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経営計画発表会とは?発表会を成功させるための最大の秘訣を解説!

経営計画発表会とは?発表会を成功させるための最大の秘訣を解説!

経営計画発表会マニュアル

全社一丸体制の構築やより良い会社づくりに必要な経営計画書ですが、作っただけでは効果を発揮しません。経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を同様にどのように伝え、浸透させるかが重要になってきます。

その第一歩としての場が「経営計画発表会」です。経営計画書に命を吹き込む場です。
これまで私自身古田土会計グループの経営計画発表会、お客様の経営計画発表会に100回あまり参加してきましたが、その中で「よい発表会だった!」と思える発表会には共通点がありました。
詳しくは本文の中で解説しますが、「ワクワク」+「未来」です。具体的には社長自身が「ワクワク」と会社・社員の「未来」のことを話すことです。

そこで今回は、「経営計画発表会」について、実体験をもとにした経営発表会成功の秘訣開催、経営計画発表会の目的やメリット、具体的な開催方法などを解説していきます。

経営計画書についてはこちらの記事をご覧ください。

⇒毎年1,000社超の企業に指導してきた経営計画書の書き方
https://www.kodato.com/blog/p11894/

1.理想的な経営計画発表会とは

経営計画発表会とは今期の目標達成に向けて一致団結する場です。
全社員の気持ちにスイッチを入れることが目的です。それを正しく実行できれば短期的には当期の目標達成、長期的には理念浸透やよい会社・社風作りといった効果が得られます。

実際に私たちも経営計画発表会を通じて明るい未来像の共有による社員のモチベーション向上=ES向上やお客様からのご支援(新規のお客様のご紹介)=CS向上といった効果を実感してきました。
今回はそんな経営計画発表会の基本について詳しく紹介していきます。

1.1 経営計画発表会とは

経営計画発表会は事業年度の始めに経営者が作った経営計画書を元にして社員に向けて今後の方針を発表する場です。社長は社員に明るい未来を示し、共に頑張って欲しいと協力を依頼します。一方、社員は社長の想いを受けて、目標達成や実行することを宣誓します。

つまり、経営計画発表会とは、経営者、社員それぞれが「スイッチを入れる場」です。
社長は改めて自分自身に、社員は社長が発表した方針・目標に対して「やるぞ!」とスイッチを入れます。

1.2  経営計画発表は誰が行うか

経営計画発表は社長が社員に対して行います。
会社によっては部門や支店の責任者ごとに発表を行う場合もありますが、一番大切なのは社長から社員に対しての発表・メッセージとなりますので時間配分を間違えないようにしてください。

NG⇒社長の話より各部門の話の方が長い
〇〇〇(例 社長30分 各部門60分)
〇〇〇自分に関係のない部署の話が長いと当事者意識が薄れると同時に
〇〇〇一番重要な社長の発表の記憶も薄れていってしまい効果が半減する恐れがあります。

OK⇒社長の話がメインで各部門の発表は無し又は手短に話す。部門は後日発表など。
〇〇〇(例:社長60分 各部門30分)

1.3  経営計画発表会の参加者と服装

経営計画発表会はパート社員を含めた全社員が参加します。
会社の一番大切な行事であるため服装は全員正装が望ましいですが、夏場に行う場合はノーネクタイでも問題ありません。
また、お客様や金融機関の方々を呼ぶことで、対外的にも経営方針や数値目標を打ち出すことになり、会社の本気度を感じてもらうことができると同時に支援を得やすくなる効果もあります。

1.4 経営計画発表会はいつ行うか

決算月の翌月(期首)に行います。
例えば、3月決算の会社は4月上旬に実施します。

1.5 経営計画発表会はどこで行うか

経営計画発表会は経営者の掲げる未来像を社員と共有するための儀式です。
社内で行うのではなく、いつもと違う場所で行うと効果的です。


①公共施設(貸会議室)を利用する
→公共の施設が開放している会議室なら格安で借りることができます。
②ホテルの会議室を利用する
→食事等も選べるので、2部に懇親会を持ってくるなら流れがスムーズです。

1.6 経営計画発表会は何に基づいてどのように発表するか

経営計画書に基づいて発表しますが、説明しやすいようにパワーポイント等で資料を投影することは問題ありません。
社員は当該年度の経営計画書をその場で初めて目にします。それまで席においてはありますが開封厳禁です。

1.7 経営計画発表の時間・プログラム

社長の発表は、社員の集中力等も鑑みて概ね60分~90分を目安とします。
経営計画発表会全体の時間としては構成にもよりますが、2時間~3時間程度が目安です。
この中で経営計画書の内容全てを話すことはできませんので、後述する4章に絞って話をします。残りの部分については後日会議などで共有します。

一例として、このようなプログラムがお勧めですが、この例の場合は1部~3部まで合わせて4~5時間ほどかかります。

この中の「方針発表」に焦点を当てて具体的にするとこのようなイメージとなります。
時間は目安です。

経営計画発表の「経営計画発表にあたって(前半部分)」と「経営計画発表にあたって(後半部分)」ですが、赤枠の部分が後半でそれ以外が前半部分に相当します。
赤枠の部分を最後に読んでいただくと発表が締まり、スイッチが入りやすくなります。

基調講演の講師は経営に対する価値観が同じ方を選ぶことと、売上をどう上げるか等といった経営のテクニック的な話ではなく目的や理念のような内容を話してくださる方をお勧めします。

社員の実行宣言は、社長の発表を受けて、社員代表1名が計画達成を宣言します。その際に社長の発表の感想や関連する話をすると厚みが出ます。

懇親会は経営計画発表会の緊張感をほぐすために行います。
経営計画発表は経営者の方針発表と社員の実行宣言、懇親会は会社ごとのカラーが出てくる場でもあります。その意味ではプロジェクトメンバーの腕の見せ所です。

以下は懇親会を行う場合のコンテンツの例です。

1.8 事例:古田土会計グループの経営計画発表会

<開催日時>
毎年1月11日 午後1時11分
→決算月が12月、1月11日が創業記念日となるため時間も含め1並びで開催しています。

<参加者>
パートを含む全社員・お客様ならびに関係者
※お客様は経営計画書購入代金として有料としています。

<開催方法>
会場でのリアル参加とweb視聴のハイブリッド
古田土会計の社員数 350名
お客様会場参加  250名  会場参加600名
お客様web参加  200名

<スケジュール>
12時30分
開場 お客様お出迎え

13時11分~14時30分
第1部 基調講演

14時45分~16時15分
第2部 経営計画発表会
開会の辞
経営計画発表 80分
社員宣誓   5分
閉会の辞

16時15分~16時30分
第3部 社員表彰

16時30分~
お客様お見送り

コロナ前は懇親会も行っており、その場で社員表彰も行っておりましたが、社員数や参加者も多くなり会場の確保などの兼ね合いもあって現在は懇親会を無しにしています。

経営計画発表会は創業者の古田土満が経営計画書を作成してから毎年行っています。
その結果、理念やMVVの浸透に結びつき、お客様や関係者のご支援も増えて創業以来増収を続けることができています。

2.経営計画発表会の目的

改めて経営計画発表会の目的を整理します。
①全社員にとっての目的
一番の目的は、社長・社員はじめ関係者全員が「今期も頑張ろう!」と一致団結し、同じ方向を向いてスタートを切ることです。
つまり、1章で解説した通り「スイッチ」を入れることでもあります。
②経営者にとっての目的
社長にとっては、社員、外部の方が参加されている場合はその関係者に対して、会社の考え方や計画を伝え、決意表明を行い、社員の心に火をつけることです。
③社員にとっての目的
社員にとっては、社長から中長期・短期の方針を聞くと同時にその中での自分の役割ややること、やらないことをはっきりとさせることです。

3.経営計画発表会を行うメリット

経営計画発表会を行うメリットは3点です。
① 経営者自身の覚悟が決まる
社員をはじめ大勢の前で今後の方針を宣言するため、やるしかない状態へと自らを意図的に追い込む
ことができます。
本来、目標数値は会社を存続させ、そこで働く社員と家族の明るい未来を築くために達成すべきもの
です。言い換えれば、目標数値とは「達成したいもの」ではなく、「達成しなくてはいけないもの」
です。そのように考えれば、発表会で目標を公言し逃げ道を無くすことで、どうやったら目標を
達成できるかという思考に切り替えることが出来ます。

② 社員が目標達成に向けて行動しやすくなる
社員が目標に向けて行動しやすくなります。
明確な目標が掲げられることで、社員としても具体的にどのくらい頑張ればよいのかが分かります。
逆に、目標達成に向けてやるべきではないこと、行動も見えてくるため、無駄をなくして本来やる
べき業務に集中することができます。

③ 関係者(お客様、金融機関など)から応援してもらえるようになる
関係者に会社の雰囲気や目標を感じ取ってもらうことで信頼感の向上、親近感の醸成につながりま
す。目標を共有することで具体的に「うちだったら~~という支援ができそう。」という発想を
持ってもらいやすくなります。

4.経営計画発表会成功の最大の秘訣

4.1 経営計画発表会の成功とは

何をもって経営計画発表会が成功したと言えるかというと、終わった後の社員の表情を見る、言動を聞くのが一番です。
社員宣誓は儀式的な部分がありますが、式が一通り終わった後や翌日、つまり社員が素に戻った状態でどのような表情、言葉を発しているかで感じ取ることができます。

例えばこのような状態です。
・発表会の前よりも表情は明るく晴れやか(ワクワクしている)。
・前向きな言動が見られる。
・チームや部署単位で具体的な行動について話し合っている。
・経営計画書にメモ等を書き込んでいる

経営計画発表会の後、懇親会を行うこともよいですが、「懇親会楽しかった!」とは違いますのでご注意下さい。

4.2 経営計画発表会成功の最大の秘訣

経営計画発表会を成功=一致団結させるためのポイントは、経営者が社員や会社の
「未来」について
「ワクワク」語ることです。

具体的には、
過去から未来へ向けて話を展開し
会社が目指す方向性と目標を示し
目標を達成した際の社員の明るい未来像を語る
ことです。

特に、3つの未来像(社員の未来像・組織の未来像・事業の未来像)について話すことですが、その中でも「社員の未来像」については必ず触れてください。
なぜなら、計画を考えるのは経営者ですが、実施するのは社員です。その社員が自分たちの未来に希望を持てなければモチベーションは上がりません。

「この計画を実施し、結果が伴った際には自分たち(の給料等)もこうなるんだ!」
「社長は私たちのことをこう考えてくれているんだ!」
「よし頑張ろう!」
という順番です。

もちろん、理想は給料・将来関係なく会社のMVVについてきてくれることですが、現実はそう簡単ではありません。
双方のバランスが大切です。

また、社長が暗い表情で話していたら聞いている側も暗くなりますし、書かれていることを淡々と話されてもワクワクしません。
発表者としてのある程度の演技力も大切です。

 

NG⇒前期の振り返りなど過去のことを長時間話す(反省が多い)
〇〇〇経営計画書の前期からの変更点を中心に話す(未来の話がほとんどない)
〇〇〇戦術・ルールのことが主になっている
〇〇〇社長の表情が暗い・書いてあることを淡々と読むだけ

OK⇒未来(社員の未来像・組織の未来像・事業の未来像)について時間を割く
〇〇〇社長が笑顔でワクワク話す

 

5.経営計画発表会の準備とスケジュール

最後に、経営計画発表会の準備について解説します。
大まかな流れはこちらの図の通りとなります。


① 1年前
運営スタッフ=プロジェクトメンバーを決めます。
毎年同じメンバーというよりは2年交代くらいで色々な人に経験してもらうことで社員の成長にもつ
ながります。
同時に次回の会場を決めて予約します。会場によっては予約がすぐに埋まってしまう場合もあります
ので注意してください。
また、参加人数や懇親会を行う場合は懇親会の会場も含めた検討が必要です。
一般的にはホテル等がお勧めです。
② 6か月前
プロジェクトメンバーを中心に経営計画発表会の構成を考えます。
2部構成にする場合は1部の基調講演の講師の選定と依頼が必要となります。
選定のポイントは4章での解説の通りですが、人気の方は会場と同じく早めに予定を確保してくださ
い。また、予算の関係もありますので講演料の確認も忘れずに行います。
③ 3か月前
経営計画書の作成に入ります。
方針編は経営者・経営陣中心になりますが数字(諸表編)は全社員が関わりますのでスケジュールを
決めて取り組む必要があります。
また、プロジェクトメンバー以外に当日の運営スタッフ(係)も決めます。
例えば、受付、会場までの誘導、会場内の誘導などです。
④ 1.5か月~1か月前
経営計画書を完成させます。
また、お客様や関係者、招待する方への打ち出しも行います。
古田土会計グループの場合は非常に多くの方にお越しいただくため先着順で人数の制限を設けさせて
頂いていますが、参加者を限定して招待する形でも問題ありません。
⑤ 当日の運営準備・翌日
いよいよ本番です。
事前の打ち合わせ通りに進めば一番良いですが、不測の事態も考えられますので臨機応変に対応でき
るようプロジェクトリーダーやメンバーを中心に指揮命令系統をはっきりとさせておきます。
また、翌日には参加して下さった方々へのお礼状の発送なども忘れずに行います。

6.まとめ

以上、経営計画発表会について解説してきました。
経営計画書を作り、社員の前で発表することは、初めは緊張するかもしれません。
しかし、一歩踏み出し、継続していくことによって会社が少しずつ変わっていきます。是非皆様の会社でも実施してみてください。

経営計画発表会マニュアル