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kitanaiji 汚い字シリーズ

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できすぎる社員

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松下幸之助さんの「真々庵」で起こった出来事

 

松下幸之助さんが「真々庵」という保養所を建てたときの話です。

その庭にとても立派な松の木があったそうです。
幸之助さんはその松を切ってくれと庭師に言ったそうです。

庭師はこの松の木があるからこの庭全体が映えるのだと反対したそうです。
それでも幸之助さんがしつこく言うものだから庭師はしかたなく切ったそうです。

そしたらなんと回りにあるそれまで目立たなかった松の木たちが光り輝きだしたそうです。

 

できすぎる社員が会社に与える影響

 

この話は中小企業経営者にとても参考になる話ではないでしょうか。

会社でも「あの人がいなくなったら会社がつぶれる」と言われるくらいのやり手社員が辞めると、それまで目立たなかった平凡な社員たちが急に光りだすケースがよくあります。

経営者は、やり手の営業マン、技術者、美容師、店長、資格者等がいて、稼ぎ頭であると、どうしてもその人間を特別扱いにして、高給を与え、出世させ、重用します。
辞められると会社の業績が大きく落ち込むと思うからです。
でもこういうできすぎる社員が長く会社にとどまって会社のために貢献してくれているというケースを私はあまり知りません。
大部分の人は独立するか、他の会社に移っていきます。
残ってくれているケースは、トップと経営の価値観が同じ場合のみではないでしょうか。

ですから、NO.2は育てるものではなく、出会うものであると私は思っています。

中小企業にとびっきり優秀な社員はめったに来ません。
来ると今の社員より企画力、営業力、行動力、リーダーシップが優れているため社長が重用し、その者の意見をよく聞くようになります。
他の真白目にコツコツやってくれている社員の意見を聞かなくなります。
できすぎる社員と他の社員との間はうまくいかなくなっていきます。
仲間をつくろうとしますから、社内の雰囲気は悪くなります。
会社の業績(利益)は悪くなります。
人間関係で退職者も多くなり不安でたまらなくなります。

 

目の前の損得より、価値観を同じくする社員を大事にすること

 

これは私の体験した古田土会計のことです。
そのできすぎる社員が辞めると言ってきました。
辞められると困るので退職日を延ばしてもらいましたが、その間は会社の社風は最悪でした。
経常利益も30百万円下落しました。

しかし、できすぎる社員が辞めてから古田土会計は変わりました。
吉田専務を中心にしてリーダー・サブリーダーが光りだし、特に鈴木部長が成長し、チームワークがよくなり、チーム力で成果が出はじめました。

まず会社が明るく元気になり、各社員が自分から朝礼、異業種交流会等のやり方を工夫し改善していきました。
今は週に2社位、私達の掃除や朝礼を見学に来られるようになりました。

何より変わったのは社員の表情と成果です。
翌年には逆に30百万円。翌々年にはさらに45百万円も経常利益がアップしました。
それまでは特定の人だけが多かった新規開拓が全社員で取り組むようになり、前年比1.5倍181件というこの業界では信じられない成果を出しました。

私が学んだことは、オレがオレがのできすぎる社員より、価値観を同じくするチームワークを大事にする社員を大事にしなさいという事です。

人は目の前の損得で判断しがちですが、松下幸之助の「真々庵」の話を思い出して下さい。
会社にとって、社長にとって誰を大事にすべきか教えてくれます。

(追記)経営者の方々は事業承継の話はめったにないことなので、セミナー等でコンサルタントの話を聞いて、多額の報酬をとられているケースがあります。古田土会計でも多くの事例をもっと安く、誠実にやってきました。相談して下さい。

 

古田圡 満