あなたの会社に元気と未来を届けます!

CLOSE

BLOG ブログ

【経営計画書の正しい形 会社経営の目的とは】 計画通りにいかないから計画に意味はないという勘違い①

【経営計画書の正しい形 会社経営の目的とは】 計画通りにいかないから計画に意味はないという勘違い①

こんにちは。古田土会計・代表社員の古田圡満です。

「経営計画書の意義や正しい書き方などを勉強したい」「会社経営の目的や手段について知りたい」などとお考えの方は、ぜひこのコラムをお読みください。

本コラムでは、中小企業の社長の皆さまが勘違いしやすい事例をまとめた書籍『熱血会計士が教える 会社を潰す社長の財務!勘違い』から、重要なポイントをかいつまんで解説していきます。

今回は、同著の「第6章 経営計画書で儲かる会社に一直線」のうち、196〜200ページを取り上げます。

テーマは「計画通りにいかないから計画に意味はない」という勘違いです。

会社経営にとって、計画を立てることは大きな意味を持ちます。正しい形で経営計画書を作り、それに沿って行動すれば事業が成功し、社員や家族が幸せになる未来を描けます。また、そもそも「計画通りにいかない」のは一部だけであり、現実にはほとんど計画通りにいく要素も多いです。

今回は以上のようなことを解説します。経営計画書とは何か、会社経営の目的とは何か、そうした基本的かつ重要なことをいくつかお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

▽動画でも解説しています

「計画通りにいかない」は本当か?

一般的に「計画通りにいかない」といった場合の「計画」とは、「短期利益計画」のことを意味します。それも「損益計算書だけの計画」です。

「損益計算書の内容はどのように変わるかわからないから、計画を立てても意味がない」とよく言われます。

しかし、計画通りにいかないのは「売上」と「粗利」くらいであり、それ以外はほぼ計画通りにいきます。とりわけ経費はほぼ計画通りになることが多いです。

人件費や経費などはほとんど計画通りにいく

売上-変動費=粗利益
粗利益-固定費=経常利益

上記のうち、人件費や経費などの固定費は、ほぼ計画通りにいきます。わからないのは売上と粗利だけです。

よって、獲得できる売上や粗利はわからなくても、「獲得しなければならない売上と利益」はわかります。実はこれが利益計画になるわけです。

しかし、利益計画は経営計画書のほんの一部にすぎません。次項では、経営計画書とはどのようなものか、詳しく見ていきましょう。

経営計画書とは「方針編」と「諸表編」が一体となったもの

経営計画書には、「方針編」と「諸表編」の2種類があります。このうち、「計画通りにいかない」といわれるのは、数字を記入する「諸表編」に書かれた短期利益計画です。

中でも「売上」は計画通りにはいきません。一方、内部費用(人件費や役員報酬、広告宣伝費、研修費など)は、ほぼ計画通りにいく確率が高いです。

「方針編」か「諸表編」の片方だけでは意味がない

経営計画書とは、「方針編」と「諸表編」の2つを合わせたもののことをいいます。数字が書かれた「諸表編」だけでは、経営計画書とはいいません。

また「方針編」だけの経営計画書も、真の経営計画書ではありません。方針だけでは具体的な数字を伴わないので、計画と実績の差をチェックし、それに対して対策を打つのは難しいです。

よって、経営計画書は方針編と諸表編を一体として活用する必要があります。

経営計画書と似て非なるもの

よく税理士や会計事務所が主導となり、銀行提出用の利益計画を作りますが、これは経営計画書ではありません。これは単なる予算のことを意味します。

また、多くのコンサルタントが高いお金をとって経営計画書セミナーを開き、経営の方針書を作ります。しかし、方針書だけ作ったのでは具体的な数字がないので、ほとんど意味がありません。方針通りに行って成果が出たかどうかは、数字と照らし合わせないとわからないからです。

経営計画書の正しい作り方・手順

経営計画書の「方針編」と「諸表編」は一体です。どちらが欠けてもいけません。

しかし、「方針編」を作るのにはなかなか時間がかかります。よって、経営計画書を作ろうと思ったら、まずは短期利益計画(諸表編)を作り、方針のほうは徐々に固めていきましょう。これが経営計画書の正しい作り方だと、我々は考えています。

なぜ経営計画書を作るのか?【経営の目的とは】

経営計画書はなぜ作るのかということを皆さんに説明させていただきます。

「なぜ経営者は経営計画書を作るのか?
経営計画書は社員と家族、そして会社を取り巻く全ての人々を幸せにするために、会社を持続的に成長させてくれる道具です。」

古田土会計「人を大切にする経営計画書 方針編」より

経営計画書は道具です。何のための道具かというと、会社経営の目的を果たすための道具です。
それでは、会社経営の目的とは一体何でしょうか。

経営の目的は「社員と家族を幸せにすること」

皆さんは「会社経営の目的」について、ちゃんと社員に説明しているでしょうか。

私たちの場合、「社員と家族そして会社を取り巻く全ての人々を幸せにする」ために経営をします。

極論、経営の目的というのは、社員と家族を幸せにすることです。私はいつも社員にそう説明しています。そのためには会社を持続的に成長させないといけない。

しかし、会社の成長はあくまで手段です。なんといっても目的は、社員と家族を幸せにすること。私はそのように社員に教えています。

社員なくして経営の実践はない【経営計画書の意義】

なぜそうした説明が必要かというと、経営計画を実行するのは社員だからです。社員の協力なくして、経営の実践・実行はありません。

そのため、社員が納得して働けるよう経営の意味を説明しなくてはいけません。それが経営計画書を作る意義なのです。

経営計画書に何を書くか?【社員と事業の未来像】

「経営計画書の核になるのは、社員の未来像と事業の未来像です。

社員が知りたいのは、社長が自分たちのことをどれだけ大切にしてくれるかです。社員は自分と家族を守り、幸せになるために働いています。この会社で働いていれば、社員の未来には夢と安心と希望が持っている。

社長はこのことを経営計画書に熱い思いを込めて書いてほしいのです。一般的な経営計画書は業績重視の経営計画書です。社員の未来像が書いてありません。

しかし社員が本当に知りたいのは、自分たちの未来が書いてある社員の未来像です。社員は、自分たちの未来のために会社の皆を知りたいです。社員の未来像のない経営計画書では、社員の協力は得られません。経営計画書は、一生懸命頑張ってくれている社員のために作るものです。
(古田土会計「人を大切にする経営計画書 方針編」より)」

「中期事業計画」こそ経営計画の本質

「また、会社の未来は何で決まるかというと事業で決まります。事業の未来像なくして会社の未来はありません。事業とは商品のことです。中小企業では、ほとんどの商品、サービス、ビジネスモデル、市場開発は社長が中心になっています。

中期事業計画こそ、会社と社員の未来像を実現させる最も重要な計画です。
(古田土会計「人を大切にする経営計画書 方針編」より)」

経営計画書には、社員の未来像に加えて「中期事業計画」を記すことが大事です。

会社の未来は全て事業で決まります。これはドラッカーも言っています。

ドラッカー「企業の目的は顧客の想像である」

ドラッカーは、以下の言葉を残しています。

「企業の目的は、顧客の創造である。
したがって、企業は2つだけの基本的な機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。
マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」

P・F・ドラッカー(2001)『マネジメント エッセンシャル版』ダイヤモンド社より

会社の目的は、社員と家族を幸せにすることです。そして、その手段として会社を持続的に成長させなくてはならない。

会社を持続的に成長させるためには何が必要かというと「顧客の創造」です。また、顧客を創造するために必要な要素として、マーケティングとイノベーションの2つが挙げられます。

マーケティングとは、現商品の現市場に対する影響力のことをいいます。イノベーションとは、新しい市場、もしくは現市場に対して新しい商品・サービスを提供することです。

どちらも普通の会社がやっていることです。それをマーケティングとイノベーションと定義しています。

会社の未来は全て商品・サービスにかかっている

会社の未来は何で決まるかというと、全て商品・サービスで決まります。つまり事業で決まるわけです。売上が上がるかどうかで決まるわけです。

このことを、経営者はまずしっかり認識しなくてはいけません。

会社は何のためにあるかというと、社員の幸せのためにあります。それゆえ、経営計画書に社員を幸せにするための未来像(方針編)を描くわけです。

しかし、その未来像を実現するには事業に成功しなければなりません。よって現実的には、中期事業計画を作ることが経営計画の核となります。

方針書だけではいけません。数字の伴わない方針書は、絵に描いた餅みたいなものです。

まとめ:「社員の未来像」と「事業の未来像」を計画すべし!

【今回のポイント】
・売上と粗利以外の要素はほぼ計画通りにいく
・経営計画書は「方針編」と「諸表編」が一体となったもの
・会社経営の目的は「社員と家族を幸せにすること」
・会社を存続させるのは「事業」、ゆえに中期事業計画が必須

そもそも会社経営の目的は、社員とその家族を幸せにすることです。経営者はその目的の手段として、会社を存続させることを考えなければなりません。

会社を存続させるのは、なんといっても事業の成功です。事業を成功させるには、既存もしくは新規の商品・サービスをいかに展開するかという、マーケティングとイノベーションが重要になります。

以上のことから、経営者は社員とその家族をいかに幸せにするかという「社員の未来像」と、そのための手段としての「事業の未来像(中期事業計画)」を計画しなければなりません。この2つが経営計画書の中核です。

なお、実際に計画を立てていくうえでは、未来像の他にも戦略や数字など、様々な要素が必要になります。それらを考慮して、具体的な計画を立てていきたいとお考えの方は、ぜひ『マネるだけ、埋めるだけで作れる経営計画書 作成シート(ダイジェスト版)』をご活用ください。

『マネるだけ、埋めるだけで作れる経営計画書 作成シート(ダイジェスト版)』
無料プレゼント!

今すぐ無料ダウンロードする

古田土会計グループでは、経営者のお悩み別に無料セミナーを行っています。