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【お客様インタビュー】社員全員でつくる環境や経営計画が会社の当たり前を変える(スズキ機工株式会社 5/10)

【お客様インタビュー】社員全員でつくる環境や経営計画が会社の当たり前を変える(スズキ機工株式会社 5/10)

本連載は、社員数わずか17名ながらも年商5億円の成長企業へと転じた、スズキ機工株式会社の成功の秘訣をうかがうべく、同社代表取締役社長でいらっしゃいます鈴木 豊 社長へのインタビューを書き起こしたものです。

全10回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

◇前回までの記事はこちら
【お客様インタビュー】売上ゼロから年商5億円に成長した社員17名の会社の転機とは(スズキ機工株式会社 1/10)

【お客様インタビュー】『ランチェスターの法則』を取り入れた戦略で新事業を展開(スズキ機工株式会社 2/10)

【お客様インタビュー】事業転換、社長就任、しかし会社は赤字続きの自転車操業だった…(スズキ機工株式会社 3/10)

【お客様インタビュー】明文化した戦略と労働環境改善により会社が大きく前進(スズキ機工株式会社 4/10)

【出演者】
インタビュイー:
スズキ機工株式会社
代表取締役社長
鈴木 豊 氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

会社の経営を1年ごとに改善して「当たり前」基準を引き上げる

飯島 スズキ機工の離職率が下がった理由は、これは私がいつも言っていることでもあるのですが、環境改善によって会社の「当たり前」基準が変わったからだと思うんです。現在のスズキ機工の会社としての当たり前は、10年前のそれとはおそらく全然違いますよね。

鈴木 相当変わりましたね。私が経営計画書をすごいと思うところは、書いたことが100%残り、その内容を絶対に忘れないということ。当社ではこれを製本したものを社員全員が持っているのですが、書いた内容に沿って1年間運営してみると、各々から改善点や課題がかなりの数出てくるんです。これを社長1人の頭の中で決めて進めていたら、そりゃあ会社はうまく回りませんよ。社長の頭の中にあることを、すべて経営計画書にアウトプットすることで全員と共有し、1年ごとにモディファイ(改良)を重ねながら更新することができる。そういった点でも、経営計画書は会社を経営するうえで欠かせない武器だと実感しています。

経営計画書を社員に読ませるため試験を実施して賞与にも反映

飯島 スズキ機工にとって経営計画書は、社員全員でつくりあげる、いわば経営の設計図なんですね。ほかの中小企業では、経営計画書を作成してもその通りに実行していなかったり、経営計画書が机の中で眠っていたり、ということも少なくないと思います。しかしスズキ機工では、みなさんで経営計画書を大いに活かされていますよね。その具体的な活用方法についても教えていただきたいのですが…。

鈴木 まず言えることは、社長が百回、千回言ったところで、文字にして1行書くのには敵わないということ。まずは紙に書く、これが大前提ですね。とはいえ飯島さんのおっしゃるように、経営計画書を書いて「よし、これでやるぞ!」と言ったところで、社員は読まないものですよ。私は当初社員たちに対して「経営計画書を理解せずに事業運営をすることは、ルールを知らずにスポーツの試合に出るようなものです」と、粘り強く伝えていました。しかしそんな説明をしたからといって、読むようになるものでもないんですよね。ですから当社では、毎週おこなっている早朝会議時に「経営計画書試験」を実施しています。今週は環境整備、来週は教育訓練に関して…といったかたちで、目次に沿ったテーマから出題する、10問ほどの穴埋め式設問に答えてもらうんです。当然、経営計画書を読んで覚えていなければ答えられません。さらに、この試験の点数は賞与評価に連動すると明言しています。だからもう、ほぼ強制なんですよね。

飯島 「経営計画書読まないの?いいよ、じゃあ賞与はないからね」ということですね。

鈴木 そこまでしてやっと、社員たちが経営計画書を読み始めるようになった、というのが現実です。金で釣るようなかたちではありますが、嫌々ながらでも読んでいるうちに、社員たちの意識も変わってくるんですよ。「社長がいつも言ってることが確か経営計画書に載っていたな」「今していることが明文化されているじゃないか」そういったことに気づいて、だんだん自発的に読むようになっていくんです。そうして、経営計画書導入から5期目頃には、チームの方針や細かい取り決めに関しては、各チーム内でつくるような体制にしました。1年ごとに運営内容を見直してモディファイして…ということを、チームそれぞれでおこない、会社全体でもおこなう。それを続けてきたことによって、会社がひとつのベクトルを共有したチームになってきたと感じますね。

飯島 経営計画書によって大本を確立することは、大切なことなんですね。

鈴木 当社の経営計画書には組織図も記載しており、各チームがどのように機能すべきかまでを明確にしたうえで、それぞれが詳細や方向性を話し合っています。何もないところから「各チームで話し合って決めて」などと言っても、やはりそれは無理なんですよ。

毎日の朝礼でおこなう習慣が意識と環境を育ててゆく

飯島 経営計画書を基盤として、会社の「当たり前」基準を上げていったということですよね。また、経営計画書を導入して活用するうえでは、日々のトレーニングや訓練も、意識や能力を高める大きなポイントではないかと思います。スズキ機工では毎週試験を実施し、経営計画書の学びを深めているということですが、日常的におこなわれている取り組みなどはありますか?

鈴木 経営計画書にも書いている思いとして「まず人が習慣、つまり仕組みをつくる」そしてそのあとに「仕組みが人をつくる」ということがあります。これを落とし込むために、私たちが日々おこなっていることといえば朝礼です。当社の朝礼では、人に感謝する気持ちをもって業務にあたることを目的に、社員たちが「感謝の言葉」を述べる時間を設けています。「会社へ来るとき天気がよかったので今日は天気に感謝です」「通勤途中小学生があいさつしてくれて気分がよくなったのでその子に感謝します」など、1人30秒ほどの簡単なものですよ(笑)。また「楽しいから笑うのではなく笑うから楽しくなる」「脳と口角は連動しており口角を上げれば楽しくなる」という考えをもとに、「口角体操」というものも取り入れています。1日の始まりに、ポジティブな気持ちになるスイッチを入れようという、少しスピリチュアルな習慣です(笑)。

飯島 形から入って心に至る、ということを実践しているんですね。

鈴木 こういった1〜2分の訓練の後、個々の業務予定やミッションなどの報告・連絡を済ませ、最後に20分近くかけて環境整備としての掃除や整理整頓を全員でおこないます。当社では朝礼は8時半から7〜8分間、そこから9時までの間で環境整備に取り組むのが日常的な流れです。環境整備をしている時間は、どんなに仕事を抱えていても業務に取りかかってはいけないと決めています。環境を自分たちで作ることを日々の習慣によって仕組み化し、そしてその習慣こそがスズキ機工の大事な人材を育てる要素になっているんです。

飯島 8時半から9時の間におこなう朝礼・環境整備が、経営計画に基づく社員の教育・訓練の場になっているということなんですね。

鈴木 何よりもこれが一番の教育になっていますね。

第6回に続く]

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