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バランスシート(B/S)のことをわかっていますか?有効性や正しい見方・使い方を紹介

バランスシート(B/S)のことをわかっていますか?有効性や正しい見方・使い方を紹介

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

「バランスシートは経営にとってどの程度重要なのか気になる」「バランスシートを有効活用することで、どのような利点があるのか知りたい」などとお考えの方は、ぜひこのコラムをお読みください。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、重要なポイントをかいつまんで解説していきます。

今回のテーマは、「バランスシートのことはわかっている?」です。

世の中の社長は驚くほどバランスシートの本質をわかっていません。バランスシートはどうやって見るのか。これを正しく説明、実践できるでしょうか。

貸借対照表(=バランスシート)は、当月の分だけ見ていても役に立ちません。当月のバランシシートは、決算書を作るための残高チェックに用いる道具に過ぎません。つまりは財務のための数字の出し方です。

バランスシートを管理会計、要するに経営のために役立てようとするならば、累計で見る必要があります。今回はこのような内容について解説します。

▽動画でも解説しています

バランスシートを用いた管理会計のコツ

損益計算書(P/L)は、当期に儲けた利益です。その損益計算書からキャッシュフロー計算書というのを作ります。キャッシュフロー計算書は、1期間に儲けた利益を表示するものです。

それでは、損益計算書やキャッシュフロー計算書を経営に役立てられるでしょうか。1期間の利益や資金の動きなどは、毎期、毎期変わります。大きく儲かる期間もあれば、全然利益が出ない期間もあるわけです。

そのため、ある程度大まかな視点で資金の流れを追うには、損益計算書やキャッシュフロー計算書ではいけません。儲けた利益がどこに消えたかを正確に知るには、バランスシートでなくてはならないのです。

こうした前提のもと、「バランスシートの見方がわかっていますか」というのが今回のテーマです。

バランスシートはどこをどうやって見るか、これが理解できているでしょうか。

バランスシートは累計で見るべき!

バランスシートを理解するためのコツは、1ヵ月で見るのではなく累計で見ること。これが肝心です。

また、バランシシートを見るときの重要な項目として、「自己資本比率」があります。この自己資本比率をわかっていない経営者があまりにも多いです。

私のセミナーで「皆さんの会社の自己資本比率は何%ですか」と聞いても、ほとんどの経営者が答えられません。バランスシートのサンプル資料を用意し、「自己資本比率はどこで見るのですか」と尋ねても、答えられるのは一部だけです。

どうしてこのようなことになるのか。おそらく経営者の多くは、損益計算書は見てもバランスシートはそれほど見ないのでしょう。また、経理担当や会計事務所が、バランスシートの説明をほとんどしていないのかもしれません。お金の流れ(キャッシュフロー)や会社の財務体質を改善するためのアドバイスを、ほぼ受けていないのだと思います。

自己資本比率がわからない方、貸借対照表が見られない方は、これを機会に勉強しましょう。まず覚えるべき大事なことは、「バランスシートは当月だけでなく、累計でも見ていく」です。

自己資本比率とは?

バランスシートは累計で見る。例えば、私の手元にあるこのバランスシートは、4月1日から翌年2月28日までの11ヵ月間を累計した資料です。その中には資産があり、負債があり、純資産があります。

また、この資料では自己資本が約40%です。この「自己資本を総資産で割ったものが、自己資本比率」になります。まずは自己資本と総資産を見て、「うちの会社の自己資本比率は何%なのか」、これを押さえましょう。

大手の倒産事例から見る「預金」の重要性

また、資金力の問題も重要なので、「自分の会社は一体どのくらいの預金があるか」もつかんでおいてください。具体的には「総資産に対する現預金の割合」を確認すべきです。手元の資料では、この割合が35.8%になっています。

自己資本比率は50%以上あれば、かなり良好な状態だといわれています。しかし、実際の状態は、預金も考慮に入れなければ正しく判定できません。

2020年5月、大手企業のレナウンが倒産しました。倒産する前、レナウンの自己資本比率は55%あったそうです。倒産する直前にはさすがに下がりましたが、それでも45%くらいはありました。

自己資本比率が50%を超えている会社なのに、なぜ倒産してしまったのか。総資産に対する純資産は十分にあったわけです。それなのになぜ倒産したか。

答えは「お金がなかったから」。つまりは「預金」の問題です。

レナウンの場合、55%もあった資産は、全て売上債権や棚卸資産に消えていました。自己資本比率は高かったものの、モノが売れず、すべて棚卸資産に化けていたのです。それでメインバンクの住友銀行が手を引いたという話を聞いています。

要はお金を持ってなかったわけです。総資産に対して10%くらいしかお金を持っていなかったといいます。借金をしてでも預金をもっと多く持っていれば、そう簡単には倒産しなかったでしょう。預金にもっと意識を配っていれば、対策はいろいろあったわけです。

自己資本・預金・借入金のバランスを見るためのバランスシート

お金がなければ会社は倒産します。そのため、経営者は総資産に対して預金がどのくらいあるか、常に見ておかなくてはなりません。

同時に、総資産に対する借入金がいくらあるか、総資産に対する自己資本がいくらあるかも確認し、それらのバランスを見る。これが貸借対照表の読み方における重要なポイントです。

バランスシートを累計で見れば、いくら今期借りて、いくら今期返していたのか、そのバランスがわかります。また、設備投資でいくら使ったといったことも確認できます。

在庫の変化、売上債権の変化、そして短期借入金やその他の流動資産といった勘定科目。固定資産、投資有価証券の変化、増減。こうしたことは累計で見るとわかりやすいのです。

バランスシートの意義は「儲けた利益がどこに消えたのかを知ること」

皆さん、ここで大事なことです。今まで儲けた利益が1期間の場合は、キャッシュフロー計算書で見ることができます。しかし、累計で儲けた利益については見られません。設立してから30期だとして、30年分のキャッシュフロー計算書を作るなんてことは、まず不可能です。

それでは儲けた利益の累計はどこで見るのでしょうか。答えは、バランスシートです。

中小企業は資本金が少ないので、儲けた利益がどこに消えたかをバランスシートで知ることが重要になります。それが経営の舵取りでとても大事なことなんです。

【事例】バランスシートをきちんと見ていないとどうなるか

儲けた利益が会社の資金としてきちんと残らない。そのような中小企業が実に多いです。

私が10年前くらいに経験した話をしましょう。お客さまからこんなことを頼まれました。「自分が社長になって20年経った。20年間の経営を古田土会計さんに評価してほしい」

私どもで出している「資金別貸借対照表」という図があります。これを使って、社長になった20年前と今を比較すれば、その差額と増減で20年間の経営がわかります。

それを調べてわかったこと。20年間で出た利益は相当なものだった。内部留保もあるし、自己資本も上がった。しかし、20年前と預金の残高が同じだったのです。

それでは資金はどこに消えたか。全部固定資産に消えてしまったのです。その固定資産を買ったのはバブルの時だったので、価値はほとんどなくなっていました。

「固定資産を時価に置き直し、評価額に反映させると、あなたが20年間で作った内部留保は全て消えます。これが20年の経営の結果です」。私はこのように説明しました。

バランスシートを使って儲けた利益がどこに消えたかを知る。これが経営者にとっていかに大事なことか、この事例を見るとよくわかります。

バランスシートの分析には「資金別貸借対照表」を!

バランスシートにおいて「儲けた利益」をどこで見るか。これは貸借対照表の純資産の部にある「純資産の合計から資本金を引いた金額」です。これは一般的には「利益剰余金」に該当します。

それでは、儲けた利益(利益剰余金)がどこにどう消えたか。これはバランスシートを見てもわかりません。そのため、みなさんバランスシートが読めない、対策が打てないとなってしまうのです。

私ども古田土会計では、「儲けた利益がどこに消えたか」をお客様に説明するために、「資金別貸借対照表」という商品を使っています。

図:資金別貸借対照表の見本

資金運用 資金調達
【損益資金の部】
前払費用 前受収益
長期前払費用 引当金
不渡手形 未払法人税等
利益準備金
その他の利益剰余金
前期繰越利益
小計 小計
差繰越損益等
売上原価 売上高
販売管理費 営業外収益
営業外費用 特別収益
特別損失
法人税等 (税引前当期利益)
仮払税金等 (当期利益)
【固定資金の部】
卸売資産 長期借入金
建物・構築物 役員借入金
機械装置等 社債・転換社債
土地 長期未払金
無形固定資産等 その他固定資産
投資等 長期負債調達額計
繰延資産 資本金
減価償却累計額 資本準備金等
資本金等計
【売上仕入資金の部】
受取手形 支払手形
売掛金 買掛金
前受金 前渡金
未成工事支出金 裏書手形
安定資金合計
【流動資金の部】
未収入金 短期借入金
有価証券 割引手形
前払金 短期調達資金額計
立替金 未払金
短期貸付金 預り金
その他流動資産 未払費用
仮受(未払)消費税
仮受金
その他流動負荷
超短期調達資金額計
合計
固定性預金
差引現金預金

資金別貸借対照表において、儲けた利益(主に利益剰余金)は、一番上の「損益資金の部」で表されます。これが「固定資金の部」に降りると、長期的な資産と長期的な負債のバランスでいくら吸い込まれたかがわかります。

また、その下の「売上仕入資金の部」では、売上仕入・売上債権・買掛債権・サイト負けでいくら吸い込まれたかを知ることが可能です。そのほか、どのような理由で資金が消えたのかは、「流動資金の部」を見れば確かめられます。

このように資金別貸借対照表では、儲けたお金がどこに消えたのかが内容別に説明できます。内容別にわかるから対策が打てる。これが資金別貸借対照表を使うメリットです。

例えば、「売上仕入資金の部」でサイト負けが大きい。つまり売上債権が大きい一方で、仕入債務が少ない。だからお金が吸い込まれて資金がなくなる。それならサイトの勝ち負けを改善すれば良い。このように具体的な対策を考えることが可能です。

ほかには、「固定資金の部」で長期借入金が多く、毎月の返済額が大きいからお金が回らなくなっている。長期借入金が多いのは固定資産の返済があるから。それなら固定資産を別会社に売るとか、不要なものを手放してもっと身軽にできないか。このような対策も打てます。対策が打てるのは、原因別に分析できるからです。

キャッシュフロー計算書についても同様で、「営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・財務キャッシュフロー」に分けています。なぜ分けるかというと、分けることで原因別に対策が打てるからです。有効な対策が見つけられるからこそ、キャッシュフロー計算書は毎月必要とされます。

まとめ:「資金別貸借対照表」で儲けた利益を消さない対策を!

バランスシートを使って経営を改善したい方は、ぜひ古田土会計の「資金別貸借対照表」をご活用ください。

普通のバランスシートを見ていたのでは、儲けた利益がどこに消えたのかがわかりません。一方、資金別貸借対照表では、バランスシートを内容別に見られるのでそれがわかります。

よって、はっきり対策を打つことが可能です。また、資金別貸借対照表を使って対策を考える習慣をつけると、だんだん普通のバランスシートも読めるようになります。

これを機に、ぜひ資金別貸借対照表を使って自分の会社を分析してみましょう。

また、よりBSに対する理解を深めたい方は、こちらの資料も参考にして頂ければと思います。

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