「形」から入って「心」に至る
心をつくる手段としての形
私達古田土会計は、環境整備に関する方針に
「形より入って心に至る。形が出来るようになれば、あとは自然と心がついてくる。」
と書きました。
目的は心をつくることです。
その手段として形から入るわけです。
形のみで心がついていかなければ形を方針として実行する意味がありません。
では形を何年位実行すれば心がついてくるかと言えば最低3年位徹底して実行することは必要です。
徹底するコツは今回は書きません。
大事なことは、徹底しながら創意工夫することだと思っています。
何年マネして徹底しても全社員の創意工夫、知恵がなかったら効果は出ません。
効果がないということは業績が上がらないと考えたほうが経営者には気づきになると思います。
室町時代に世阿弥が「風姿花伝」という本の中で「守」・「破」・「離」という言葉で物事を学ぶ時の基本姿勢として3つの段階を経て、その道を究めると言っています。
第一段階の「守」とは、師の教えをそのまま忠実に守ることです。
すべて師の教え通りにやる。
第二段階の「破」とは、師の教えをすべて自分のものにした上で、自分の新しい工夫と努力を加えて、師の教えから少しずつ脱皮し、成長していく段階。
第三段階の「離」とは、自分の工夫と努力によって、師の教えから脱皮し、自ら一つの境地を築き上げる段階です。
形より入るのは「守」の段階です。
しかし、「守」で止まっていては人も会社も一時的にはよくなっても、長期的には成長できません。
創意工夫するのが「破」の段階です。
人はマネをする意味を知り工夫して心がついてきます。
形に創意工夫がこめられている実例 高輪ヂーゼル(株)様
3月11日に高輪ヂーゼル(株)様の第67期経営計画発表会がありました。
古田土会計も含めて私が出席した発表会で一番全社員が一体となった楽しく、感動的な発表会でした。
来賓として出席した中小企業家同友会太田支部の経営者の方々もびっくりしたり、感激していました。
具体的には、社員の聞く姿勢がよい。
メモを取っている人が多いのがすばらしい。
人の話はメモを取らなければすぐに忘れる、メモを取ることは、一生懸命聞く姿勢の現われです。
心が入っていないとただ聞くだけです。
社員、来賓のメモを取る姿勢を見れば形だけなのか、心が入っているのかわかります。
私が最も感動したのは、発表会の後の表彰式とパフォーマンスです。
表彰式では、表彰された方々に対して、多くの社員が笑顔で声に出して祝福しています。
とてもあったかい感じがしました。
パフォーマンスは毎年見ていても楽しく、各チームごとに考えた工夫がなされます。
今年は朝礼を題材にして、タカナワ体操を始め、全社員が楽しそうに演じていました。
一度見学されてはいかがでしょうか。会費は1万円です。
これからの経営は、形よりも心に重心を
「形より入って心に至る」ということで古田土会計で意識しているのは、給料、賞与を現金で支給していることです。
うちが現金で支給しているのは、社員に働いてもらっていることに感謝しているので、感謝の言葉を給与、賞与を渡すときに「1か月働いてくれてありがとうございます」と言って渡します。
私が社員一人一人の机のところへ行って頭を下げて渡します。
現金で渡したほうが心がこもるからです。
社長のところへ社員を並べて現金支給しても社員は喜ばないのではないかと思っているからです。
社長が心を込めて、社員を大切にしながら、形を実践していかないと儲けるためだけの形になり、社員には、伝わらないのではないでしょうか。
これからの経営は形よりも心を重心に置くべきです。
そのために社長、社員が共に創意工夫、知恵を出すことではないでしょうか。
その源は、自利ではなく、利他の心です。
どうしたら、自分の周りの人に喜んでいただけるかを考え、実行しているかだと思っています。
よい会社になるための目安は「日本で一番大切にしたい会社大賞」の審査基準にあります。
古田圡 満