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【お客様インタビュー】人を大切にする心をもち地域社会へのサポートにも尽力する企業(スズキ機工株式会社 7/10)

【お客様インタビュー】人を大切にする心をもち地域社会へのサポートにも尽力する企業(スズキ機工株式会社 7/10)

本連載は、社員数わずか17名ながらも年商5億円の成長企業へと転じた、スズキ機工株式会社の成功の秘訣をうかがうべく、同社代表取締役社長でいらっしゃいます鈴木 豊 社長へのインタビューを書き起こしたものです。

全10回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

◇前回までの記事はこちら
【お客様インタビュー】売上ゼロから年商5億円に成長した社員17名の会社の転機とは(スズキ機工株式会社 1/10)

【お客様インタビュー】『ランチェスターの法則』を取り入れた戦略で新事業を展開(スズキ機工株式会社 2/10)

【お客様インタビュー】事業転換、社長就任、しかし会社は赤字続きの自転車操業だった…(スズキ機工株式会社 3/10)

【お客様インタビュー】明文化した戦略と労働環境改善により会社が大きく前進(スズキ機工株式会社 4/10)

【お客様インタビュー】社員全員でつくる環境や経営計画が会社の当たり前を変える(スズキ機工株式会社 5/10)

【お客様インタビュー】習慣の継続と社員を守る体制が社員と会社の成長につながる(スズキ機工株式会社 6/10)

【出演者】
インタビュイー:
スズキ機工株式会社
代表取締役社長
鈴木 豊 氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

会社を支える「人」を大切にして社員が自ら挑戦できる組織を目指す

飯島 「会社は社員第一主義、社員はお客様第一主義」という言葉が腑に落ちたということは、鈴木さんにも同じ思いがあったということですよね。

鈴木 そうですね。また過去に参加した古田土会計のセミナーで、古田土先生が力説されていた「会社が社員を大切にすれば、社員もそれに応えようという気持ちが起こる。そのサイクルをつくらなくてはだめだ」という言葉。これを聞いたときも、本当にその通りだなと思いました。

飯島 社員たちに対して「これは私のためでもあるけれど、あなたのためでもあるんだよ」という思いをあらわすことが、大切だということなんですね。

鈴木 私たちの企業としての最終的なミッションは、社員たちが自ら取り組んで挑戦できる文化・風土をもつ組織をつくりあげることだと思っています。それを実現するためには、経営を支え、実行する「人」が大切にされる組織でなくては、社員たちだって頑張れません。ですから、「会社は社員第一主義」ということを、経営計画書の1行目に書いているんです。

数字面もすべてガラス張り共有

飯島 こう言ってはなんですが、「社員第一主義」を口で言うだけなら簡単じゃないですか。けれどもスズキ機工では、それをいろいろなかたちで行動におこされています。たとえば、上がった収益に対する社員への分配はどのようになっているか、またその数字もすべて社員に公開されているんですよね。

鈴木 はい。もちろん経営計画書では年次決算を公開していますが、正直経営者レベルでも、1年間の運営の詳細など思い出せないものです。しかし月次なら思い起こすのは難しくありません。ですから当社では古田土会計に依頼して、月次決算書も作成しています。もちろん結構分厚いものなので、そのまま社員にわたしたところで意味がわからないでしょう。私たちは売上や仕入れ、粗利、販管費といった主要な数字を読み上げたものを、社員たちが自身で経営計画書に書き込むというかたちで共有しています。

経営計画書には、売上や収益などの収穫を給料・賞与にどのように反映しているかという方針についても明文化しています。さきほど飯島さんもおっしゃったことですが、「社員を大切にする」という姿勢や思いは、やはりきちんと文字にして示すべきなんですよ。そしてもうひとつ大切なのが、それを具体的な数字として出すことです。経営計画書には思いと数字、その両方を落とし込まなければ、仏つくって魂入れずのかたちだけのものになってしまうと思うんです。

地域社会への貢献活動として取り組む生活介護事業所との相互支援

飯島 ほかにも私が鈴木さんに共感しているのが、みんなで会社や社会をよくしようという活動をされていることです。「やれ」とか「仕事ができない者はだめ」というのではなく、「一緒にやろうよ」「みんなでよくなろう」というスタンス。それが特にあらわれているのが、スズキ機工の取り組みのひとつにある、障がい者施設との相互支援だと思います。こういった活動やその思いについてもお聞かせいただけますか。

鈴木 当社の経営計画書には、地域社会への貢献に関する方針も明文化しています。私が社員に対してよく言っているのは「事業運営ができて、つくった商品でお客様からお金をいただけて、給料がもらえて、生活ができる。これは決して当たり前のことではないんだよ」ということです。日本という国は世界的に見ても治安が安定していますが、それだって当たり前かといえば、そうではありません。先人たちが築いてきた地域社会や文化、教育、環境などがあってこそ、私たちは安心して事業運営ができているのです。ですから私たちも中小企業ながら、自分たちが事業運営を続けられる環境を守る義務を背負っているのだと経営計画書でうたっています。

飯島 もともと社会のために貢献しようという思いが基本にあったんですね。

鈴木 社会福祉法人「まつど育成会」との共同企画である「お仕事シ-ルプロジェクト」は、2015年よりおこなっている活動です。きっかけは、当社が旧工場を賃貸物件として募集したところ、同育成会の運営する生活介護事業所「あゆーる」から作業所として使用したいとオファーがあったことです。話を聞くと、現状の作業所が手狭で移転先を探しているが、マンションなどでは近隣住民と問題が起きては困るからと断られ、たらい回しにあっているとのことでした。そういうことであれば、当社の旧工場は工業団地内にあって、周辺企業とも付き合いが長いので利害関係も調整できる、と。この賃貸契約を機に、当社と同事業所とのつながりが始まります。

旧工場に入った作業者たちは、1日中ごく簡単な内職仕事をしていました。あるとき職員に、彼らの月の作業工賃を聞いてみたところ、1人平均2、3千円という答えが返ってきたんです。1日ではなく、1か月でですよ?複数の工程をこなしてひとつのものを完成させて、作業単価はやっと1円。これでは彼らの経済的な自立は望めないと思いました。そこで、自社業務にあった、「ベルハンマー」の商品にバーコードやシールを貼る仕事を、彼らに依頼しようと考えたんです。もちろんうちでは1円などではなくもっと支払いたい。しかしそのためには、企業として意味や価値をつくる必要がある。そこで思いついたのがお仕事シールだったんです。

まずはデザイナーに依頼して、あゆーるで働く人たちをイメージした「マツボックリ君3兄弟」というシールを作成。そして「内職などの仕事を受けた際に、企業が希望すればこのシールを貼って納品する」というスキームをつくりました。こうすることによって、企業は消費者に対して正々堂々と「私たちの商品は彼らの手を経て市場に出ています。応援してください」と言える。また企業にとっては自社の商品やブランド価値を上げる機会にもなり、またそれが彼らの作業単価に還元されてゆく。そして消費者は、寄付や募金とは違う、商品を購入するというかたちで作業者たちの独立を支援できる。こうしたつながりから、よいかたちでどんどん輪が広がっている活動です。

地域へのサポートは会社としての恩返し

鈴木 スズキ機工にとって「お仕事シールプロジェクト」は、事業運営をさせていただいているこの地域社会に対してできる、一番の貢献のかたちです。地域貢献への直接行動として、作業者たちの経済的自立を、企業の成長とともに支えることをビジョンに挑んでいます。間接行動としておこなっていることは、地域の組合などとの交流による貢献活動ですね。商工会議所や工業会、経済団体などには、参加しなくても事業運営はできます。けれども地域貢献の観点で、地元の祭りの運営や、学校や警察、消防などと連携しておこなう活動などには、できる限り協力しようというのが当社の方針です。

生活介護事業所に対する直接的な支援、そして地域団体への協力・サポートといった間接的な支援も惜しまない。そう経営計画書にうたい、企業として地域社会に貢献することを具現化していこうと日々取り組んでいます。

飯島 経営計画書に書かれたことを着実に実行し、地域社会への貢献も率先しておこなわれている。その領域までたどりつかれた情熱が素晴らしいですね。

第8回に続く]

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