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会社が倒産する本当の理由とは

ちょっと古いのですが国税庁のデータ（2005年）で日本の全法人（約255万社）のうち設立5年で約85％（217万社）の企業が消滅、10年以上存続6.3％、20年以上存続0.3％というのがあります。

古田土会計のお客様2,200社のうち、毎年倒産・廃業するのは10～12件位なのでこの数字は信じられませんが、現実なのでしょう。

倒産する原因は何でしょうか。

経営コンサルタントの本や失敗した経営者の本には放漫経営、公私混同、設備投資の失敗、社長の甘さなど様々な理由が書いてありますが、これらのことは本当の理由ではなく、倒産するほんの1部です、本質ではありません。

倒産する本当の理由は、商品、製品、サービスが売れなくなったからです。

商品等が売れて、粗利益が確保でき、売掛金が回収できれば、社長がいくら遊んでいようが会社は潰れません。
実は、会社の商品、製品、サービスが売れなくなるのはあたりまえなのです。

商売を始めて最初はうまく行きました。
一番うまく行った理由は、その地域にライバルがいなかったからです。
やがて儲かると知れるとどんどんライバルが出現して競争になり売上と粗利益は落ちてきます。
この道理は、全ての産業に当てはまると思います。
つまり、全ての会社は、昔と同じ商品等を同じように製造、販売していたのでは潰れるのがあたりまえです。

会社を存続させるために社長が行うべきこと

会社を潰さないようにするためには、時代や環境の変化に対応して、自社の商品・サービス、ビジネスモデルを変化させることですが、この仕事は社長の仕事です。

会社が倒産する一番の責任は社長が社長の仕事をしなかったからです。

社員に一切責任はありません。
社長に一番大事な能力は、創造性、知恵、そして人格だと思います。

経営計画書の個別方針の一番は「商品に関する方針」になっていて、「社長が書く」となっているのは商品が会社の未来の業績を決めるからです。

事業計画の事業とは、商品のことを言いますから、経営計画で大事なのは中期事業計画の事業になります。

よくP（計画）D（実行）C（チェック）A（行動）サイクルが大事だと言われますが、この4つは平等ではありません。
このことは、経営では、人・物・金・情報が大事だと言うのと同じで、この4つはあたりまえのことで、この4つがないとそもそも経営ができません。
戦争で武器、燃料、食料がなければ戦えないのと同じです。

PCDAサイクルは短期の販売です。短期的な戦術です。
もしP（計画）に戦略がなかったらいくら社員教育をして営業力を磨いても、環境整備をしても一時的に売上が上がっても長く続きません。
戦略の誤りが戦術ではカバーできないことは歴史が証明しています。

数字に弱い経営者が会社を潰す

会社が潰れるもう1つの原因が財務体質の悪さです。
中小企業は借金が多すぎます。

会社は支払手形がなければ、借金はリ・スケジュールが出来るから、借金は出来るだけするという考えの人もいますが、そのような考え方ではいつまでたっても潰れないためのギリギリの綱渡り経営です。

毎月月次決算をやり、利益計画と販売計画と実績をチェックし、貸借対照表を読めれば、過大な借入金がなくなり、無駄な利息は払わなくてもよくなります。

中小企業で余分に借入金1億あれば2％として年200万円です。
20人の会社なら、一人10万円賞与が増やせます。

経営者は数字に強くなければ会社を潰すことにもなります。
どうか毎月古田土式月次決算書でお金の残し方を毎月勉強して経営に役立ててほしいと願っています。

人を大切にする経営

会社経営でもう1つ大事なのは、使命感（志）や経営理念の共有です。

私は社員だけでなく、仕入先、お客様、地域社会等会社にかかわる全ての人々を幸せにする経営をしたいと思っています。

私達の経営理念とお客様の経営理念が一致していると仕事が楽しくなります。
お客様というより、人を大切にする経営をする同志です。

4月29日の（株）関根エンタープライズ様の経営計画発表会の関根社長の発表を聞いてここの社員は幸せだと感じました。
もし許されるなら関根様の経営計画書は感動するすばらしいものです。
多くの人に参考にしてもらいたいと思っています。

古田圡　満