「心」より入って「形」に現われる
よい社風をつくるために、形をつくる
私達の経営計画書の「環境整備に関する方針」では、基本は
(1)「形」より入って「心」に至る。「形」が出来るようになれば、あとは自然と「心」がついてくる。
(2) 毎日やる。あきずにやる。全員で努力してやる。忍耐こそ創造性の源である。
(3) 良い習慣をつくる。
(4) 掃除に学ぶ。⇒よい社風をつくる。
私達はよい社風をつくるために、形をつくりました。
具体的には、挨拶に定義をし、チェックしています。
会社の受付の隣に私の机を置き、全従業員は、会社に入ったら、鏡の前で笑顔をつくる訓練をして、入口の所定の場所の足型に足をのせ、そこに立って会社に対して挨拶します。
掃除も同じようにまず形をつくり、掃除の意味を話し、心が高まるための修行をしているわけです。
これを長年、実行して来たので社風もよくなり、お客様からほめて頂くこともあります。
「守・破・離」(方針を実行するための基本姿勢)の守の段階です。
心の教育もしないと人が育たない
でもこの頃気づいたのは、形ができるようになっても、形ばかりで心がこもっていないということです。
挨拶の姿勢、掃除の姿、その他、形が美しくないのです。
躾という字は、身が美しくと書きます。
心が入っている人の挨拶は美しいのです。お辞儀する形が美しいのです。
ハイという返事にも心がこもっています。
掃除している姿も美しく、スピードがあります。
やらされていると感じる人の掃除の姿は、動作が遅く、見ていても美しくないのです。
形だけでなく、心の教育もしないと人が育たないと強く思いました。
心をこめた行動の出来る人間を1人でも多くつくる
先日ある経済雑誌を読んだら、ホンダクリオ新神奈川の相澤社長の記事が載っていました。
ホンダクリオさんでは、社員の提案により自動ドアを手動に変えているそうです。
何故でしょうか。
何故面倒なほうへお金をかけて変えるのでしょうか。
社員がもっとお客様に心のこもったサービスをしたいからだそうです。
社員が自分の頭で考えて、お客様へのサービスを創造しているわけです。
形だけでは、マニュアルに近いので臨機応変な、お客様に感謝して頂けるサービスは生まれにくいのですが、心からサービスの質をあげたいと思っている人は、サービスに創意工夫するし、サービスをする時のスピードが違います。
その人の行動は美しいのです。
感動すら覚えます。
これを実践している会社は、リッツカールトンホテルやディズニーランドのサービスに見ることが出来ます。
私達の目指すところは、人間性を高め、心からお客様に喜ばれたい、お役に立ちたい、社員、会社、国家、社会にお役に立ちたいと思い、行動の出来る人間を1人でも多くつくることではないでしょうか。
古田圡 満