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『拡大には成長拡大と膨張拡大がある』(M&Aは必要な成長戦略なのか)

『拡大には成長拡大と膨張拡大がある』(M&Aは必要な成長戦略なのか)

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財務の裏付けのない拡大は成長ではなく、膨張である

 

中小企業の経営者なら誰でも「もっと会社を大きくしたい」「もっと利益を出したい」という思いはあると思います。

私は41年間多くの中小企業の成長と倒産、廃業を見てきました。

独立した昭和58年以降多くの会社社長と出会いました。

特に中小企業家同友会では仲間と勉強し、経営計画書作成の合宿も行いました。

今では社長仲間の多くの会社が倒産したり、縮小しています。

今も成長している会社は数社のみです。

理由は売上が上がらなくなったからです。

時代の変化に合わせて商品、サービス、ビジネスモデルを変えられなかったからです。

また売上の拡大を急いで倒産した会社も多くあります。

例としては飲食、小売業に多くありました。

飲食業では1店舗が成功すると短期間に2店舗、3店舗と拡大したがります。

1店舗が成功しても借金が多く、内部留保もない状態で借金して拡大しました。

外から見ると成長しているように見えますが、膨張しているのが現状です。

新型コロナ等の災害やお客様にあきられてすぐ倒産しました。

財務の裏付けのない拡大は成長ではなく、膨張であると私は思っています。

私は経営計画書で「10%以上成長しない。ゆっくりと確実に成長することが、結果として早道です。ただし、毎年成長する。急成長ではなく、安定成長を目指す。急成長は社員のレベルを落とし、お客様も社員も不幸せになる。成長拡大は良いが、膨張拡大をしてはならない。重視すべきは業績ではなく、継続。社員に無理をさせない。」と書いています。

 

M&Aを戦略として使うには

 

今、中小企業は、人手不足や後継者難で悩んでいる会社が増えています。

会計事務所業界では顧客数の減少や採用難で事業譲渡をするM&Aが増えています。

この業界は事業規模として10人未満が圧倒的多数なので先生が高齢化しても所内に経営を引き継げる人材がいないのが現状です。

そこでM&Aで事業売却となるのですが、買手は年商の0.8倍から1倍以上で買っているそうです。

年に数社買って事業を拡大している会計事務所もあります。

社員数の目標を1,000人にするとかの目標を掲げて業容を拡大しているところもあります。

古田土会計でも2年6ヶ月前に1度だけM&Aにより四国の生駒会計さんに仲間になってもらいました。

生駒先生より指名されたこと、生駒会計さんと古田土会計は価値観・理念が共有できることが決め手です。

他の案件はほとんどお断りさせてもらっています。

ほとんどの会計事務所さんとは仕事に対する価値観・経営理念が異なるからです。

私は経営理念使命感を共有できない所と一緒になってもお互いに苦しむだけだし、拡大しても成長ではなく、規模とか利益を追求する膨張する集団にしかならないと思っています。

M&Aで経営理念使命感の共有の他にもう1つ大事なことは、資金です。

M&Aのために銀行から借金をすることは、会社の財務体質を大幅に悪化させます。

借金をしながらM&Aを繰り返すと貸借対照表の資産と負債が膨張します。

子会社が思うように利益が出ないと借金返済ができなくなります。

私は会社と社員を守るためには、中小企業のM&Aは自己資金でやるべきだと思っています。

借金しないとできないならまだ実力不足と断念するのが正しい判断です。

会社は潰してはいけないのです。

 

拡大することより潰さない経営

 

物事には大事と小事があります。

大事なことは、社員と家族を守ることです。

そんなに拡大を急ぐ必要はありません。

しっかり儲けて内部留保をしてその範囲内でM&Aをすればそう簡単に会社は潰れません。

昔からよく言われている言葉に「中小企業とおできは大きくなると潰れる」「中小企業と屏風は広げすぎると倒れる」があります。

中小企業は拡大することより潰さない経営が大事です。

財務体質をよくしてから成長拡大しましょう。

大事と小事をしっかり認識して会社と社員を守りましょう。

今年もよろしくお願いします。

 

古田圡 満

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