った活力ある企業を目指そう!』の土台となっています。
毎日借金の取り立てが訪れ、連日少ない睡眠時間で働き続け、最後の頼みの綱だった補償金の支払いも期待できない。そんな状況下でも「一緒に仕事をしたい」と言ってくれる従業員がいる。そのときの決意を浜野社長は次のように語ります。
「『もし立て直すことができて、そういう思いで働いてくれるスタッフが一人でもいるなら、スタッフへ常日頃感謝の思いを持って一緒に働かせてもらおう』『いずれスタッフに還元できる会社にしていこう』と思いました。そして、我々自身が夢・自己実現・希望・誇りを持った活力ある企業になっていくことが従業員への恩返しであり、目指すべき会社の姿であり、社長がやるべき大切な仕事であると覚悟を決めました。また、地域の方々、東京都・墨田区、当時のお客様に心遣いや思いやりをいただき、今の浜野製作所があることを痛感しています。この思いをどんな時代・状況になっても忘れず、感謝の思いを持って還元していくことが浜野製作所の理念です。ゆえに経営理念にそぐわないことは一切しません」
株式会社浜野製作所
https://hamano-products.co.jp/
2. 古田土会計グループ 経営計画発表
第2部は、第40期(2022年)経営計画発表を行いました。発表会では、過去・現在・未来のストーリーに沿って、下記の点についてお話させていただきました。
・前期の振り返り
・例年よりも新規開拓できる本当の理由
・伸びている事業に経営資源を投入する
・既存のお客様への取り組み・今期のテーマ
・お客様が求める「経験値」を高めるための施策
・会計業界のリアル
・あるべき未来を見据えた大規模投資
・組織/社員の未来像
前期の振り返り
第39期である2021年は、売上高も経常利益も目標を上回る実績となりました。また、これまでの紹介を中心とした新規開拓だけでなく、セミナーやWebなどの新しい取り組みからの引き合いが増える傾向にありました。それもあって、2021年は過去最高となる新規開拓件数でした。
例年よりも新規開拓できる本当の理由
ただ、それだけの新規開拓につながった本当の理由は、昨今の経済状況の変化を受けて課題が浮き彫りになった、「迫られる事業構造の変化」、「世代交代」、「MVV志向」という3つの要因によるものです。
「迫られる事業構造の変化」とは、原価高騰による変動費の増加や、最低賃金の引き上げをはじめとする人件費の上昇、コロナ融資による借入金返済額の増加などの影響により、各企業がこれまで以上に稼がなければいけない売上高が増えていることを指します。
「世代交代」に関しては、社長の年齢と企業の業績に統計的な因果関係があるにも関わらず、社長の平均年齢が62.49歳(商工リサーチ)という実態の中で、若い経営者の活躍が期待されていることを意味します。
「MVV志向」は、Mission(使命感)・Vision(未来像)・Value(理念)の頭文字をとった言葉で、昨今注目されている概念です。というのも、人が採用できない時代において、求職者はますます会社を選ぶ状況になっているため、財務面のみならず会社の目指す方向性や描けるキャリアについても明確に示す必要が出てきているからです。
そして、これら3つの要素は古田土会計が全て取り組んできたものであり、中小企業のモデルとして自ら実践していく中で積み重ねてきたノウハウに、多くの方が価値を感じてくださっています。
伸びている事業に経営資源を投入する
2022年は、昨年大好評をいただいた「経営計画作成25時間合宿(以下、合宿)」に力を入れていきます。合宿では3日間を通して、「目指すべき数値目標」や「未来像(事業・社員・組織)」を明確にしていくご支援を1社1社に合わせて行っています。
プロの指導員のサポートによって社長様だけでは気づけない視点で自社を客観視できる点や、誰にも邪魔されない集中できる環境が確保されている点を高くご評価いただいております。
今期は、開催日数の増加、指導員の強化、スキルのある外部協力者との連携、オンラインでの開催など、これまで以上に力を入れていきます。
既存のお客様への取り組み・今期のテーマ
新しい取り組みは積極的に行っていきますが、私たちにとって最も大切なことは既存のお客様にご満足いただくことです。2021年のお客様満足度調査では10点中8.89点という評価をいただき、「うちのことを色々考え、様々なアドバイスをいただきとても有難いです」「コロナ禍でいろいろな支援策を助言してくれ感謝してます」等、嬉しいお言葉を多数いただきました。一方で、「半年に一度くらい上司の方の意見もいただきたい」「資料を提出してから月次決算資料をもう少し早めにほしい」等、厳しいご意見も頂戴しました。いただいたお声は真摯に受け止め、今後の改善に努めてまいります。
今期のテーマは「主語はお客様(次工程)」です。お客様の「なるほど」「やるべきことがわかった」などのリアクションを引き出す「アハ体験」をしていただけるよう、所員一同努力してまいります。
お客様が求める「経験値」を高めるための施策
お客様に喜んでいただける担当者を育成するために、「経験値」を積ませることにも注力していきます。例えば、「昼回り隊」と名付けたチームに所属する経験豊富なベテラン社員が、社歴の浅い社員の「わからない」を解消するため縦横無尽に社内を駆け巡り、対処する仕組みを整えました。
また、「付加価値チーム」は従業員からの相談事をストックし、全体で共有できるような回答集を作ります。「知のストック化」をすることで、担当者一人ではできない膨大な経験値を積み重ねていける体制を構築しています。
会計業界のリアル
現在、会計事務所の二極化という現象が生じています。それは、「能率重視型」か「付加価値提供型」の2つです。多くの会計事務所は前者を選択しますが、当社は付加価値提供型を追求します。特に「未来会計」を掲げている会計事務所は数々ありますが、その多くは+αの料金を支払うオプション型未来会計です。一方、当社では未来会計は標準の対応で、ほとんどの社員が未来会計に対応できます。
あるべき未来を見据えた大規模投資
今後は、「中小企業の家庭教師」として、ますますお客様に喜んでいただくためにも大規模な設備投資も行っていきます。具体的には、中小企業の経営支援に役立つクラウドシステムの提供を予定しています。当社のノウハウをデータ化し、より広く品質の高い提案を仕組みとシステムにより実現します。
新規事業に関する中期事業計画を見ると一時的に経常利益は減少しますが、中長期的に明るい未来を作るためチャレンジしていきます。「士業コンサル業界を変革し、日本中の中小企業を元気にする!」——これこそ当社の未来像です。
組織/社員の未来像
当社が掲げる「人を大切にする経営」を達成するために、社員の処遇も見直しました。
例えば、新入社員が30歳時点で年収550万円を目標にしていたところを600万円に改定したり、お子さんの学費を支援する制度を導入したりと、今以上に社員が働きやすい環境も整えていきます。
また、グループ全体の株も社員に分配していき、名実ともに「みんなの会社」になるように取り組んでいきます。
2022年は、使命感も新たに刷新しました。「日本中の中小企業を元気にし、その社員と家族を幸せにする」ために、今後も邁進してまいります。
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。
※発表会のフル映像をご覧になりたい方はこちら
https://service.kodato.com/managementplan-presentation/2022/movie-full