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会社は支払手形で倒産してしまうのか?!支払手形は金利の付かない資金調達法という勘違い

会社は支払手形で倒産してしまうのか?!支払手形は金利の付かない資金調達法という勘違い

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、ポイントをかいつまんで解説していきます。

今回のテーマは、「会社は支払手形で倒産してしまうのか?!支払手形は金利の付かない資金調達法という勘違い」です。

支払手形を使うことで通常に借金をして買うよりも金利が付かない分、実質的な値引きになる便利なもの。
と思っていませんか?支払手形は1円不足があっても会社は不渡りで倒産する可能性があるのです。

支払手形は金利の付かない資金調達法だと考えている方はぜひ読んでみてください。

▽動画でも解説しています

会社は支払手形で倒産する

会社というものは支払手形で倒産すると言っても過言ではありません。
支払手形は、通常に借金をして買うよりも金利が付かない分、実質的な値引きになる便利なもののように思われがちです。
しかし、そもそも支払手形には金利が含まれているので「支払手形は金利の付かない資金調達法」というのは大きな勘違いなのです。

銀行の借入金はリスケ(債務返済の繰り延べや返済条件の変更)ができます。
お金が足りなっても一番返済額が大きい借入金の返済を、相談で少なくしたり、条件をゆるく変更すれば会社は生き延びることができます。

しかし、支払手形は引き落としの期日に1円の不足があっても会社は不渡りで倒産する可能性があるのです。

支払手形には金利が含まれている

例えば1000万円のものを購入したとして、現金ですぐ支払う場合と、掛けで1か月後に支払う場合、支払手形で3か月後に支払う場合は、代金は同じではいけないわけです。
これには2通りの考え方があり、

・手形の場合は代金が増える
・手形は値引き

という考え方ができます。
しかし、会社の利益を少しでも増やそうと考えるならば、支払手形には仕入れ代金の他に、金利、危険負担料がついているため、損だと考えるべきです。

また、手形の受取人は、支払期日まで持っていた場合、銀行に依頼して預金という形で受け取りができます。
受取手形の割引という形もあり、手数料を支払うことで、支払期日よりも前に銀行で現金化することが可能です。
この手数料が割引料です。この割引料は利率と期間でしっかり計算され、当然利息分が含まれているという理屈が成り立ちます。

支払手形を現金払いにすれば値引き交渉ができる

支払手形を振り出さない、なくすためにはどうすれば良いのでしょうか。
まず仕入れ先に「支払手形を現金払いしますから、その分だけお金を引いてください。」というお願いをすることがポイントです。

現金払いにすることで値下げ交渉ができるため会社の利益が上がります。
まずは、現金払いでの値下げ交渉のための文章を作りましょう。
例えば、

従来:毎月5日締め、翌月20日支払い
(支払手形がある場合は書留にて郵送)

変更後:毎月5日締め、翌月20日支払い
(全額現金振込決済のため支払手形の郵送は原則禁止)
※ただし、支払手形を振り出した場合、従来通りの郵送となる。

※支払い方法を全額支払いにすると請求書の欄には別途担当者と打ち合わせをして、3%の値引きをした額を記入。
※支払手形での支払いを選択した場合は、従来通り、支払手形が60%160日間(5カ月)、現金が40%とし、この場合は約定書の第三条は適用しないものとする。

こういった内容の文章を作り交渉することによって、支払手形を無くすことができます。
要は、基本は支払手形で支払うが、現金で160日間の支払手形を払った場合には、3%値引きしてください。
とお願いをしているということです。

ここで重要なことは、条件は今まで通りにしておき、こちらの資金繰りに困ったときは通常通りの支払手形に変えられるようにしておく事。
また、あくまで現金払いにしてもらった時に値引きしてもらう約定にしておくことがポイントです。
初めて取引する会社に対しても同様です。

なぜかと言うと、すべて現金払いにしてしまうと、取引先は徐々に値上げしてくる可能性があるからです。
そういった危険性があるので、現金払いにしてもらった時に値引きしてもらう約定にしておくことが重要なポイントです。

財務で利益を出すことができる

例えば、1億円の支払手形を4カ月振り出したとします。
毎月1億円の支払手形を振り出していると、年間で12億円の支払手形を振り出すこととなる訳です。

金利が2%だとして、年間12億円の手形を振り出さず、現金払いでの値段交渉で2%値引きしてもらった場合、12億円×2%で計算すると、年間で2400万円のコストが下がるのです。

この4カ月の手形分の4億円を同じ2%で買えたとします。
そうすると年間の金利は800万円となります。

2400万円から800万円引くと1600万円残ります。
この1600万円が会社の儲けとなり、財務で利益を出すことができるのです。
これは金額が大きくなればなるほど、利益も大きくなります。

例えば、ある卸売会社の話です。
月々10億円ほどの支払手形があり、年間にすると100億円の支払手形を振り出すことになります。
この会社も仕入れ先に現金払いにすることで2%の値下げ交渉をし、年間で2億円のコストが下がり、利益を出すことに成功しました。

支払手形を現金払いにすることによって、年間数百万円、数千万円のコスト削減ができます。
それも1年だけでなく、10年ならば10年分のコスト削減ができます。
=財務で利益を出す、儲けることができるのです。

支払手形を無くすために借り入れをする

難しいように感じられるかもしれませんが、バランスシートを見ると、支払手形が短期借入金に代わるだけなのです。
短期借入金は金利が付きますが、リスケがききます。

しかし支払手形は待ったなしなので、会社が倒産するリスクが増えてしまうのです。
短期借入金は金利が付きますが、現金払いにすることで値下げ交渉し、仕入れのコストが下がる事で、その金利を上回る利益が出るのです。

例えばその金額が短期借入金ではなく長期借入金として借りられれば、時間をかけて返すことができます。
例えば、1億円を5年で借りられたとすれば、年間2000万円ずつ返していくことができます。

その分の利益を出したり、買掛金を増やすように交渉したり、売掛金や受取手形を増やせば、やがて支払手形がゼロの会社にすることができます。

預金があるなら支払手形は振らない方が良い

私が多く会社を見させてもらっている中で、支払手形の半分位の預金を持っておられるケースが多いです。
私自身、「日本で一番大切にしたい会社大賞」の審査員をしております。
応募した会社に調査に向かうとB/S、P/L全て拝見し、アドバイスをさせていただきます。

ある大阪の会社に行ったとき、その会社のバランスシートを拝見いたしますと、支払手形が16億円振り出してありました。
4カ月ですので月々4億円です。
年間でいうと50億円の支払手形を振り出していることになります。
そこでその会社の預金を見てみると、40億円の預金がありました。

社長に「なぜこんなに預金があるのに支払手形を振り出しているのですか?」と質問したところ、「うちは昔からこのやり方でやっているから、なにも不思議ではなかった」とおっしゃいました。

そこで私は、年間で50億円の支払手形を振り出しているから、これを現金払いにすることで値下げ交渉ができるのですよ。
例えば、50億円の1.5%で交渉すれば、55億5000万円の1.5%だと年間で7500万円コストが下がりますよ。
この会社の場合、預金の40億円から16億円引いたとしても、24億円残るので、十分ネットキャッシュ比率、総資産に対する資金は十分にあります。
とアドバイスさせていただきました。

支払手形や小切手は偽装される恐れあり

手形帳があれば支払手形や小切手はいくらでも偽造することができてしまいます。
営利の第三者が分からなかった場合は、例え芋版でも全員取得が成立してしまうのです。

手形は盗まれたり、1枚でも抜かれでもしたら、それが原因で会社が倒産することもあり得ます。
そういったことを経営者である限りは知っておいていただきたいと思います。

まとめ:支払手形は金利の付かない資金調達法ではない!

今回は「会社は支払手形で倒産してしまうのか?!支払手形は金利の付かない資金調達法という勘違い」というテーマでお話をしてきました。

財務内容が良いのに、支払手形を出している会社というのは結構あります。
そういった会社の方は、支払手形をちゃんと無くすことによって会社は儲かります。

そうすると倒産するリスクからも免れることができるのです。
財務内容が良くない会社でも、支払手形を無くすことで、倒産のリスクから免れることができます。

会社は決してお金がないから、赤字だからといって倒産するわけではありません。
黒字でも倒産する会社はあります。

ですから、まずは支払手形を短期借入金や自己資産の中から調達し、支払手形を無くすこと。
大切なのは支払手形を無くす方向に経営を持っていくということなのです。

今回は支払手形について話してきましたが、大切なのは財務の全体像を把握することです。
どのような会社を目指していけば良いのかヒントが得られる「健全な会社とは」をご用意いたしましたので、ぜひご活用ください。

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