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【◯◯の支払いが最優先】仕入先や経費の支払いより銀行の借入金返済という勘違い

【◯◯の支払いが最優先】仕入先や経費の支払いより銀行の借入金返済という勘違い

「資金繰りに困ったら、何から一番先に支払うべきなのか。」
「支払えなくなった場合の対策や交渉にはどのようなものがあるのか。」

上記のような内容が知りたい経営者の方は、ぜひこのコラムをお読みください。

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、ポイントをかいつまんで解説していきます。

今回のテーマは、「仕入先や経費の支払いより銀行の借入金返済という勘違い」です。資金繰りについて、「資金不足の場合はこの順序で支払おう」という話をします。

中小企業の社長にとって資金繰りは最も大きな問題です。「うちの財務体質は万全、資金繰りの心配はありません」と胸を張って言える社長はほとんどいません。

実は、資金繰りに苦しんでいる会社は、お金を支払う順序を間違えているケースが多いです。そのためにさらなる資金不足に陥り、最悪の場合は倒産してしまいます。よって、資金繰りを改善するには、まずお金を支払う順序を見直すのがおすすめです。

▽動画でも解説しています

【推奨】資金繰りを楽にする「リスケ」

資金繰りを改善するうえで第一に理解を深めるべきなのが、「リスケ」についてです。リスケと聞くと不安を感じる方も多いかもしれませんが、私はリスケをやるべきだと考えます。実際、私どもの会社ではリーマンショックの前からリスケを勧めてきました。

リスケをすると銀行に見放されると考える方もいるでしょうが、リスケをやっても会社の業績が良くなれば、また通常の状態に戻ります。銀行も借り入れの話を持ってくるようになります。

◯リスケはこんなにも有効

リスケをすれば新しく借入はできなくても、元金の返済を止めたり、毎月の返済額を減らしたりすることができます。また併せて経費を抑える手段を講じることで、出ていくお金を減らすことが可能です。

リスケで返済を減らして、経費節減でその他の出費も減らすことで、利益はわずかでもさまざまな支払いの原資となるお金を貯められます。つまり資金繰りが楽になるわけです。

例えば、損益計算書では赤字決算であっても、赤字額が減価償却費以内ならば基本的にお金は貯まります。その際に肝心なのは減価償却費と借金返済額のバランスで、減価償却費が月々300万円で借入金の返済が月々200万円だとすると、毎月100万円は赤字を出しても返済は理論上可能です。

会社を倒産させないためには「お金を残すこと」

ただし、実際は違います。実際に借入金の返済原資になるのは、利益でも減価償却費でもなく「お金」です。お金がなければ会社は倒産してしまいます。いくら「税引後利益+減価償却費」が多かったとしても、借入金が少なかったとしても、手元にお金がなければ会社は潰れるので気をつけましょう。

儲けたお金が経営者の仮払金や貸付金に消えていたり、高級車の購入など余分なところにお金を使っていたりしたら、あっという間にお金は無くなります。そして借入金の返済ができなくなって資金繰りに困り、やがては倒産してしまいます。

繰り返しますが、借入金を返済するのは利益でも減価償却費でもなく、会社に残ったお金です。そのため、社長は会社にできるだけお金を残すような経営をしなくてはなりません。

支払いの正しい優先順位【お金には色がついている】

私はよく「お金には色がついている」と言っています。要するに、経営危機などの緊急時には支払いのための順位が決められているということです。

緊急時には、以下の順序にしたがって支払いを行なってください。この順序を守ることで、万事休すと思われる状況からでも、資金繰りを立て直せる可能性があります。

1. 手形の支払い
2. 従業員の給与
3. 材料代
4. 会社を維持するための諸経費
5. 銀行への金利
6. 税金・社会保険料
7. 銀行への元金返済

以下では、それぞれについて詳しく解説するので参考にしてください。

1. 手形の支払い【1日でも遅れると不渡】

最初に支払わなければならないのは手形です。手形は1円でも不足すると不渡手形になります。そして6ヶ月間に2回不渡を出すと、会社は倒産します。

手形の不渡は倒産に直結する因子なので、手形の支払いは最優先で行わなくてはなりません。

【注意】1ヶ月に2回手形を振り出すのは厳禁

気をつけていただきたいのは、1ヶ月に2回手形を振り出さないことです。手形の支払いは必ず1ヶ月に1回と決めておきましょう。

月に2回手形を振り出し、支払いを月2回にしてしまうと、一度不渡を出した15日後に支払日がきて、あっという間に会社が倒産してしまう恐れがあります。これが1ヶ月に1回の支払いにしておくと、一度不渡を出しても、次の支払いまでに1ヶ月猶予があるので、いろいろな策を講じる余地ができるわけです。

実際に1ヶ月に2回手形を振り出している会社は少ないかもしれませんが、もし御社がしていた場合はすぐにやめたほうが良いでしょう。

2. 従業員の給与【遅れは10日ほどが限界】

2番目に優先して払わなければならないのは、従業員の給料です。従業員にお願いして待ってもらうとしても、せいぜい半月が限界でしょう。

例えば、会社の給料の支払日が20日締め・25日支払いだとすると、月末に売掛金の資金が入ってくるのが決まっていれば、翌月の早々に支払うと約束して10日間くらいは待ってくれるかもしれません。

所定の支払日に間に合わない場合は、そのように従業員と話をしてみましょう。

3. 材料代【1ヶ月くらいは猶予あり】

3番目に優先すべきなのは材料代です。材料代は1ヶ月くらいなら待ってもらえることが多いので、支払えない場合は交渉し、1ヶ月後にきちんと支払うための準備を整えましょう。

材料代や外注費の支払いをためらっていたら、物を仕入れられなくなってしまいます。また外注先に支払いをしないと、外注先が先に倒産してしまうかもしれません。

多くの方の生活が危うくなる恐れがあるため、やはり経営者の責任として、従業員の給与と材料代・外注費は、優先して支払う必要があります。

4. 会社を維持するための諸経費【2〜3ヶ月は猶予あり】

4番目は会社を維持するための諸経費で、資材・家賃・水道光熱費などが該当します。これら経費は2〜3ヶ月は待ってくれるかもしれません。

そのため、厳しい場合は交渉してしばらくの猶予をもらうのがよいでしょう。

5. 銀行への金利【3ヶ月以上待ってもらえる可能性】

5番目は銀行の金利、元本の返済よりもまずは金利を支払うことが重要です。銀行と交渉する場合は、まず金利を少し待ってもらうように話をしてみましょう。

6. 税金・社会保険料【3〜6ヶ月ほどの猶予あり】

6番目は源泉税・法人税・消費税などの税金と社会保険料です。これらは大体3〜6ヶ月くらいなら、どうにか交渉できる余地があります。

7. 銀行への元金返済【リスケをする】

そして7番目、最も優先順位が低いのが銀行への元金返済です。これを待ってもらうときに「リスケ」を用います。

なお、リスケは「払わない」ということではなく、「返済額を減らす」ということです。

資金繰りに困ったときの対策・交渉術

会社が資金繰りに困ったときは、支払いを待ってもらったり、支払額を少なくしてもらったりするために交渉するしかありません。その交渉は、上述した優先順位の低いものから進めていくのがおすすめです。

◯まずはリスケ、そして税金・社会保険料

まずは最も優先度の低い銀行への元金返済から対処します。リスケをして、元金の返済を少なくするか止めることです。続いて税金と社会保険料も交渉し、待ってもらうか分割払いにしてもらいましょう。

ちなみに香川県の銀行さんは、税金・社会保険料が未払いでも融資してくれるのだそうです。担当者の方に、東京では法人税や消費税、社会保険料を払っていないと貸してくれないと言ったら、「そうなんですか」と返答されました。羨ましいなと思い、貸してくれる理由を尋ねてみると、銀行がその会社に融資しなくて倒産したら評判が悪くなるからだそうです。恵まれていると思った反面、そこまで甲斐甲斐しくされると、甘やかされた会社はやはり倒産するのではないかとも考えました。

その後も優先度の低いものから交渉していく

税金・社会保険料について対処してもまだ資金繰りに困るようなら、優先順位の低いものからさらに交渉を進めていきましょう。税金・社会保険料の次は銀行の金利、その次は会社を維持するための諸経費です。

そして材料代・従業員の給与と続きますが、この2つについては、経営者の責任としてなんとか支払うのが望ましいといえます。

◯手形の支払いは「ジャンプ」してもらう

会社を倒産させないために最も重要な手形の支払いについては、支払えないことが事前にわかっていれば「ジャンプ」してもらうこともできます。ジャンプとは要するに、1ヶ月以上前に交渉して期日を書き換えてもらうということです。もしくは分割払いをお願いして手形を回収する選択もあります。

ただし、お金を出すところが裏書きや割引をしていた場合、そうした交渉・対処はできなくなります。その場合は何としても期日までに支払わなければならず、6ヶ月間に2回支払えないと会社は倒産です。

そのため、資金繰りに苦しむことが予想される場合は、仕入れ先が自社の手形をどのように扱っているのかを把握しておく必要があります。

まとめ:手形の支払いが最優先、銀行への元本返済は一番後

「仕入先や経費の支払いより銀行の借入金返済という勘違い」をしている経営者も多いですが、銀行への元本返済は一番後回しで構いません。資金繰りに困ったときの支払いの優先順位は、一番に手形、次に従業員の給与、その後は材料費、会社を維持するための諸経費、銀行への金利、税金・社会保険料と続きます。

資金不足で「万事休す」と思われても、この優先順位にしたがって支払いを行い、優先度の低いものから猶予をもらう交渉をしていけば、窮地を脱せる可能性があります。資金繰りにお悩みの方は、ぜひそうした支払い方や交渉をお試しください。

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