会社の常識は世間の非常識
会計事務所業界で仕事が出来て運がよかったと思う理由
新年あけましておめでとうございます。
今年も「きたない字シリーズ」におつきあい下さい。
私は会計事務所を開業して今年で28年目になります。
会計事務所業界で仕事が出来て本当に運がよかったと心から感謝しています。
不器用で体力もなく人づきあいも苦手な私でも今年の4月には130名を超える社員と一緒に仕事ができる幸せを感じています。
何故会計事務所業界で運がよかったかというと、この業界では、お客様のことを顧問先とかクライアントと呼び、自分のほうがお客様より偉いと思っている人がいたり、月々の顧問料を税務相談料とか申告書作成のための税法のチェック料と考えている人が多かったからです。
「古田土流の経営」は「変わった経営」?
私はお金を頂くのですから顧問先ではなく、お客様と呼びお客様がありがたい存在なんだと教育しました。
また、月次顧問料にどれだけの価値があるのか考えました。
税金と会計のチェックでこんなにもらっていいのだろうかと考え、お客様にも喜んでもらいたいという思いで、月次決算書を申告のための資料ではなく、会計が経営の役に立つようにと工夫し改善しました。
うちの全社員で月次決算書による未来会計図、キャッシュフロー計算書、資金別B/Sでお金の儲け方とお金の残し方の説明を毎月しています。
その他にも来客して頂いたお客様には全員立って、笑顔の挨拶、全社員による駅前清掃、社外のトイレ清掃、元気な朝礼、明るい社員等。
同業者の集りで講演するとき、「変わった経営」とか「古田土流の経営で成長している」と紹介されます。
私の経営手法は変わってもいなければ独自のものでもありません。あたりまえのやり方です。
本来あるべき姿ではないかと思っています。
同業者がおかしいのではないでしょうか。
お客様のことをお客様と呼び、仕事はお客様に喜ばれ、感謝されるために努力し、工夫する。
会社は儲かり、お金を残さなければ税金も払えない。
挨拶は相手と目線を合わせる。そのためには立たなければならない。
笑顔は相手を元気にする。
掃除は自分の会社だけではなく、できるだけ広い範囲をすれば世の中が少しでもきれいになる。
会計事務所は一般的に暗いというイメージなのでとびっきり明るくする。
技術よりも考え方で採用する。
このように同業者の常識と反対のことをやってきたら会社は営業をしなくても多くのお客様のお陰で27年連続増収です。
世間で言われていることは本当なのか疑ってみる
私は業界の常識は疑ってみることをお勧めします。
私は12年前に今の事務所借りるときに交渉したのは、保証金と更新料なしです。
「出ていかないのに何故更新料を払うのか、ふみ倒さないのに保証金は必要なのか」と話し、両方ともゼロです。
今は380坪借りています。
また、世間で言われていることは本当なのか疑ってみることも大事なのではないでしょうか。
お客様第一主義と言われているけど、社員と家族を一番大切にする経営はできないだろうか。
定年は何歳がよいのか。
定年のない会社はつくれないのか。
生産性だの能率が重要だと言われるが本当だろうか。
能率よりお客様に喜ばれることのほうが大切ではないだろうか。
立って挨拶したり、毎日朝礼をしたり、清掃するのは能率が悪いのだろうか。
国旗、国歌の教育、愛社精神、愛国心を持つことは仕事とは関係ないというけど、本当にそうなのだろうか。
成果主義は本当に社員を幸せにするのか。
年功序列、終身雇用のほうが人は幸せなのではないのか。
等々考えればきりがありません。
中小企業の経営は大変厳しいのですが、目の前のことでやれることでやっていないことはいっぱいあるのではないでしょうか。
よくお客様の立場でと言っているが、本当にお客様の立場でものを見て考えているのでしょうか。
コツコツと小さな微差を追求していくとやがて大差となり、同業者が真似できないレベルになると一人勝ちできます。
市場にはお客様と競争相手しかいません。
「同業者の常識は他の業界の非常識」
やれることはいっぱいあると考え、社員に夢と希望を与える最高の年にしようではありませんか。
古田圡 満