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【お客様インタビュー】新商品・サービスに挑むかは3つのフィルターで判断(スズキ機工株式会社 8/10)

【お客様インタビュー】新商品・サービスに挑むかは3つのフィルターで判断(スズキ機工株式会社 8/10)

本連載は、社員数わずか17名ながらも年商5億円の成長企業へと転じた、スズキ機工株式会社の成功の秘訣をうかがうべく、同社代表取締役社長でいらっしゃいます鈴木 豊 社長へのインタビューを書き起こしたものです。

全10回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

◇前回までの記事はこちら
【お客様インタビュー】売上ゼロから年商5億円に成長した社員17名の会社の転機とは(スズキ機工株式会社 1/10)

【お客様インタビュー】『ランチェスターの法則』を取り入れた戦略で新事業を展開(スズキ機工株式会社 2/10)

【お客様インタビュー】事業転換、社長就任、しかし会社は赤字続きの自転車操業だった…(スズキ機工株式会社 3/10)

【お客様インタビュー】明文化した戦略と労働環境改善により会社が大きく前進(スズキ機工株式会社 4/10)

【お客様インタビュー】社員全員でつくる環境や経営計画が会社の当たり前を変える(スズキ機工株式会社 5/10)

【お客様インタビュー】習慣の継続と社員を守る体制が社員と会社の成長につながる(スズキ機工株式会社 6/10)

【お客様インタビュー】人を大切にする心をもち地域社会へのサポートにも尽力する企業(スズキ機工株式会社 7/10)

【出演者】
インタビュイー:
スズキ機工株式会社
代表取締役社長
鈴木 豊 氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

社員たちと価値観を共有して土台をつくることが大切

飯島 スズキ機工では、障がい者の方々の労働環境をなんとかしようとおこした行動が、自社にとってもよい結果を生みました。この領域までいくのは、なかなか難しいことだと思います。それを実現できたのは、やはりそういう会社でありたいという信念があったからで、ただ商品・サービスを売って儲けたいだけの企業ではなし得なかったでしょう。ここに鈴木さんの理念や哲学、価値観が表れていると思うんです。

鈴木 当社経営理念の「お客様が感動する商品・サービスの提供を通じて社会の発展・繁栄に貢献します」という一文にも、地域社会貢献に関する方針が織り込まれています。事業を運営するにあたって、まず社員とその家族の生活を支えられなければ意味がありません。

しかし、自分たちの生活や地域社会に対してできる貢献というものは、全てつながっているんですよね。どれかひとつだけを目標にしても、うまくいかないと僕は思っています。

飯島 こういう活動に力を入れる会社であることを示して取り組む、これもまた社員教育の一環になるんですね。

鈴木 社員たちには常に「今ある環境が当たり前だと思ってはいけない」と伝えています。努力することも私たちの義務であり、それに伴う出費や労力の投入も必要だというのが当社の考えです。例えば、ある出費に対して「そんなことよりも自分たちの給与やボーナスを増やしてください」という社員がいたとしたら、それは明らかに当社の価値観とは合わない人です。「価値観の合う人材と共に歩む」ことが私たちの方針で、それを提示するためにも、経営計画書に明文化した軸は絶対必要なんですよ。

子どもが砂場で山をつくるときでも、土台がしっかりしていなければ、大きく高い山はつくれませんよね。会社にとっては、価値観をきちんと社員たちと共有して理解してもらうことが、土台を固めることにつながると思っています。理念や価値観を経営計画書に明文化して、それをロジカルに構築して落とし込むことで、社員たちからの理解が得られ、運営もできるんです。経営コンサルタントの市倉定先生の「経営計画書なくして事業なし」という言葉は、本当にその通りだと実感していますね。

飯島 幅広い活動を通して一層尖る。スズキ機工はそうして市場、社員、地域からも選ばれる会社になっていったんですね。

会社と社員の未来のために新商品・サービスに挑むことを決意

飯島 十数年前、鳴かず飛ばずだったスズキ機工が活路を見出し、商圏をしぼってお客様に寄り添う事業に改革し、そして社員の価値観教育を行い、会社としての土台を整えていきました。次はいよいよ、スズキ機工の核ともいえる「ベルシザー」に関するお話を伺いたいと思います。

まずお聞きしたいのは、商圏を1時間以内にしぼっていたスズキ機工が、なぜベルシザー事業を全国展開されたのか、という点です。自社ブランド事業は、今や全国に幅広い販路をもっていらっしゃいますよね。これはまさに、高収益型事業構造を完成させた例であり、多くの企業人が興味のある話だと思います。

鈴木 私が社長に就任した当初は、ひとつしかない食品機械事業を立て直すために、ランチェスター法則で顧客をしぼり込みました。経営計画書を作成して、事業戦略も立てました。しかし、若い社員たちが今後、家庭を築いて子どもを育てていく……となると、年月とともにかかるお金はどんどん増えますよね。そのお金はどこから出るのかというと、当然給与からです。そして、その給与はどこから出るのかというと、収益。つまり、収益を上げないことには払えないのです。

当時は事業が改善したとはいっても、若くて未熟な組織だから済んだことであって、年々、社員たちの昇給に伴い固定費も上がることを考えると、収益を増やすことは絶対に必要でした。しかし、現状の地域戦略で5年後、10年後もずっと収益を伸ばせるかと考えると、そうは思えなかったんですよね。ある程度まで伸びたらあとは横ばいになる、そう経営計画書が教えてくれたんです。では、今後どうすべきかを考えると、やはり新しい商品・サービスに挑むしかないと思い至りました。そこで、既存の機械事業をコアとした、隣接異業での新規事業を立ち上げることを決めました。

まず決めたことは、お客様とのコミュニケーションで得た情報をもとに、マーケットが満足できる新商品・サービスを立ち上げるということです。経営計画書にも当時から一言一句変えず「お客様との密接な関係を車で1時間以内の商圏から作り、現場の生の声を吸い上げる」と書いています。とはいえ、現場の声をなんでもかんでも活かすということではありません。古田土会計やさまざまなところとの付き合いや学びを通して、勝つビジネスとそうでないビジネスの根本的な違いは、「継続循環型であるかどうか」だと感じたからです。

3つのフィルターだけを判断基準とし自社ブランド商品を続々とリリース

鈴木 スズキ機工では挑もうとする新しい商品・サービスに対して、まず1つ目に「消費されるものであるか」というフィルターをかけます。例えば、常に買う食品、繰り返し消費される電気や水道もそれにあたります。2つ目は「消耗品が発生するものであるか」です。インクトナーを使用するインクジェットプリンターは、消耗品で稼ぐというわかりやすいビジネスモデルです。そして3つ目は「契約で更新されるものであるか」です。

これが最も強い条件で、携帯電話事業が典型的な例です。デバイス製造会社の多くが事業撤退や事業縮小しているのに対して、キャリア各社は日系上場企業の経常利益ランキングでも、常にベスト10入りしていますよね。これはもう、経営者が優秀かどうかということではなく、ビジネスモデルの差なんだなと思います。ですから、年間契約で顧客と取引されている古田土会計も、最強のビジネスモデルですよね。

飯島 そうですね。

鈴木 当社の投資判断基準は、挑もうとする新商品・サービスが「消費する」「消耗品が発生する」「契約が自動で更新される」という、この3つのフィルターをクリアするか、それだけです。「挑む商品・サービスは、LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)が高いか否かだけを判断基準に据える」と経営計画書にも書いています。

そうして今日まで、ベルハンマーやベルシザー、パケットリール、ワイヤーカットスポロケットなど、さまざまな自社ブランド商品が誕生しました。どの商品にも共通していえるのは、継続循環型の商品だということです。「べルハンマー商品の一番の特徴はなんですか?」という質問には「消耗品であることです」と即答しています。

飯島 確かに、その通りですね。

鈴木 いわゆるストックビジネスは、一度商圏をつくれば需要はどんどん増えていきます。古田土会計の教えで言うと「鉄砲を作るのではなく、鉄砲玉を売るビジネスにしなさい」ということです。販路をどのように開くか、ということに関していうと、機械事業では、打ち合わせから見積もり作成、工事まで人が動かなければいけないので、地域戦略を取るべきです。

けれども、ストック型・消耗型・継続循環型のビジネスは、宅配便で全国各地に商品を送れるので、社員が動く必要がないから商圏を広げられるんです。もっと言うと、世界に挑むべき商品なんですよね。各商品・サービスの質を理解したうえで、戦略を使い分けることは重要です。ですから当社では、機械事業の販路は狭いエリア、自社ブランド商品の販路は広いエリアと真逆なんですよ。

飯島 扱うものが違うから戦略も異なるということなんですね。

第9回に続く]

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