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kitanaiji 汚い字シリーズ

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会社は誰のものか

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商法上、会社は株主のもの

 

会社は誰のものか。

商法では、50%を超える株式を所有している者が実質的に会社を所有します。
50%を超える株式を所有していると株主総会で自分の意図する取締役を選任できるために、自分が代表となり、取締役会も実質的に支配できるためです。

このように考えると会社は株主のものです。特に上場している会社は、このことがはっきりとしています。

日産のゴーン社長は、大幅なリストラと仕入先に対して、仕入値を一律20%~25%位カットした話は記憶にあると思います。
日産にかぎらず上場会社は、リストラと仕入先いじめで業績がよくなると市場から評価され、株価が上昇するようです。

会社は完全に株主のものであり、社員も、仕入先も、得意先も経済性のみが優先されています。
そこでは、人間性とか、社会性は、経済性の下です。

 

中小企業は、誰を向いて経営をしているか

 

では、我々中小企業は、誰のものでしょうか。

会社は貸借対照表の資本の部にある自己資本の額が大きくなればなるほど株主の1株当たり価値は高くなります。

しかし、この株は売却できない株です。
このことは中小企業経営者なら誰でも知っていることです。
市場から資本を調達できないために、株主のことを考える必要がありません。

経営者は株主ではなく、社員、得意先、仕入先に目を向けて経営をしています。

中小企業の経営は、「経営者の夢や志、経営理念によって、社員を含めた利害関係者の人生が左右されます。」
そこでは、経済性より、人間性、社会性が大事にされることもあります。
イエローハットの鍵山相談役が目指している世界は、人間性、社会性が経済性より大事にされています。

 

中小企業における増資や配当金

 

我々中小企業は、市場から資金調達が出来ないために、銀行等の金融機関から資金調達をしています。
しかし、預金利息とは比較にならないほどの金利がとられています。

金利がないのは増資です。
増資をするためには、経営者が役員報酬をしっかりとれる会社でなければなりません。
経営者の報酬の中には増資のお金も含まれていることを全社員は理解しなければなりません。

上場会社は、会社が株主のためにあるので、配当をしなければなりません。
会社に利益が蓄積されないわけです。
会社からみたコストで、配当は税引後から支払われるので高いコストになります。

中小企業は配当をしなくて、役員報酬でとるので、経費になるから、低いコストになります。
役員報酬の中には配当金も含まれています。

 

会社とはとういう場所であるか

 

古田土会計では、資金別貸借対照表を毎月提供しています。

損益資金の部の資金残高は、経営者と社員が稼いだ資金が表示されています。
株主の出資した資金は、銀行借入金と同じ、固定資金の調達です。
損益資金は、利益を出すと増えますが、固定資産の売却等で損を出すと減ります。
不渡手形、不良債権も損益資金のマイナスです。

会社は、経営者と社員の夢と希望を実現する場所です。

損益資金を増やして、現預金を増やす。
成長するより、つぶれない会社にする。

経営者と社員が価値観を共有し、一体となって自分達の会社はすばらしいと家族と関係者に誇れる会社にしましょう。

 

古田圡 満