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中小企業にとって一番大事な利益とは?

中小企業にとって一番大事な利益とは?

「一番大事な利益って何?」
「売上高が一番大事なんじゃないの?」
「安心安全な会社経営ってどんな状態のこと?」 などなど

利益が大事だということは分かっていても、具体的にどの数字を重要視すれば良いか分かっている方は非常に少ないです。

そんな企業の皆様が頭を抱えている悩みに、書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』からポイントをかいつまんで、しっかりお答えしてきます。

「一番大事な利益はどの利益?」と悩んでいる方は必見です!

▽動画でも解説しています

中小企業の経営者が重視すべき利益とは?

多くの経営者は「売上」について気にしていることが多いのですが、やはり経営で一番大切なものは「利益」です。「利益」とは、会社で働く「社員とその家族を守るためのコスト」であり、「会社を守るための事業存続費」であると言えます。

「利益」無くして会社の成長や存続はあり得ないということは言うまでもありません。
立場によって見る利益のポイントが異なるため、何を重視するかによって経営戦略こそ変わってきますが、そんな「利益」の項目は大きく5つの種類があります。

<利益の種類>
売上総利益
営業利益
経常利益
税引前利益
税引後利益

どれも重要な指標であるため、財務の知識がなければ、一体どの利益に注目しなければならないのかと迷う経営者も少なくありません。
では、中小企業の経営者として一番大事にしなければいけない利益とは何なのでしょうか?

銀行視点で見ると優良企業としての重要な指標である「営業利益」となりますし、自社の本質的な収益力を図る「経常利益」は中小企業にとっては極めて重要な指標となっており、さらに会社の安定性を見るには「税引後利益」と言えるでしょう。

基本的にどの利益も当然重要なものですが、まずは見る立場と考え方によって重視すべき「利益」が違うということを認識する必要があります。

銀行が見るのは「営業利益」

銀行は資金を融資することを生業としている立場であるため、その企業にしっかり利息を払える能力があるとかという点を重視しています。厳密に言うと、営業利益と受取利息の合計が支払い利息の何倍になるのかを示す「インタレスト・カバレッジ・レシオ」という比率を見ます。

インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息)÷(支払利息)

「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は会社の借入金の利息の支払い能力を測るための財務指標ですので、当然その会社の「信用力」とも言えるものになっています。したがって、その倍率が高いほど信頼性が高く優秀という見方ができます。

つまり、営業利益が多いほど、インタレスト・カバレッジ・レシオは大きくなります。当然、銀行から利息の支払いが良好と判断され、返済能力が十分にあるという格付けをもらえるため、会社を運営する資金調達が有利になるという仕組みになっています。

上記のことから、銀行との付き合いを重視する企業は「営業利益」を良くする決算書の作成が必要になります。その点を経営者や財務担当者がしっかりと理解していなければ、優良企業としての経営はできません。

収益力を見るなら「経常利益」

中小企業視点で見ると、やはり会社が事業全体から得た損益を示す「経常利益」を重視するというのが王道の考え方になっています。経常利益とは、営業利益から本業以外の営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益のことを指すため、その企業の「収益力」を把握する指標でもあります。

ほとんどの中小企業は借入金があり、支払利息が営業外費用の大半を占めていることが多いため、営業利益だけを見ていると会社の経営成績を見誤ることもあります。だからこそ経常利益を重視し、その企業の総合的な収益力を評価すべきなのです。

収益力を見るならば、やはり「経常利益」を重視すべきでしょう。
そして「増益率」は経常利益の成長率を示す指標になりますので、一度自分の会社の増益率を確認してみてください。

逆に、利益ではなく損失となった場合は経常損失と言います。

財務体質を良くするための「税引後利益」

利益の原理・原則は「社員と家族を守るためのコスト」であり、「会社を守るための事業存続費」ですので、適切な節税は積極的に進めつつも、「税引後利益」を増やして内部留保を厚くする必要があります。

最終的には「自己資本(純資産)」として会社の安定と成長を考えるための指標でなくてはなりません。自己資本比率が高まるということは、会社の財務体質は良くなっていき、経営の安全性につながります。

中にはM&Aでたくさんの会社を買収して、海外の子会社へ利益を流すことによって法人税の支払いを避けるような会社も存在しますが、現在は法人税が約30%と非常に安いので、しっかり利益を出して税金を支払って内部留保することが健全であると言えます。

逆に、節税を過剰に意識しすぎることによって「税引前利益」を少なくしようとすると、当然「税引後利益」も少なくなってしまいます。その結果、自己資本がいつまで経っても積み上がらず、会社の財務体質は弱いままになってしまいます。

まとめ

これらのことから、利益は長期的な物差しで捉え、立場や見方によって重要度も目標も異なるということをお分りいただけましたでしょうか。

<ポイントまとめ>
・利益にはそれぞれ違った見方がある
・銀行は「営業利益」を見る
・収益力は「経常利益」で見る
・財務体質を良くするためには「税引後利益」を見る

利益が出た時にはコツコツと内部留保をし、借入金の返済に充てていくなどして、徐々に財務体質を改善していくことをおすすめします。

「利益」とは、会社で働く「社員とその家族を守るためのコスト」であり、「会社を守るための事業存続費」です。強い会社を作るためには、社長自身が数字に強くなり、正しい判断ができるようにする必要があります。

その足がかりとなる資料もご用意いたしましたので、ぜひご活用いただけますと幸いです。

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